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Moat(モート)を築けているか?を考える
日本最大の訪日外国人向け通訳ガイドマッチングサービス『Japan Guide Agency』を運営する、JGA株式会社 代表の藤原です。JGAでは「あらゆる体験をすべての人に」をパーパス(目的・存在意義)に掲げ、月間1,500組を超える訪日ゲストと通訳ガイド皆さんをマッチングしています。
令和6年能登半島地震で被災された皆さまにお見舞い申し上げます。
Moat(モート)を築けているか?
インバウンド観光市場が活況を迎えるなか、多くの事業者が新規で市場参入を試みています。おそろしい。やめてほしい。
おかげさまで弊社JGAは、「訪日外国人向けプライベートガイドツアー」というニッチマーケットでは一定のポジションを築くことができました。先日も弊社提供ツアーが「トラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザ・ベスト アクティビティ2024」Cultural&Histric部門で国内最高位の世界10位を獲得しています。
しかし有象無象の猛者たちが市場参入して競争が激化する戦国時代に、今後も安定した事業運営を行いスタッフ雇用を守っていけるかは未知数です。
安定した長期の事業運営にはMoatが不可欠です。
Moat(モート)とは?
「モート」とは本来、城や要塞を敵から守るために掘られた広く深い堀を指します。しかし、経営戦略の文脈では、企業が競合他社から自社を守るための競争優位性や参入障壁を比喩的に表す言葉として使われています。
具体的には、ブランド力、特許、規制上の許可、コスト優位性、ネットワーク効果など、企業が競合に対して獲得する様々な防御的優位性を「モート」と呼びます。
今後も独立性をもって安定した事業運営を行っていくために、自分たちのポジションを維持するための防御的優位性:Moatが築けているかを自省しました。
コピー不可能なものだけがMoat
自社にとってのMoatは他社がコピー不可能である必要があります。その観点からすると、自社の強みであり、有益な取り組みではあるがMoatとはいえない、ということが起こり得ます。
例えば弊社では以下のような取り組みを行っています。
・登録ガイド向け定期研修開催
・登録ガイド向けビジュアルエイド整備
・全国観光施設のバリアフリー調査(全国主要観光施設対象)
・全国レストラン調査(食事制限対応店舗整備)
これらはガイドレベル向上・ツアー品質向上にむけた有益な取り組みではありますがMoatにはなりません。他社にとってコピー可能な取り組みだからです。
反対に、以下は弊社にとってMoatになりえます。
・300点を超える商品数
・5,500件を超えるTripadvisorレビュー数
・組織カルチャー
一朝一夕でコピーできないものだけがMoatとして防御効果を発揮します。
商品情報自体はコピー可能ですが、当該商品を提供するためのガイド教育・アライアンスパートナー開拓・運営オペレーションはコピーできません。またその結果蓄積されていくレビューも同様です。
また組織カルチャーも重要です。発展途上ながら、弊社では組織のバリューを設定してスタッフ全員で常にバリューを見返しながら日々のオペレーション改善をおこなっています。バリュー浸透とともに組織がひとつの塊となって進むことができるためにオペレーション精度・スピードは向上しますが、そこまでいくには時間がかかります。
Moatを築けているか?を考えたとき、自社の強みが本当に他社に比べて突出しているのか?だけでなく、本当にそれはコピー不可能なMoatたり得ているか?まで検討する必要があります。
競合すべてにたいしてMoatを築く
またMoatは狭義の競合に対するものだけではなく、全ての代替される選択肢にたいしての優位性を指します。
我々が提供するプライベートガイドツアーでいえば、狭義には他社プライベートガイドやガイドブック、オーディオガイド、広義では日本滞在中の時間とお金を奪うすべてのもの(レストラン・体験・お土産屋さんetc)が競合にあたります。えぐい。
弊社では対策として現在、お食事付きツアー・体験付きツアー商品を増やしています。これらは、従来広義の競合であったレストランや体験プログラム事業者をパートナー化(非競合化)する取り組みでもあります。
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今後も日本国内すべての観光関連事業者とアライアンスを結びながら、非競合化を進めていく予定です。
経営者のしごとはMoatを広げること
世界最高の投資家ウォーレン・バフェットさんのパートナー、チャーリー・マンガーさんはこういっています。
The only duty of corporate executive is to widen the moat. We must make it wider. Every day is to widen the moat.
経営陣の唯一の義務は、Moatを広げることです。Moatをとにかく広げないといけません。毎日の活動は、Moatを広げることなのです。
経営者は日々の業務、すべての打ち手をつうじてスピーディにMoatを広げていく責任を負っています。
本来すべてのリソースはMoat拡大に寄与する業務に集中させるべきで、企業が安定して永続し関わる人たちが幸福でいるために、経営者は日々Moatを広げるための選択ができているかを自省し続ける必要があります。
ということで。
みなさん、お願いだから攻めてこないでください🙇♂️お互い静かに暮らしましょう!
Japan Guide Agencyでは、一緒にミッションを実現いただけるガイド様を絶賛募集中です!
Japan Guide Agency
ガイド登録 受付中
『Japan Guide Agency』は、約750名の通訳案内士が登録する日本最大の訪日外国人向け通訳ガイドマッチングサービスです。全国47都道府県で、月間1,500本を超えるマッチングを実施しています。
Japan Guide Agencyでは現在、全国・地域通訳案内士の皆さまのガイド登録を受付中です。ぜひ急増する訪日外国人の皆さまを一緒にお迎えしませんか?
社名:JGA株式会社
静岡県知事登録旅行業 第2-706号
本社:静岡県静岡市駿河区石部25-7
設立:2013年
資本金:1,000万円
代表取締役:藤原 一成