不動産投資ローンと住宅ローンの違い

目的の違い

<不動産投資ローン>
家賃収入を得る目的の収益用不動産を購入するためのローン

<住宅ローン>
自宅となる物件にのみ適用されるローン
※住宅ローンを組んで収益用不動産の購入費用にあてることは、重大な契約違反となる。

返済原資の違い

返済原資:借入金の返済にあてる資金のこと。

<住宅ローン>
一般的には毎月の給与収入。個人の労働による収入から返済原資を捻出。

<不動産投資ローン>
賃貸経営によって入居者から得られる家賃収入から返済原資を捻出。個人の投資家であっても、賃貸経営という事業をすることが前提。

融資額の違い

不動産投資ローンのほうが、融資金額の上限は高額となる。個人に対する融資なのか、事業をする投資家に対する融資なのかという違い。

<住宅ローン>
一般的には個人の年収の5倍~6倍が上限だが、個人の属性次第では7倍~8倍になることもある。

<不動産投資ローン>
年収の10倍~20倍が上限となることもある。この金額の大きさは、家賃収入だけでなく給与収入や貯蓄も加味されるため。(初めての不動産投資ローンでも、年収500万円で5,000万円、あるいは1億円を借り入れることも可能。融資の可能金額、個人の属性や物件の収益性により変わってくる)

融資の金利

不動産投資ローンのほうが、金利は高くなるのが一般的。貸し倒れのリスクのため。

<住宅ローン>
年利0.5%~2.0%程度。給与収入は、個人が勤続するかぎりは大きく減ることがないため、給与収入を返済原資とする住宅ローンは貸し倒れのリスクが低く低金利。

<不動産投資ローン>
年利1.5%~4.5%程度。融資金額が大きい不動産投資ローンでは、返済金額も大きくなるが、返済原資である家賃収入は空室や家賃の下落により常に一定とは限らず、貸し倒れのリスクが高くなる。そのため、安定した収益が見込める物件では、不動産投資ローンでも金利が低くなる傾向がある。

融資審査の内容

個人の信用度だけを見る住宅ローン、物件の収益性も見る不動産投資ローン。金融機関により融資審査の基準は異なるため、融資審査に通らなかったとしても、別の銀行では通る可能性もある。

<住宅ローン>
個人の属性が融資審査の基準。属性は、個人の返済能力や信用度にかかわる。具体的には、年収、勤続年数、貯蓄金額、他社での借入金額、金融事故の履歴など。

<不動産投資ローン>
個人の属性に加えて物件の収益性も入念にチェック。物件が建っているエリアや築年数、家賃設定や過去の物件売買の履歴など。どのような物件を選ぶかということも、融資を受けられるかどうかを左右する。

制限

住宅ローンと不動産投資ローンでは、法人名義で契約できるかどうかも違います。

<住宅ローン>
契約者が居住することが前提。自宅用のローンであり、法人名義では契約できない。また、住宅ローンでは、返済原資が給与収入となることが一般的であり、定年を加味して、年齢の上限は65歳~70歳未満ほどに設定。

<不動産投資ローン>
給与収入ではなく不動産収入を得る事業のためのローンであり、法人名義での契約が可能。不動産投資ローンでは、返済原資が賃貸経営による家賃収入です。物件の収益性や資産状況によっては、70歳以上での借入も可能

不動産投資ローンの後に住宅ローンは組めるのか

年収の10倍~20倍という高額の融資を受けられる不動産投資ローンは、他社からの借入金額が大きい状態。住宅ローンの融資審査をする金融機関は、個人の返済能力を判断するため、すでに返済能力の上限に近づいており融資審査に落ちやすい、というのが一般的な認識。

ただ、住宅ローンの上限額年収の5~8倍の金額内、2つのローンをあわせて返済比率が大きすぎなければ融資が受けられる。

<返済比率とは>
年収にしめる年間返済額の割合。金融機関によっては、不動産収入を給与収入と合算して考える。融資審査の基準は一定ではないものの、不動産収入が大きいほど住宅ローンの審査も有利。

(引用記事)


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