「グリズリー英二」

小熊英二。彼の『社会を変えるには』を読んで痺れている。むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに書いてある。

ディープインパクト。小熊でなく大熊だ。敬意を表してグリズリー英二と呼ぶ。プロレスラーみたいで響きもいい。現代は個体論より関係論の方が使い勝手が良さそうだ。彼の主張は、僕の現状や実感にぴったりあてはまる。世の中にはきっと僕とは意見の異なる人がいるだろう。是非そんな人と出会い、話し合いたいと思う。いよいよ壁はなくなるぞ。

一人で山に籠っても自己には出会えない。この件を読んだ時、ハイロウズの『笑ってあげる』が頭に流れた。「裸足になって座禅を組んでも結局なんにもわかりゃしないだろう。日々の煩悩の中で気づかなきゃ結局なんにもわかりゃしないだろう。裸になって滝に打たれても結局なんにもわかりゃしないだろう。日々の煩悩と欲望の中にしっかり確かな手応えがあるぜ。苦行の果てには何が見えたんだ。難行の果てに何が見えたんだ。君が偉そうに言ってることなど、とっくに俺は気づいてるんだぜ。」

僕たちは関係の中から生まれる現象、そうでしょう。作り作られるもの、人間だもの。ちぐはぐでへんてこな僕を、気まぐれでおそまつな君を、笑ってあげる。

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