欧州ネイションズリーグが面白すぎる!①(スペインの劇団ルチョと『俺の』マンチーニ、そしてワールドクラスの定義)
花璃です。
インターナショナルマッチウイークですね!
欧州では、W杯予選と並行してネイションズリーグという謎のイベントの決勝トーナメントがあっていました。
(と言っても、準決勝二試合と決勝・三位決定戦だけだけど)
ネイションズリーグ=ガチ目のリーグ制国際親善試合
「EUROが終わったばっかりなのになんでまたトーナメントしてるの?」
って疑問に思ったのですが、
ヨーロッパはフットボールの本場(だと自分で思っている)なので、弱い国と親善試合しても意味がないから、同レベの国同士でガチ目に親善試合しましょう。
というイベントらしい。
親善試合は調整(新しい選手や陣形を試したり)を兼ねてする場合が多いので、大きく実力に開きのある相手とやっても意味がないのはあるよね。
(どっかの極東の島国に、親善試合の成績が悪いからとW杯直前に解任された外国人指揮官がいたらしいけど笑)
各国スタメンの「誰?」ぶりがすごい。
特に、準決勝のスペイン対イタリアと三位決定戦のベルギー対イタリア二顕著でしたが、調整なのかお試しなのかなんなのか、スタメンが知らない人ばかりですごかったです。
2.5次元若手俳優界隈で、いつメン以外の新人や畑違い(地下アイドルとか仮面ライダーとか辞めジャニとか)がキャスティングされると
「誰?」
ってざわざわざわざわする、
「YOUきちゃいなよ」
で呼ばれたばかりのジャニーズJr.がコンサートで登壇して、デビュー組のお姉さんオタクがざわざわざわざわする、あの(?)感覚。
スペインの攻め過ぎたスタメン
セルヒオ・ブスケツが我らが主将吉田麻也に他人の空似過ぎてカメラで抜かれるために笑ってしまう。
(ブスケツってそれにしてもすごい名前だよね。)
ところでルイス・エンリケさん、その筋の人に言わせるとすごい変態らしい。
左利きのCBを二人並べたり(これは普通しないらしい)、いつメンFWが三人も怪我でいないのでオヤルサバルとフェラン・トーレス、サラビア(これがまずわたしにとっては「誰?」なのよ)を三人並べたり。
オヤルサバルは夏の五輪では汗で張り付いた前髪にボリュームがなさすぎて、二十代前半にしては前頭部の毛根が心許ないなと思っていたんですが、秋口の北イタリアは涼しかったのか、生え際にふわふわと髪の毛が揺れていました。
オヤルサバルはオリンピックではシュートしてもシュートしても面白いくらい外していた印象だったんですが、久々に見たらクロサーになっててびっくり。
いい感じのクロスを供給してフェランが決めていました。
ゴール後投げキスキメるイケメンのフェランとお笑い要員(失礼)のオヤルサバル…。
サッカーに顔は関係ないと言いたいけど、やっぱり持ってる人は持ってるんだなと思ってしまったし、オヤルサバルは名クロサーとして生きて行ってほしい!(笑笑笑)
17歳2ヶ月で代表戦ガビくんと(東京オリンピックにも確か来てた?)ブライアン・ヒル、ピノ君などなど、ジャニーさんが生きていたら
「YOU来ちゃいなよ」
と言わんばかりのバブバブした十代の男の子たちが元気いっぱい走り回っていましたよ。
個人的な総評は
ガビ:
大健闘!通用してる。
キエッリーニに首根っこ掴まれたり、ベンゼマにマークついたりして完全に見た目は完全に赤ちゃんだったけど全然やれてた。
(ただ、まだ細いので倒されたりするとヒヤヒヤする)
ピノ:
よくわかんない。ブスケツさんの周辺でカバーに回ってた子かな?
ポジショニングいいし、普通に通用してると思う。
ブライアン・ヒル:
後半ちょっと出てきてコーナーキックだったかやってた記憶。
この体でプレミアリーグは無理でしょ。スタミナもなさそう。
ハズレ予想。
ブライアン・ヒルとガビは、20代前半でピーク過ぎるようならCNCOみたいなスパニッシュポップ・アイドルに転職したらいいよ。
オヤルサバルも入ってもいいよ。
っていうか、日本のジャニオタとかドルオタってアセンシオとかフェランのイケメンスタータイプよりもオヤルサバルとかにヤバい濃いオタが付くイメージ。
おっさんになっても踊れれば活躍できる。
オヤルサバルは顔は残念だけど(余計なお世話;)、スペイン人にしては身長もあるしガタイがいいので歳とって顔と(毛根と)実年齢が一致して技術と経験が追いついてくるといい選手になると思うんだよね。
ブライアン・ヒルとガビは体格的にちょっとキツイかな、若い時だけかなって…。
やっぱ最低180cmないと30超えてからは特に難しいと思う。
イブラヒモビッチとかクリスティアーノ・ロナウドとかが170cmだったらあんなに長く第一線でやれてないと思うし。
そして、俺の(?)マンチーニ
こちらの記事↓で本気汁だだ漏れしていた通り、
わたしの最近の推しのイタリア代表、マンチーニ監督!
曰く、
「スペインは多くの決定機を作るがフィニッシュはあまり良くない」
そうそう、そうなのよ〜〜〜
スペインのサッカーって、決定機が多くて面白いんだけど、マジでシュートが下手。
ストライカーがいっぱいいるのに、マジでシュート入んない。(ストライカーとは。。前述のオヤルサバル笑)
スペイン代表にロナウドとかレヴァンドフスキがいたら、EUROは優勝していただろうし、オリンピックでブラジルに負けてませんわ。
イタリアは準決勝、三位決定戦共にキエッリーニ温存作戦を始めとする新顔(?)チャレンジでした。
準決勝は、キャプテンのボヌッチが暴走(?)し、退場。
ジージョ(ドンナルンマ)の弾き損ねたシュートをクリアしたり、好プレーも多かったんだけど、ミラノ開催だったからかいつもの(いつもの笑←なんつーか、セリエA特有のアレ)ノリで審判に絡んで最初にもらったイエローカードがまずかった。
ボヌッチはん、その審判ドイツ人やで…。
キエッリーニ温存が裏目に出たかなぁ…。(キエッリーニが居たら審判への無意味な抗議は止めたはず)
後半から出場したキエッリーニは、スペインのちびっ子たちに嬉々としてイタリアの守備の洗礼を授けていました。
(*EURO決勝でのサカの首根っこ掴みを参照)
インタビューを読んでお気にになった左サイドバック、エメルソンの動きを結構追ってたんだけど、本当によく走る。最後まで走る。
二ヶ月前くらいに読んだので間違ってるかもしれないけど、覚えてる範囲だと、大体こんな感じ↓
ブラジルから十代でイタリアに来て、まず、パレルモに所属したんだけど、暖かくてビーチもあって、ブラジルみたいだなと思った。
だけどサッカーは「戦術、戦術、戦術」でブラジルと全然違うから驚いたよ。
怪我をして、チェルシーではレギュラーではなかったけれど、マンチーニは
「所属チームでレギュラーじゃなくても招集する。君の力を信じている」
と言ってくれた。
だから、腐らずにずっとベストコンディションで居られるように努力できた。
「俺はいつでも準備ができている」
ってね。そしたら、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントで同ポジションのチームメイトが怪我をして、出番が回ってきた。(確か、ファイナルのスタメンだったと思う)
チャンピオンズリーグで優勝してEUROのイタリア代表合宿に合流したけれど、スピナッツォーラもいい選手だし、調子が良かったから控えだったけれど、僕もいつでも出られるようにコンディションを整えていた。
スピナッツォーラの怪我は残念だったけれど、彼が離脱してピッチに入った瞬間からフル稼働できたよ。
素晴らしいチームの優勝に貢献できて、誇りに思う。
エメルソンええ奴や…。
後は、三位決定戦で出ていたラスパドーリがアジア系っぽくて気になった。
現役大学生(?)FWらしい。(学歴主義なのも結構アジアっぽい)
ただ、アジア系かどうかは確認取れず。スペインのダビド・シルバ(お母さんが日系フィリピン人)もW杯で初めて観た瞬間、
「アジア系だ!」
ってピンときたから(小野伸二みあるよね?)
わたしのアジアセンサーは結構当たるんだけどな。(ラスパドーリ↓)
顔もあるけど、髪の毛にも特徴が出やすいと思う。(黒髪の直毛は世界的には結構珍しい←伸ばすと癖が出るタイプの黒髪が多い)
顔がアジア要素なくても骨格に特徴出る場合もあるし。。
どうでしょうね?
ちなみに、三位決定戦のキャプテンはジージョ(22ちゃい)でした。
割り切って色々な選手を使ってるなという印象。
三位決定戦は後半半分過ぎるまでジョルジーニョ、インシーニエを温存していて、PK(あれは疑惑の判定。あれがPKなら、ベルギーもPKもらうべきシーンがあった。)誰が蹴るのかなって思ってたらベラルディとかいう選手が蹴っていました。(ちょっと地味で量産型のサッカー選手って感じだった)
不安そうにしてるからドキドキしたけど、決まって良かった!
ラスパドーリと同じサッスオーロ勢でまとめてお試しだったのか。
『監督』って英語では『コーチ』とも言うし、言語によっても色々な呼び方があるけど、マンチーニ監督に一番似合うのは
『マネージャー』
だと思う。
戦術と人材と配置と、『コーチ』として人を育てるとかじゃなく、そこにある人材を使う事に長けた人だなと。(この辺は彼のプライベートも含めて語りたい。)
マンチーニ監督を見てると、カエサルってこんな人だったんだろうなって思う。
ガッリアを攻略して、テムズ川の沼地に『ロンディニウム』という植民地を作ったのがカエサル。
ロンドンでイングランドを倒してユーロの優勝杯をローマに持ち帰ったのがマンチーニ。
俺のマンチーニは今日もいい男だった♡
面白すぎたベルギー対フランス
いや、マジですごすぎて、W杯の決勝かと思った笑
EUROの決勝トーナメント(これもめちゃめちゃ面白かったんだけど)のどの試合よりも面白かった♡
ポール・ポグバがルカクにボンってぶつかってボール取った時、
「アッーーーーーーー」
って何かに目覚めそうになった。
(寧ろ、もう目覚めてる(ー ー;))
カラスコ(ベルギー)とエルナンデス(フランス)って言うスペイン系FWが両チームに居て、両方得点したのもなかなか興味深かったです。
終了間際、ルカクの2番目のゴール取り消しは悲しかったけど(VAR厳しすぎん?)、後半はとにかくフランスが押してたから納得だったし、アディショナル・タイムのゴールはすごすぎた。
とにかく、速い、速い、速すぎる。
「これがプレミアリーグサッカーか!!!!!」
って感じ。
ルカクは途中から全然走らないし(ゴールは決める!)、デブロイネは走ってたけど後半は完全にバテてたし、アザールはスピードについていけてなかったと思う。
と思っていたら、三位決定戦はルカクとアザール居なくて、デブロイネはベンチスタートでした。
三決、イタリア戦はフランス戦と違って結構ゆるめの試合展開だったけど、後半途中でデブロイネが入った瞬間ターボかかったみたいにスピードが出てきて、ジョルジーニョが入ったらギュルンギュルンに回り出したから、
「やっぱりスター選手はちがうな〜〜〜」
って思いました。
日本人にプレミアレベル(ワールドクラス)はなかなか厳しいと思う。
日本人がここに混じってたらアザールかルカクにならざるを得ないと思う。(最後尾でヘロヘロになってるか、走らないと決めて地蔵する)
マジで、日本のサッカー(というかブラジル蹴鞠)とプレミアリーグサッカーは中学生とプロくらい差が開いてるかも。
(Jリーグ生観戦したの25年くらい前だし、最近の日本代表の試合はオリンピックしか観てないけど)
マジで、ベルギー対フランス、めちゃめちゃ面白い試合だったから観て欲しい。
敢えて難点をあげるとすれば、ベンゼマのヒゲがちょっと長すぎだったこと。(もう少し短い方が好みです。)
ワールドクラス・スーパースターの定義:偉大なる非凡と偉大なる平凡
塩野七生さんがエッセイで
「カエサルは偉大なる非凡であり、だから私は生涯をかけて彼を書き続けるのです」
みたいなことをおっしゃっていて、なるほどな〜と思ったことがあるのですが、ワールドクラスの選手には偉大なる平凡と偉大なる非凡の選手がいて、チャンピオンズリーグの優勝チームでエースになるようなスーパースターは『偉大なる非凡』なんだなぁと思った。
『いい選手』はたくさんいて、それこそ掃いて捨てるほど居て、『偉大なる平凡』と言えるような偉大な選手もたくさんいて、だけど『偉大なる非凡』と言えるような、試合に入るだけで魔法を起こせるような人って本当に一握りなんだなあと。
偉大なる平凡、デイビット・ベッカム
わたしはロベルト・マンチーニの新規オタクなので彼のサカオタ界隈での
冷血伊達男・鬼畜マンチーニ
という評価がよく分からず、この動画↓を観て色々考えたのですが、
マンチーニ監督は『偉大なる非凡』なんだなぁと改めて思いました。
(初めて見たとき、「カエサルや!」って思ったもん。)
ベッカムはいい選手だったと思うんだけど、このタイプの人は『偉大なる平凡』の部類なんだろうなと思う。
元マンチェスター・ユナイテッド監督のサー・アレックス・ファーガソン氏は先日、 自身が指導した中でワールドクラスだったのはポール・スコールズ、エリック・カントナ、クリスティアーノ・ロナウド、ライアン・ギグスの4人だと語っていた。
この中にベッカム氏の名前がなかったことが注目されたが、本人は妥当なことであり、侮辱にはあたらないと感じている。 イギリス『BBCスポーツ』でベッカム氏がこのように語った。
「私は史上最高の監督の下で、素晴らしい選手とともにプレーする幸運に恵まれた。十分な成功を収めることができたよ」
「監督に同意だ。特定の一部の選手のみがワールドクラスと呼ぶのにふさわしい。そういった選手たちとプレーできたことはありがたいね」
輝かしいキャリアを送ったベッカム氏だが、チームメートの助けがあってこそだったと思っているようだ。
『偉大なる非凡』の集まり(銀河系軍団というらしい)である当時のレアル・マドリードではもっぱら汗かき役(兼イケメンサインマシーン)だったらしいし、ご本人も自分でわかってるから言わないんだろうな。
Q.
ベッカムってワールドクラスだとどれくらいの
選手になるんでしょうか?
アーリークロスやフリーキックは確かにすばらしいと
思うのですが、ディフェンスやドリブルって
どうなんですかね・・・
A.
僕はあまり好きではないです。確かに止まったボールを蹴るのはうまいけど、足が遅いし、ディフェンスがあまりうまくないので・・・
偉大なる平凡:サッカーが上手いけどアスリートではない。
スペイン・イタリアは代表戦に関しては
偉大なる平凡を集めて(戦術的に)高度なfootballをする
というのが徹底してると思う。
ロベルト・マンチーニがスティーブン・アイルランドを切った理由は、
戦術眼がない。(無能な働き者)
と思ったからなんじゃないかなと思いました。
軍人には四つのタイプがある
有能な怠け者は指揮官にせよ
有能な働き者は参謀に向いている
無能な怠け者は連絡将校か下級兵士が務まる
無能な働き者は銃殺するしかない
マンチーニがカエサルだとかマネージャーだとか思う(わたしが思ってるだけ。個人の感想です。)のは、基本的にfunctionで人を評価するところなんだよね。
チーム作りにヴィアッリを必要とするのも頷ける。
人当たりに問題があるし、自覚してるんだろうなって。(そういうとこが可愛いと思ってるけど)
偉大なる非凡=サッカーの上手いアスリート
と考えると、非凡=アスリートを集めたフランス代表がW杯優勝するの納得of納得です。
ゼークト式選手論を考えると面白い
蹴鞠能力についての普通、いい、偉大
身体能力についての非凡=アスリート、平凡=凡人
の他に、愚鈍・利口のゼークト式の評価を入れるとかなりチーム作りや選手の評価軸が整理されて面白いです。
軍人を4つのタイプに分類する「ゼークトの組織論」と呼ばれる軍事ジョークがあり、ゼークトが以下のように語ったとされる。
人間の資質は以下の4つの要素に大別できる。
その4要素とは<利口><愚鈍><勤勉><怠慢>である。軍人としては、そのうちの2種類の組み合わせで以下のような適性に振り分けることができる。
利口で勤勉 - 参謀に適している。
利口で怠慢 - 指揮官に適している。
愚鈍で怠慢 - 命令を忠実に実行するのみの役職に適している。
愚鈍で勤勉 - このような者を軍隊において重用してはならない。
利口さ=footballの戦術眼(football IQ)と考えると結構面白くて、
ジョルジーニョとデブロイネは利口で勤勉(戦局を変化させるゲームチェンジャー)
ネイマール、メッシは利口で怠慢なタイプ(局所戦での戦術に長ける)
愚鈍で怠慢:ゴール前に張るストライカータイプ(ロナウド、ルカクなど)
とか思う。
最強のストライカー=偉大なる非凡で愚鈍で怠慢
仮説。
次はデション監督について書きます。
花璃。