総長対話「総長と授業料および東京大学の経営について考える」メモ
2024年6月21日に開催された東京大学の総長対話「総長と授業料および東京大学の経営について考える」に関する内容のメモです。
当該イベントはオンラインで開催され、録音・録画は禁止されていたため、イベント中に同時進行で記録したメモをそのまま公開しています。不正確な情報や不自然な日本語表現が含まれていること、文章として読みやすく整理したものではないことにご留意ください。
なお、総長対話と同時並行で開催されていた、時代錯誤社によるYouTube Liveの様子も一部メモしてあります。(当該配信は現在非公開)
時錯ラジオ緊急生放送
— 時代錯誤社 (@jidaisakugosha) June 20, 2024
明日21日(金)18時45分~20時半https://t.co/OfcNopruCO
2024/6/27追記:東京大学教養学部学生自治会が総長対話の発言録を公開しました。こちらもご確認ください。
開会
18:58zoom開場
参加者から大量の😂のリアクション
にこやかな総長
録画対策のためか、zoom画面に自身のメールアドレス(学生個人に割り当てられたの10桁の共通IDを含む)が透かしで表示されている
河村執行役・副学長が司会を務める
パネリストの紹介→総長の説明→質疑応答の順に進行
内部記録用の録画はある模様
パネリストの紹介
・太田執行役・副学長(総長室、学術長期構想、入試企画)
・森山理事(教育、情報)
・藤垣理事(学生支援、入試・高大接続等)
・相原理事(経営企画、予算配分等)
・菅野理事(財務(CFO)、資産活用)
総長による説明
冒頭、学外の新聞報道により誤解が生まれて当惑していると説明
・私たちの方で見落としていることはないか
・本学の環境をどのように改善していくべきか
などについて意見を聞きたい
発言できなかった人の意見は自由に書いてもらうことを考えている
今後もこのような機会を設けられないか検討していきたい
(事前資料と異なるスライド資料を共有)
なぜ検討が必要なのか?
UTokyo Compassの理念説明(多様性等々)
→この理念の追求のため、学びや研究、働く場としての大学をより良くすることに関係している
運営交付金の推移資料
運営交付金(全体)の推移のスライド
国立大学の授業料推移スライド
環境の改善と人件費や物価高騰への対応が必要
今年度の事業支出削減例:部局配分予算-16億など計25億円?
今年度は拡充断念の事業(体験活動プログラム、初年次長期自主活動プログラムなど)や実施見送りの取組(TA・RA賃金の上昇など)がある
東大ならではの新しい経営モデル
補助金型→Endowment型 基金活用(運用益、利益剰余金を積立)
ただし授業料は基盤収入であることに代わらず、基盤収入であるにふさわしい財源
拡充したい取組
・D&I
・Global
・DX
・GX
・学びと社会の結び直し
授業料改定で全てを賄えるわけではないが、断念した事業ができるようになるし、これらの全学的推進を目指したい(どれを優先すべきか、他に重要なものはないのかについてこの後意見を聞きたい)
世帯年収600万以下の学部・院生全額免除(留学生は従前通り)
現行通り学力基準の選考も実施
600~900万の学生にも、状況を勘案した一部免除を予定
博士生への経済的支援の充実も予定
改定授業料の適用を開始した年度の入学者から実施
増収は29億円
未来の学生に向けて、拡充断念した事業に充てられる
これまでの授業料据え置きにより、数百億円の投資を控えることになったともいえる
支援に配慮しつつ、この状況を一刻も早く改善したい
国立大学協会の声明には賛同
国民への理解を得ること、大学の存在意義についてもこの機会で学生と考えたい
東京大学学生支援課「時代錯誤社さま。即効配信を中止していただきますようお願い申し上げます。」
時代錯誤社「学生支援課さん、アンチコメントはブロックしますね!」
質疑応答
この場で発言したくない人は、Q&Aへ書き込み司会が読み上げる形をとることも可能
無作為に5名を抽出 (挙手した人の一覧から等間隔で選択、同学部・学年の人は3人以上選ばず、順番で次の人を代わりに選ぶ)
学部生→大学院生→合同の順で実施
1グループ20分、各グループ5名のパネリスト、という形式
次のグループではそれまでのグループにいた学生とは異なる属性の人を選ぶ 時間が許す限りこれを繰り返す
1回目:学部生
20名程度が挙手→4/8/12/16/20番目の人を抽出
運営側で少しトラブル。その後、発言者の整理番号を読み上げ
司会からパネリストに「ただいまYouTubeで配信されているとの情報が入ったので顔出ししなくて結構です」
※ただしzoomの仕様上発言者の名前は全員に表示されており、大学側が本名・所属・身分(学部/修士/博士)・学年等を名前に記載するよう命じたため、発言者の本名と属性は全て公開されている
時間があれば質問以外のコメント(Q&A)には担当者が回答、時間がなければ後日回答を公開予定
学部生1「発言者の人数が少ないのはさておき、支援拡充すれば授業料値上げしてよい、というは反対。親の協力がない、学力基準が満たさない、子供が多くいる家庭への配慮もない、申請の手間や申請落ちの不安もある。学業に専念できないのは不公平であり、冒頭の議論は誤りではないか」
総長「現行の授業料免除は家計基準のみ。親との関係が悪い学生については、きめ細かく対応したい(すでにしてるけど)。600~900万の人にも対応を検討しているなど、授業料免除すればよいとは考えていない。また、皆さんの学びの環境を改善することも目的。その方法も探っていきたい。すみません、学力審査の基準はありました」
学部生1「すでにきめ細かく対応しているとは具体的に何か?」
総長「親との関係が難しい方には、学寮に優先的に入ってもらっている。今後も対応を検討していきたい」
学部生1「学生寮への懸念として、性的マイノリティへの配慮が十分でないというnote記事を読んだ。配慮が足りない状態で『入寮させるからOK』はD&Iに反するのでは?」
総長「2月にSOGI多様性のガイドラインを出したが、学寮についても慎重に対応している。この点も配慮しながら進めたいと考えている。」
学部生2「決定プロセスについて、役員のみで議論が先行していないか。学生は報道以外で検討案を知らされていない、職員もよく知らない。トップダウンであり説明責任を果たしていない。今回の資料もひどい。大半の学生の理解を得ないまま値上げするのは東大確認書に反する。拙速な、来年からの値上げを行わないと約束してほしい」
総長「前提としてまだ決まっていない。学部長の先生にはお知らせし、各学部長から教授会に伝達し、今日中界からの相当多くの意見を貰った。その一環で、学生の声も聞いてから検討するというのを進めようとしている。報道は我々も当惑している。皆さんもびっくりしたと思うが、学生の声を聴かずにトップダウンで行おうとは考えていない。今日は学生の声を聴く場」
学部生2「今後複数回対話やそれに準ずる交渉機会を設けたい。あと、来年度に値上げするのか率直に答えてほしい」
総長「検討していく」
学部生2「値上げしないと確約してほしい」
総長「この場ではできない。検討はしたい」
学部生2「いつまでに決めないといけないのか」
総長「それも込みで、次の入学生にどうするかというのを考える」
学部生3「学費の値上げ検討プロセスに学生が含まれていない。学生は大学の主体であり、学生に関係のある意思決定に含まれないのは舐めているのでは。検討すると連呼しているのか、根拠も透明性もなく、実際何をするのか全く信用できない。学生の意見を反映し、なにかをやったという行動で示してほしい」
総長「学生の声を聴かないで行うというつもりはないし、現状の案も検討案であると繰り返している。今日の意見を聞いてから考える」
学部生3「将来何かしらの決定を行う際に学生の意思決定が入らないのはおかしい。1分も短すぎるし、少なくとも1回は同様の場を開くと約束してほしい」
総長「約束はできないが、どのような形式・タイミングでやるか検討してお示ししたい」
次の学生の質問への切り替えのタイミングで、学部生1が発言
「学生と職員の権力構造は大きな差がある中で、一人ひとり発言させるのはあまりに酷で、権力で封殺しようとする印象がある」
司会「(学部生1の話を遮るようにして)発言してますよ(笑)」
学部生4「授業料は大学予算の大部分を占めているわけではない。他のところでもっと稼ごうという動きはないのか。しているのなら、それを示すべきではないか。また、仮に値上げする場合、どのようなことが良くなっていき、継続されるのか。単なる値上げは東大のブランドが下がるだけだと思う」
総長「仰る通り。方策として、例えば運営交付金の増額を政府に求める、産学共創による収入増の努力(総長就任後にいくつかの企業と連携を始めた)、寄付集めも相当力を入れた(Development office等)、東大基金は年4~50億。ただ使途の制限も大きいので、使途の制限のない、学生環境に使えるお金は授業料と運営交付金のみ。 どうよくなるか、DXなら先端的なDX環境の整備と、教室のコンセント拡充など。D&Iに関わる教育プログラム、体験活動プログラムの支援等。学生からよく聞く話として、TA・RAの単価が良くない。増額も含めてやっていきたい。授業料の値上げであれば継続的に行える」
学部生4「使い勝手の良い予算が欲しいだけという風に見える。このお金を何に使うのかをもっと詳細に、例えば増収額のうち何億円を何に使うのかを示せば、それが実行されていることを表示できる」
総長「自由に使えるというのは、研究ではなく教育予算が授業料と運営交付金のみで、教育改善に使えるお金だという意味」
学部生4「具体的に何にいくら使ったのかを毎年示すようにしてほしい」
総長「それは可能だと思う」
学部生5「去年の8月の総長対話では、バリアフリーについて、東大がマイノリティを受け入れる意思があると表示してほしいといった。今年の入学式の話はとても嬉しかったし感謝を示したかった。だが授業料値上げは、入学式の話であった構造的差別の助長するものでありとても落胆した。配慮していただく形をとるのは、申請・審査して配慮に値すると認められなければいけない。特別な配慮があって初めていられるのではなく、だれでも当たり前にいられる環境こそが東大が目指す像ではないのか。目的にD&Iを含めているが、そのために学費値上げという方法で、既に東大内で偏っている学生攻勢を更に偏らせようとするのは本末転倒ではないか。また、東大は影響力があるので、東大の値上げが他の国公立大やそこの学生に与える影響についてどのように考えているか」
総長「今仰ったことが起きないように、申請は必要かもしれないが、どのようなサポートを得られるか分かりやすく示す方法を考えたいし、個別の事情にも配慮したい。その方法は学生に教わらないといけないかもしれない。仕組みの面で構造的差別を助長しないようにしたい。学内全体の意識改革、インクルーブネスの向上への努力にも努めたい。 影響力が大きいのは確かだが、各大学は独立大学法人であり、それぞれの環境改善に予算を当てるのであって、各大学が独自の状況を勘案しながら決めるものであろうと考える。各大学がそれぞれ説明責任を果たす必要があるし、東大が上げたから挙げるということにはならないのではないのか」
学部生5の質問終了後、学部生1が社会権規約の話題を出そうとするも、司会が「時間押してるし指名してないです」とさえぎって続行
2回目:院生
院生1「一人で話すのは緊張すること、対話の態度としてヒートアップした発言をした際に総長らが笑うような態度を示すと話しにくくなる。理解してほしい。さて、教育には授業料と運営交付金しか使えず、運営交付金が漸減しているのであれば、数年後法改正を経て再値上げとなる可能性がある。検討にあたり、値上げ金額の検討余地があるのか、検討プロセスを差し戻してでも検討し直すことはあるのか」
総長「懸念は分かるが、20年間標準額プラマイ20%の規定は変わっていないので、今後も変わらないと思っている。教育に充てられる新たな予算を獲得するということもやっていこうと考えている。段階的に上げるというやり方もあり得るので、何に使いたいかという財務面との兼ね合いでどうするか検討の余地はあるだろう。検討プロセスについては、了承を得ながら前に進めているはずで、現状何か了承を得たということもないため、今後より良い案にするため意見を聞きたい」
院生1「プロセスの情報公開と、中長期的な収支の見込みや、そもそも大学を経済効果で測っていいのか、人材育成による正の効果などもを含めて考えてほしい」
総長「考えます」
院生2「親との関係が良くない学生にきめ細かく対応すると言っていたが、現状の措置では全くないと思わせる内容で、公表しなければ意味がないのでは。また、柔軟な措置というが、線引きが微妙な学生への対応の問題もある。十分な広報が必要だと思うが、具体的な対策などは考えているか。」
総長「現在分かりにくい点は改善したい。どこまで対応できるか分からないが、可能な限り進学をあきらめるケースがないやり方を考えたいので、皆さんの意見を伺って進めたい。総じて仰る通り」
院生2「申請にあたり不遇な状況を証明するのは非常に大変であることが知られている。何度も役所に書類を取りに行くなど。その点も配慮してほしい」
総長「詳しくみてみたいと思う」
院生3「独立生計の社会人院生。免除拡充は賛成だが、値上げには反対。二足のわらじができず収入が下がったため、授業料免除を受けることができたが、申請作業に12.5時間(期間では2ヵ月)かかり、精神的苦痛もあった。将来の学び直しの足かせになる。手続きの簡易化や、再値上げにならないよう教育費獲得のためのロビー活動もやっていってほしい」
総長「手続きが多いのはその通りだし、予見可能性の点についても先の院生の質問と同様、仕組みの中で直せるところは直したい。国からの支援そのものの充実化についても働きかけを続けたい」
院生4「翌年度に値上げするにはいつまでに表明する必要があると考えているか。大学院入試の説明会は一部終わっているし、出願も始まっている。院進検討者は様々な選択肢を比較しているわけだが、国立だから低いと思ったらそんなことないという事態になってしまう。早稲田や明治では、制度上値上げ後の東大よりも実質的な費用が安い。2025年度の値上げを行うにはすでにタイムオーバーではないかと思うが、いつまでなら間に合うと考えているのか。」
総長「大学院入試は様々なのでデッドラインは決め難いが、学部入学者の志願が決定する年前までには決めたい。遅いかもしれないが。皆さんの声を聴きながら、慎重に決めるつもりであり、期日を決めてラッシュで決めるつもりはない」
院生4「新年度すぐに説明会があるわけで、年度内に決めればいいとは思えない。25年度の説明会で値上げ説明、26年度値上げが最速では」
総長「検討するが、検討ばかりで恐縮だ」
院生5「①授業料免除は、予算が限られているので全員は無理という文言がある。具体的な実施状況の公開はあるのか。あれば検証ができ説得力も増すので公開してほしい。②公開財務諸表をみると慢性的な赤字には見えず、エネルギー高騰は一過性ではないか。財務超過も深刻には見えない上、授業料が全体収益に占める割合も限定的で、値上げで効果があるのか。③国会の付帯決議を踏まえると、値上げに対し具体的にいくら必要かの資料がない」
総長「今回数字は出していないが、説明したように断念した事業に、全体を考えた上で増収額29億を充てたい。今後お示したいと思う。授業料免除の情報は公開していないのでこの場で申し上げるのが適切か分からないが、免除割合は学部5%、この数字は拡充でもう少し増える」
院生5「授業料値上げにより増収分と免除額による減収分の差し引きは」
総長「授業料増収分を直接支援に充てることはできない」
院生5「それは分かっている。実態として拡充されていないということにならないかを懸念している」
総長「授業料免除の具体的な金額や人数は出せないが、増収分は教育に充て、経済支援は寄付等別のところでやりくりする。」
院生5「今にもつぶれそうな状況ではないという点は凄いと率直に思ったが、にもかかわらず現状の報道の大きさなどを考慮すると限定的な増収を図ることは割に合うのか」
総長「教育に充てるお金が限られる。というのと、授業料値上げで赤字を埋めようとしているのではなく、新しいプログラムに充てようと考えている」
司会「既に終了時刻の20:30だが、人数減らして学部・院生合同でもう1グループやる」
「すごいね、思ったより長くなったね。アーカイブは残さないです。6月号にこれを基にした小説が載るらしいです」
3回目:学部生・院生合同
学部生6「日本が批准する社会権規約において高等教育の無償化がある。授業料値上げはこれに反する。高い次第ではなく安い国公立を選ぶという学生もいるし、値上げすれば地方からの入学も困難になる。これらはD&Iに反すると思うがどう考えているか。また、学寮の入寮の件について、駒場寮が廃止され、家賃も高く、経済的理由で休学すると退寮しないといけないなど、追い打ちをかけるような運営になっているのは大丈夫なのか」
総長「条約について、無償教育の具体的な方法は国にゆだねられているので、国が検討を進めていると理解している。地方からの学生については考えられ得る個別の事情であり対応したい。寮については、経済的困窮学生には宿舎費用の減額や優先対応など個別の事情に沿って対応している」
学部生6「例えば地方の県人寮が男性のみだったり、大学寮のセクマイへの対応が整っていなかったり、入退寮選考権についてはどうなのか」
総長「入退寮選考権は後で把握します(知らなそうな反応)。セクマイへの対応は遅かれ早かれ表明できるはず。女子学生への対応も借上げ住宅など行っており支援を拡大したい」
院生6「正義の観点から、国家と大学の関係はどうあるべきと考えているか。社会権規約の話があったように、高等教育は広く人類に開かれるべきだが、授業料値上げは多様性の包摂の面で懸念が残る。その負担を学生に求めるのは方向性が逆であり、国を突き上げるべきではないか。他国公立大が値上げに追随しないと思っている、という回答は正直本音とは思えない。他大の方が予算は苦しい。ロビー活動への意気込みは分かるが、総長自身としては国の支援がもっと必要だと考えているのか、国の指針に賛成しているのか。」
総長「UTokyo Compassに書いたように、高等教育や教育・研究のポテンシャルの向上は世界的に重要なことだと考えている。国に対して要求するのと同時に、社会に対しての支援・支持を集めることも必要。授業料以外に、産業界からの収入や寄付金を教育に充てられるような努力をして、自律的で創造的な新しいモデルを作る、その上では国との関係だけでなく他との関係も、皆さんと一緒に考える必要がある」
院生6「学びを社会と結び直すという発言は賛同する一方、基礎研究など社会的有用性の乏しい研究への理解をどう得るかは重要な問題。稼げる大学的発想では先細りになることは総長も分かっているはずで、問題の解決には国の力が不可欠であり、その方面への支援協力は重点的にやってほしい」
総長「仰る通り。有用な分野のみがお金を得るというやり方ではなく、大学独自に基金による運用益で、大学自身が重要だと思うものにお金を充てたい。その『重要なもの』は基礎研究など学問のすそ野を広げるもの。」
次の学生の質問へ移る前に、学部生6が間を割って質問「東大確認書における学生自治や東大憲章における学生参画について、東大当局は対話を今後もする義務があり、『検討』を繰り返すのはいかがなものか」
総長「その一環としてこのような対話を開催している。東大憲章にあるように、参画と各々の責任を行うべき」
学部生6「なぜ先に報道が出たのか」
(司会が遮るも総長解答)
総長「我々も5月の報道はびっくりした。どこかから漏れたのだろうか。学生や職員の声を聴いたうえでやるべきだと判断し行った。」
学部生6「職員すら知らない、秘密主義的な検討プロセスはどういうことなのか」
総長「そのつもりはなく、初期段階の、関係者のみの検討が外に出てしまったというだけ。職員らの声を聴かずに突っ走ったわけではなく、むしろ報道が先走ったと思っている」
学部生6「学生との団体交渉や自治会との話し合いは確約されるのですね?」
総長「交渉という形になるかは分からない」
学部生6「東大確認書はどこに行ったか」
総長「学生の声を聴いて行うプロセスを踏むということ」
院生7「予算計画を事前に公表してほしい。学費の値上げで行えるのは運営交付金の補填のはずだけで、他の説明はなんだか騙されたような気分。RAの単価増額などまで手が回るとは思えない。また、そもそもは大学対国で運営交付金の獲得を目指すべきなのに、大学対学生とスケールダウンしていて、大学としてスタンスをはっきりさせ、声明を出し世論に働きかけるべきではないか」
総長「予算計画は可能な範囲で示す。値上げは運営交付金の補填が目的ではなく、あらゆる手段を講じて集め、財務状況を改善する。産業連携や寄付金で運営交付金分に充てつつ、授業料値上げは教育環境の改善に充てる。大学と国の構図では国に訴えるべきなのはそうだが、運営交付金は国立大全体で減っており、国立大学協会の声明にあったように、一体で社会に働きかける努力は今後も続けたい」
Q&A
司会「Q&Aのうち重複していない質問を1つだけ。『入学金の改定について検討しているか』」
総長「現在は考えていない。Q&Aは一通り目を通す」
司会「Q&Aの意見やこの後のアンケートでの質問は、後日回答を公表したい」
総長のまとめ
総長「非常に幅広く議論できた。私自身も様々な気付きがあった。ここで頂いた意見を踏まえながら検討したい。全員が話せたわけではないし、緊張もあったとのことなので、また落ち着いて意見を書いてほしい」
6/24、UTASに値上げに関するアンケートと今日使用した資料を公開予定とのこと
21時頃、総長対話終了
時代錯誤社「アンケートの方を先にやるべきだったのでは?」