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男性は育休をどれくらい取ればいいのか?

前回の記事では、私が最も大変だと感じたのは、妻の入院から10日目までの期間だったとお伝えしました。

そして、今回は「私の育休生活を赤裸々に」シリーズの締めくくり。
男性は育休をどれくらい取ればいいのか。
8カ月の育休を取った経験から、この難題を考えてみたいと思います。

まず、結論

私は「男性は育休をどれくらい取ればいいのか」を、「私の育休生活を赤裸々に」シリーズの締めくくりにふさわしいタイトルとして、かなり以前から設定してありました。

そして、8カ月の育休を終え、この原稿を書き始めました。
そこで、気づきました。

「男性は育休をどれくらい取ればいいのか」の発想がおかしい。

この発想が私にあるということ。
それが、心のどこかに育児は妻が担うものと思っている証だと。

妻は、3年間育休を取得しています。
妻が育休中であるから、私は8カ月で育休を切り上げたのです。

妻が私と同時に育休を切り上げたら、私はどうしていたのでしょう。
分かりません。
きちんと考えられません。

結論。
「男性は育休をどれくらい取ればいいのか」の発想がおかしい。
この難題を考えてみて、私は気づかされました。
私の中に、育児は妻が担うものと思っている自分がいることを。

男性の産休制度

2020年7月、読売新聞がスクープ記事を出しました。
男性の産休制度の創設をするという内容です。

育休でなく、産休です。

女性に産後8週の産休が定められているように、男性の産休制度をつくるということのようです。

この男性の産休制度が整備されたら、収入減を心配することなく、出産後に、男性が数週間の休みをとれることになります。

そして、2021年1月、厚生労働省で男性の産休のおける給付額の方針が決まりました。

残念ながら、産休を取得した場合の給付額は、通常の育休と同様に賃金の67%となりました。
期待されていた賃金の100%の給付額にはなりませんでした。

国際的に水準が高いこと、新型コロナウイルス感染症対策で雇用保険の財政が厳しいことなどにより見送られたそうです。

制度の正式名称は「出生時育児休業」となりました。

新制度では、配偶者の出産後8週間以内に、2回に分けて計4週間の育休を取得できるようになりました。

新制度「出生時育児休業」は広まるのか

もともと、配偶者の出産に伴う数日間の休暇制度が整備されている会社はたくさんあると思います。
その日数は1日から3日程度でしょうか。
さらに、有給休暇も合わせて取得できる雰囲気があるのならば、1~2週間程度の休暇を取得することができるケースもあることでしょう。

以前から、国家公務員の方々には、「男の産休」の取得と1カ月以上の育児休業の取得が推奨されています。

この「男の産休」は新制度の「出生時育児休業」のようなものではなく、2日の配偶者出産休暇と5日の育児に伴う特別休暇を合わせた7日の休暇を指しています。

2019年度の国家公務員の育児に伴う休暇・休業の取得等の状況を調べてみました。
「男の産休」の取得率は79.6%です。
ほとんどの人が取得しています。
一方、国家公務員の育児休業取得率は16.4%で、ほとんどの人が取得していません。

この「男の産休」と育児休業の取得率の大きな差は、有給か無給かの違いも大きく影響していると思われます。

育児休業を取得するよりも、出産休暇と特別休暇や有給休暇を組み合わせれば、収入減を回避できます。

新制度の「出生時育児休業」では、これまでの育児休業制度を改善している点はいくつかありますが、給付額が育児休業と同様の67%になってしまったことで、多くの人たちには利用しづらい制度となってしまっています。

でもやっぱり、育休をどれくらい取ればいいのか

では、国家公務員の「男の産休」や1カ月以上の育児休業のように、男性は育休を1週間から1カ月程度取得すれば、十分なのでしょうか。

■男性の育児参加を促すという観点
1カ月程度では不十分だと考えます。
私の経験からすると、1カ月程度の期間では、直接的な影響がないと思われます。
なぜなら、育児がある程度パターン化されるまでには、数カ月の時間が必要で、1カ月程度では育児を夫婦で上手く分担できるほど、誕生した赤ちゃんと親の生活が整っていないからです。

■女性の産後うつを防ぐ観点
男性の育休は、赤ちゃんへの授乳が終わるぐらいの期間が必要だと考えます。
授乳が終れば、赤ちゃんの食事時間や睡眠時間などを、兄姉や家族の生活時間のタイミングと合わせ易くなります。
そうなれば、女性のホルモンバランスや生活リズムも整い、精神的な安定につながりやすくなります。

妻の様子だけから考えてみると、授乳中であったものの、夜中に授乳をしなくてもよくなってきた産後6カ月あたりから、徐々に精神的に安定し始めてきたように見受けられました。

精神的な安定については、女性それぞれでかなりの違いがあると思いますので、妻の様子がどの女性にも当てはまるものではありません。

私の復帰時は産後8カ月に入った直後でした。
妻の授乳は続いていたため、まだまだ心配な面はありました。

復帰後の私は、毎日できる限り早く職場を出る、子どもを病院に連れていくなどのいつもと違うようなイベントがある時には年休を取るようにしました。

男性の新たな経験から

○ 「出生時育児休業」の今後の改正で給付額が100%となり、男性が1カ月程度の育休を取得することが当然のこととなる。
○ 多くの会社で産後に1カ月程度の特別有給休暇が取得できるようになる。

これらのようなことが起きれば、短い期間であっても、多くの男性が新たな経験することができるようになります。

男性一人ひとりが、その経験から何かを感じるとることで、次の方向が見えてきます。

男性の育児参加が当然のことになるまでには、まだまだ上らなければならない階段がいくつもあるようです。

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藤原 貴宏 FUJIWARA Takahiro
いつも読んでくださってありがとうございます。 もしよかったら、もう少し私のnoteにお付き合いくださいませ💘 【全記事一覧】 https://note.com/fujiwaratakahiro/n/nd102e99cfc35