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『夜明けに、月の手触りを』と、(タイトル未定)展

■『夜明けに、月の手触りを』のこと

『夜明けに、月の手触りを』
という戯曲(演劇の台本)があります。

画 浅見二加(『夜明けに、月の手触りを』2013,2016宣伝美術)

これは、2013年に藤原佳奈が初の長編戯曲として書き、代表をしていたmizhen(ミズヘン)という演劇創作ユニットで上演した作品です。

『夜明けに、月の手触りを』

転職を繰り返す派遣社員、
アイドルにはまる保育士、
広告代理店で働くデキる女、
遺伝子を研究する大学院生、
関西から上京した女芸人、
いずれも二十代後半の女たち。

女たちは、東京の片隅ですれ違い、
出会いが緩やかな引き金となって、
日々滲んでいた思いが溢れ出す。
脳裏にめぐる女たちの言葉は、
旋回し、飛躍して加速し、
ひとりでに深みへと駆けていく。

誰に問われたわけでもないけれど、
“女として生きる”手触りに思いが至る、
ある、満月の夜。

mizhen『夜明けに、月の手触りを』上演パンフレットより


『夜明けに、月の手触りを』初演俳優メンバー(2013)
左から齋藤由衣、白井珠希、佐藤蕗子、佐藤幸子、平野鈴


初演後、第21回劇作家協会新人戯曲賞の最終候補作としてノミネートされ、『優秀新人戯曲集2016』にも掲載されたことを記念して、2016年には新たな配役で再演しました。

『夜明けに、月の手触りを~2016~』再演俳優メンバー(2016)
左から、佐藤蕗子、橘花梨、神戸アキコ、小野寺ずる、佐藤幸子
下、藤原佳奈

2013年当時26歳だった藤原が、二十代後半の女性として生きる中で感じる手触りを残しておこうと書きはじめ、同年代のmizhenメンバー佐藤幸子・佐藤蕗子とのやりとりを経て完成した『夜明け~』は、初演をしてから、今年でちょうど10年が経ちます。
初演のときは、mizhenとしてチームになって初めて作品を上演する機会で、右も左も分からなかったことも大きいですが、扱っているテーマが全員にとって何かしらの当事者性があったので、作品の話だけではなく、それぞれが普段感じていることについても言葉を交わし、座組一同、自らを省みながらひりひりと上演に向かい、そのひりひりしたものは、上演に反映されていたと思います。

■10年前の『夜明け~』に触れる

今年の春、初演に参加してくれた俳優が、たまたま家に遊びに来た時、この戯曲をぱらぱらめくり、声に出して読んでいました。

その様子を眺め、久しぶりに発話された戯曲を聞きながら、
この作品は、今まさに上演すべき作品として世にひらくタイミングではないけれど、“10年前に、書かれたもの”として、様々な人がこの台本を取り扱い、そこから生まれるものを見つめるのには、いいかもしれない。そして、それは自分にとっても今が一番いいタイミングかもしれない、と直観しました。

『夜明け~』は女性として生きる“もやもや”を、取り扱っていますが、2017年の#me too以後の今、作品を読み返すと、随分と言葉がぼんやりしているなあ、という印象を受けます。今はこのような書き方はしないだろう、というより、できません。2013年当時は様々感じていることはあっても、もっと無自覚なことが多かった。

しかし、戯曲に対する手触りの変化は、どこまで社会の変化によるもので、どこから自分の年齢によるもので、そしてそれがどれくらい個人的な感覚なのかは、正直よく分かりません。あくまでも、2013年から2023年を26歳から36歳として生きた私の感触です。
作品の主軸となっている「出産」についても、26歳のときと今とでは、感じ方が全く変わりました。私でいえば、その感触は“今現在、出産する予定がない”からだろうし、もしこの10年の間に子どもがいたのなら、また全然違う眼差しで戯曲に触れるだろうと思います。

■『夜明け~』と、(タイトル未定)展
今回、この戯曲に関心がある人で集い、(何かしらの形での)上演を目指しながら、それぞれが戯曲に触れる手触りに焦点を当てる場をひらきたいと思いました。

タイトルは、一旦、
『夜明けに、月の手触りを』と、(タイトル未定)展。

【企画について】
広く参加希望者を募り、『夜明けに、月の手触りを』の上演に向かうプロセス、すなわち台本にある言葉を“身体で考える”場をひらきます。
そして、そこで交わされた言葉や生まれた時間を、集った人たちで何らかの形にします。(それは言葉なのか、映像なのか、形式はまだ分かりません)
それを、2023年10月、長野県上田市(会場は現在交渉中)で3日間展示をし、会期中に、『夜明けに、月の手触りを』の上演も行います。

戯曲に触れる手、戯曲を踏みこむ足、
戯曲が喉を通ったときのあなたの声、そこにいる人と交わった視線、
戯曲に集う場で生まれた様々な時間を、

共に見つめ、場をひらくことに関心がある方、
ご参加お待ちしています。

■参加者募集!

『夜明けに、月の手触りを』と、(タイトル未定)展の参加者募集

募集要項
職業・年齢・ジェンダー不問。企画に何らかの形で参加したい方。
上演のプロセス、すなわち台本の言葉を“身体で考える”ことを通じて、
演じる、書く、奏でる、描く、語る、見つめる、作る、どのような形の参加になるのかは、集った人次第で、参加の在り方は、相談をしながら決定したいと思います。
長野県上田市をベースに開催しますが、お住まいや拠点はどちらからでも大丈夫です。宿泊や交通費などのサポートはできませんのでご了承ください。
(オンラインでも何かやり方がないかを考えたいと思っていますが、こちらまだ未定です。アイディアお待ちしています。)

参加条件
今回販売している、『夜明けに、月の手触りを』の台本を購入した方

▼台本の試し読みページ
https://note.com/fujiwara3/n/n5966b342612e

▼オンラインの台本購入ショップ

参加方法
①7月に長野県上田市の犀の角で4回開催する『ここに、台本がある』に来ていただく。(どこか一回だけでも、何回来ていただいても構いません。)台本は現地で販売もしていますので、未購入で来ていただいても大丈夫です。
②上記の参加が難しいけども関心があるという方は、下記までお気軽にご連絡ください。
問い合わせ▶yoakenitukinotezawariwo@gmail.com
③気になるけどよく分からないから少し話を聞いてみたい、という方、
まず、7月1日の『夜明け企画第0回ミーティング』(オンライン)にご参加ください。

●『夜明け企画第0回ミーティング』@オンライン

日時:2023年7月1日(土)21:00~22:30
※こちらで用意した台本のみ画面に映します。カメラオフでご参加ください。
企画についてお話しながら、現在『タイトル未定』となっている企画の名前を考えます。

進 行:藤原佳奈
参加費:無料
会 場:zoom
https://us06web.zoom.us/j/83058327452
     ミーティングID: 830 5832 7452

●『ここに、台本がある』@犀の角

長野県上田市の商店街にある民間劇場「犀の角」のカフェの一角で、企画に関心がある人たちで集う場を開催します。
下記の日程で、台本と藤原が滞在しています。
ふらっと来て、台本(500円)を購入したり、カフェで読んでいただいても構いません。特にはじまりとおわりがある訳ではありませんので、下記時間内でしたら、いつ来ていただいて、いつ帰っても大丈夫です。
参加したい、とはっきり決めたわけでもないけれど、ただ興味あるから遊びにきた、というのも歓迎です。

日 程:7月14日(金)・15日(土)・21日(金)・27日(木)
時 間:16時15分~21時15分
場 所:犀の角 
   〒386-0012 長野県上田市中央2丁目11−20
           https://goo.gl/maps/5aKjFUwZ2FhVeMZ69
参加費:犀の角カフェで1ドリンクご注文お願いいたします。
予 約:予約なくふらっと来ていただいて大丈夫ですが、来ることを決めている方は事前に下記アドレスにメールをしていただいていると、人数が分かってありがたいです。
問い合わせ:yoakenitukinotezawariwo@gmail.com
※会場に駐車場はありませんので、車でいらっしゃった方は、近隣のコインパーキングに駐車ください。


●企画の記録場所

こちらの専用ブログに、随時記録を残していきます。








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