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映画アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン ~諦めちゃだめだ。誰が教えてくれたんだっけ?~


「今年のアンパンマンの映画、結構いいらしいですね」


 私は、散歩をしながら某YouTuberのお悩み相談を聞いていた。時折、映画やアニメの話があり、今年のアンパンマンは結構面白いとのことだった。
確かに、ばいきんまんが主役で面白そうだよと妻も言っていた。

 私には、5歳と3歳の娘がいる。アンパンマンを楽しむにはちょうどいい年齢だ。しかし、アンパンマンはテレビの録画を見るだけで、映画版を見ることはなかった。そもそも我が家は映画館に行く習慣がなく、こどもが生まれてから一度も映画館に行ったことはなかった。
人生初めての映画館なら経験としていくのもいいかもしれない。座席にも1時間くらいならおとなしく座っていられるし、前向きに検討することにした。

 ネットで座席の予約ができることを知り、便利な時代になったと感心した。明日の上映なのに2席しか埋まっていなかった。最高じゃん。こどもたちが多少騒いでもなんとかなりそうだ。
ど真ん中4席分を予約することにした。妻からは突然のトイレに対応できないからやめてほしいと言われたが、空いているから大丈夫だと弁解した。
さて、次は支払い支払い。
大人2000円 こども1000円(2歳以上)
映画の値段も高くなったな。家族で見に行くと6000円。回転寿司で気持ちよく食べても6000円にはならない。通常の映画よりも30分くらい短いアンパンマンの映画は、より割高に感じられた。しばらく考えたが、こどもの経験のためと思い、決済を完了させた。

 映画鑑賞前日、YouTubeで映画の予告と記者会見の動画を家族で見た。
明日映画館でアンパンマンを見よう!映画館が何なのか分からないこどもたちは、とにかく喜んでいた。今思うと、彼女たちはアンパンマンミュージアムを想像していたのかも知れない。

 朝がやってきた、起きるや否やアンパンマンの映画楽しみだねぇ!と寝ている私に5歳がとびかかってきた。その音で2歳も起床。テンションも最高のようだった。
 ばたばたと準備をして、7時半に出発。近所のパン屋で朝ごはんを仕入れた。上映ギリギリに着きそうだったので、普段は禁じている車内での買い食いを解禁した。今日は初めて映画に行く特別な日だからいいんだよと、念を押した。車内から外を眺め、ボロボロとこぼしながら食べる焼きたてのパンはとても美味しかっただろう。

 上映開始5分前、無事に到着。道中妻から私のタイムマネジメントへの指摘を何度もされた。朝のトイレの時間が長すぎるといつもの指導を受けた。
何はともあれ、暗転と同時にど真ん中の座席についた。お客さんも15人程度だった。

 初めて映画を見たこどもたちの目は、とてもキラキラしていた。上映前の広告も1分1秒逃がさないように真剣に見ていた。連れてきたよかった。妻と目が合い、微笑んでうなずいた。


 上映終了。
私「アンパンマンの映画どうだった?」
5歳「ばいきんまん、諦めずに何回もがんばったね!!」
3歳「アンパンマン、ぱおーん!ってなったねえ!」


 彼女たちがこの世界に生まれ落ちた日から、ずっとそばにいるアンパンマンとばいきんまん。カラカラ音がするおもちゃもアンパンマンとばいきんまん、服も帽子も靴もアンパンマンとばいきんまん。お出かけに持っていくぬいぐるみもアンパンマンとばいきんまん。
そんな彼らからの、失敗を恐れず何度でも立ち向かえという、姿とメッセージはこどもたちの心の奥深くに刻み込まれるとだろう。

ありがとう、ばいきんまん。そしてアンパンマン。


私に失敗を恐れず何度も立ち向かえと教えてくれたのは誰だろう?
諦めちゃだめだと背中を押してくれたのは誰だろう?

こんなに大切なことなのに思い出せない。

私も子どもの時にこの映画に出会いたかった。
ヒーロー見参!
あなたは素敵な、ばいきんまん!!


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