「VIVA幅」
幅。幅が気になる。メルロ・ポンティの「幅のある現在」という表現のせいだ。現在は点なのか、線なのか。一方向なのか、双方向なのか。現実的な答えは、使い分けろってところだろう。僕はプラグマティストだ。
近頃は点の傾向が強い。一方向の傾向が強い。ジョブ型とか非正規とか現実的な具体例には事欠かない。でもどうだろう。僕はそんな傾向に飽きた、疲れた、嫌気がさしている。もう少し線に、双方向に揺り戻したい。
SNSの広がりとは裏腹に関係性をつくりにくい世の中だ。関係性の代替品がお金であり暴力だ。関係性をつくれない人がお金や暴力に頼る。反対に関係性をつくれる人はお金を必要としないし、暴力をふるわない。
もっと「幅のある決済」を導入してみてはどうだろうか。お隣さんから醤油をかりるやつ。それは信用であり、関係性である。決済/ファイナンスの語源はファイナル、つまり「終わらせる」だそうだ。「幅のある決済」は自己言及的、自己矛盾的、決定不可能的だ。つまり、曖昧で複雑で不確実で変動的な姿勢だ。そう、案外というかVUCAの時代には実用的な決済方法だと思い始めている。
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