落合博満(元中日監督)の子育て論について書かれた本を発見した話
発売当初に単行本を購入。
ずっと読みたいと思っていた本をようやく読みました。
と言いますか、聞きました。audibleで。
単行本買ったのに・・・
落合博満が子育て?!
まあ、そんな感じです。
私の知っている落合博満さん
私の少年時代の日本プロ野球界のスター選手
それも超超超一流のスター選手
広角打法で三冠王3回、優勝請負人、いつも首位打者争い、オレ流
星野仙一さんが監督に就任した時、ロッテから4対1の交換トレードで中日に移籍、恐竜打線の四番打者
長島茂雄さんが監督をしていた巨人にFA移籍、清原和博さんの巨人入団とともに自由契約、その後日本ハムに入団
数年後、中日の監督に就任、8年間でリーグ優勝4回、日本一1回、いつもAクラス
この頃の中日はホントに強かった。
カテゴリーは育児書?
鈴木忠平(2021)「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」文芸春秋
落合博満さんだけでなく、関係する多くの方々への取材に基づき、詳細に記されています。
各章で1人ずつ選手、コーチ、球団スタッフの方が取り上げられ、落合さんとのやり取りと筆者から見た様子が描かれています。
当時、メディアの報道から感じていた落合さんの印象とこの書籍に描かれた落合さんの言動から得られる印象、その違いはとても興味深いものです。
一般的なカテゴリーは、スポーツドキュメンタリーでしょうか?
子育て中の私にとっては、この本のカテゴリー、育児書かも(笑)
落合監督が選手に求めていたもの
落合監督が選手に求めていたもの。
それは、プロフェッショナルであること。
ご自身の生き方が、プロフェッショナルであったように。
プロフェッショナルだから勝ちにこだわる。
ゲームに勝てば、ファンは喜ぶ。
だから、ゲームに勝つことが一番大切なこと。
落合監督を象徴するあの出来事。
2007年、日本ハムとの日本シリーズ第5戦。
史上初の日本シリーズでの完全試合目前の山井さん。
残すところ9回の1イニング。
「選手の交代をお知らせします。ピッチャー山井に代わりまして岩瀬」
と、いつものパターン。
絶対的守護神、岩瀬さんに交代。
日本シリーズ最終戦に完全試合達成なら、球史に残る大記録。
勝ちにこだわる落合監督だから交代させた?
ある意味、球史に残りました。
このような数々の出来事から落合監督のイメージは非情、冷徹。
そして、選手をただの駒、パズルのピースとしか思わない監督。
もし落合監督がイメージ通りの人物ならば、どうして当時の中日はあんなにも強かったのでしょうか。
選手を駒やピースとしか思っていない監督の指揮の下、チームがこれほど強くなるとは思えません。
中にはアメとムチを武器に指揮を執る監督もいます。
星野仙一さんのように。
それもひとつの手法でしょう。
アメとムチを用いれば、監督の手腕で選手のパフォーマンスが上下することになります。
アメとムチ、言い換えれば依存になるかなと。
非情とか冷徹などのイメージを与える落合監督が選手に求めていた、プロフェッショナル。
その根幹を成すもの。
それは自立だったのではないかなと。
子育ての目的は自立
監督を親、選手を子どもに置き換えれば、スポーツドキュメンタリーだけでなく、子育てでも成立する話です。
子育ての目的。
それは、もちろん自立です。
落合監督が選手に求めていたものは、自立。
子育ての目的も自立。
自立しているからこそ、自分で考え、自分で判断し、自分の責任で行動する。
選手が監督に依存することなく、選手がそれぞれ、自分の責任で行動することを、落合監督は選手に求めた。
親は、子どもの行動の責任を負っています。
子どもは、いつか自立します。
自分の責任で行動するようになります。
ある日突然、子どもは自立できるものなのでしょうか。
親が自立を求め続けるから、子どもは自立できるのだと思います。
落合監督が選手に求め続けたように。
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V102d, CC BY-SA 2.5 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5, ウィキメディア・コモンズ経由で