技術料100万円の薬局を承継にて開業すると?!
こんにちは!
あけましておめでとうございます。
遠山薬局の遠山です。
この記事は台湾へ行く飛行機の中で書いています。
技術料100万円程度の薬局の承継、独立志望の薬剤師ならよくMA仲介業者から紹介されるかと思います。
私自身も独立志望の薬剤師さんから
「MA仲介業者から技術料100万円の薬局を紹介されたが購入すべきか?」
といった内容のDMをよくもらいます。
今回、遠山の独断と偏見で技術料100万円の薬局を購入すべきか、購入したらどうなるのかを考察します。
※無料なので内容はザックリです。ご容赦ください。
実際に私が見た案件を内容を多少いじって事例として紹介します。
技術料100万円/月
薬剤料300万円/月
処方箋枚数400枚
後発加算、地域支援なし
家賃20万円(12坪、23区駅徒歩5分)
内科門前
Dr.60歳、後継者なし
集中率80%
事務員引継ぎ可(50歳女性、福利費込月給25万円)
譲渡理由 選択と集中
売り主 都内3店舗経営、社長は65歳。
こういった条件の薬局が売りに出ていました。
さて、こちらの薬局、初期費用の目安はいくらでしょうか。
営業権300万円
仲介手数料600万円
薬品在庫400万円
内装機械備品100万円
物件取得費200万円
合計1600万円
ここまでお読みいただいて
「1600万円かかるなら、もっと売上のある薬局がいい!」
と思われるかもしれませんが、貯金500万円の若手薬剤師がMA仲介業者から紹介されるのはこんなもんです。
もっと貯金がある
実家が太い
銀行から2000万円は引っ張れる
といった方なら、よりよい案件をMA仲介業者はもってきます。
今回の案件の収支をシュミレーションしてみます。
収入
技術料100万円
薬価差益15万円(5%として計算)
合計115万円
支出
家賃20万円
役員報酬50万円(ご自身が店舗に入るとする)
事務員なし
その他経費20万円
合計90万円
よって月+25万円となります。
しかし、実際は償却や返済もありますので、トントン、といったところでしょうか。
さて、もし遠山がMA案件を紹介された際に見るポイントは下記2点です。
1)裸の技術料
裸の技術料とは後発加算や地域支援を外した技術料です。
なぜ加算を外して見るのか。
それは、その薬局のポテンシャルを確認したいからです。
加算は国の方針により左右されますし、何より属人的な数字です。
事務員さんが最初に問診票の依頼の仕方により後発率は前後します
地域支援は管理薬剤師により、です。
こういった国の方針や属人的要素を排除した数字を見るべきです。
2)伸び代
伸び代は上記とは逆に属人的要素も見ます。
・フルで算定できるか
・在宅は獲得できるか
・門前クリニックは今後患者は増えるか
・面処方箋は獲得できるか
これら2つの視点から考えます。
今回の案件での伸び代は
Dr.が若手ではないため、今後すごく伸びる、とは考えにくい。
しかし、60歳というご年齢は今後10年以上診察されるでしょうし、そこまでマイナスポイントとはなりません。
面処方においては、現状でも20%は取れています。
ここはご本人の頑張り次第でもっと獲得できるはずです。
加算に関して、後発2は取りたいところ。
私の勝手な予想ですが、恐らく既存職員は加算について積極的に動いていなそうです。
既存職員の継続雇用の有無は皆様悩まれるかと思いますが、既存職員や売り主の意向もありますが、勤務態度や利益を鑑みて継続雇用をお断りするのも一つです。
私がこの薬局を購入するのであれば、事務員は軌道に乗るまで雇用せず自分一人で運営し、
地域支援&後発加算2算定
在宅5件獲得
面処方箋月200枚応需
物販強化(抗原キット、一類、薬局限定商品)
を達成し、月の粗利200万円までもっていきます。
そうすれば事務員を雇用し、借入を返しながら2号店の準備もできるでしょう。
ただし、上記施策を行う自信がないのであれば、技術料100万円の薬局を足がかりに店舗展開をするのは難しいです。
しかし、店舗展開は考えず、地域密着型でじっくり1店舗を運営したいのであれば技術料100万円店舗をご自身のペースで運営されるのも選択肢の一つになり得ます。
いかがでしょうか。
技術料100万円店舗も絶対ナシ、ではないですが結構大変です。
ご自身の努力が無ければトントンか、最悪赤字となります。
自分が将来どのようになりたいのかを考え、MA案件を見極めてみてください。
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