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バスケットはみんなで楽しむもの/田中真美子①
勝利に向かって、ひたすら努力を重ねる。
これはアスリートの宿命とも言えます。
しかし、そこに「楽しむ心」がなければ、
その努力は単なる苦行に陥ってしまいがちです。
富士通レッドウェーブのパワーフォワード、
田中真美子選手(コートネーム:マナ)が今なお
コートに立てているのは、
「楽しむ心」を、バスケットを始めたときに教わったからです。
三つ子の魂百まで
田中選手がバスケットを始めたのは中学生から。
小学生の頃は空手をやっていましたが、
中学では球技系の部活動に入りたい。
2つ上のお兄さんがバスケット部だったこともあって、
田中選手はバスケット部の門を叩きました。
しかし通っていた中学校はけっして強豪校ではありません。
「私も体験入部から始めて、1年生のときはずっと体育館履きで練習していたくらい。
強豪校というより、楽しくバスケットをやっている感じでした」
入学当時のチーム目標は市大会優勝。
しかし田中選手の身長が伸びるとともに、成績も上向いていきます。
3年生のときの身長は177センチ。
チームの目標も東京都大会出場になっていて、
実際にも都大会に出場、ベスト16まで勝ち進んでいます。
熱心な顧問の先生のもと、めきめきと力をつけていったのです。
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「中学のときの先生の指導が私の一番の根本にあるのかなという気がします。
バスケットのことを何も知らない私を親身になって育ててくれて、
バスケットの楽しさを知れたことが一番大きかったかなと思っています。
結果は出ませんでしたが、本当にバスケットを楽しくやれた気がします」
三つ子の魂百までと言います。
初めてバスケットボールに触れたとき、楽しく
その楽しさを教えてくれる人がいたからこそ、
今の田中選手はあるというわけです。
支えている仲間がいるからこそ、チームで勝利を
高校は東京成徳大学高校へ。
同校は多くの女子日本代表――吉田亜沙美さんや大崎(旧姓・間宮)佑圭さん、
レッドウェーブのOGでもある山本千夏さん、篠原恵さんらを輩出した
高校女子バスケット界の名門校です。
体育館には「無限なる努力」と書かれた横断幕が吊るされています。
田中選手もそれを見ながら、厳しい練習に明け暮れました。
家から学校までは電車で約1時間。
毎日、朝練習があり、早朝5時半ごろの電車に乗っていたと言います。
帰宅は21時過ぎ。
休日も終日練習で、やはり朝6時台の電車に乗っていたそうです。
目標としていた日本一には届きませんでしたが、
そこでまた田中選手は掛け替えのない出会いに恵まれます。
「あの苦しい日々を乗り越えたチームメイトに出会ったことが財産です。
本当に厳しい3年間でしたが、みんながいたから乗り越えられました。
みんなのおかげで、大学に行けたっていう気持ちのほうが強いんです」
リバウンドや合わせのプレーを自らの武器と認める田中選手。
自分からアクションを起こすというよりも、
誰かのアクションにリアクションをして、点を線につなげる存在。
自分ではなく、誰かのために。
そしてチームのために――
![](https://assets.st-note.com/img/1676936130749-3Eh525pe5w.jpg?width=1200)
「今まで一人でバスケットをしてきた覚えがないんです。
ずっとチームメイトとバスケットをしてきて、
同じようなきつい練習を頑張っても試合に出られなくて、
それでも一生懸命応援してくれる仲間がいました。
だからチームが勝つことが一番だと思っているんです」
当たり前のように試合に出られる選手であれば、
試合に出られない選手たちのことを思えないこともあります。
若いころであれば、なおさら自分が中心と思っても仕方がないのかもしれません。
ただ田中選手はそうではありませんでした。
いつだって誰かのために動ける仲間がいて、
彼女を指導するコーチもまた、そういう大人だったと認めます。
「どのカテゴリーでもそうでした。
高校時代のコーチもよく『ベンチメンバーに失礼だろ』という怒り方をされていました。
大学でも試合に出ていない人のサポートをすごく感じられる環境でしたし、
今まで在籍してきたームがすべてそういうチームだったんです」
自身の性格というだけでなく、彼女を取り囲む環境もまた、
今の田中選手を形成する大きな力になっていたのです。
仲間とともに喜べる時を目指して
高校卒業後は早稲田大学に進学しました。
その4年間では人間的な成長ができたと、田中選手は振り返ります。
「高校時代は、どちらかというと、バスケットをやらされている感覚だったんです。
でも早稲田大では自分たちでやることが多くて、
自主性というか、自分たちで考える力や実行する力が身に付いたと思っています」
ミーティングはもとより、対戦相手のスカウティングからアジャストまでも自分たちで考える。
つまりコーチに言われたことをするだけではなく、
自分たちで考えてプレーしていました。
それこそが「チームだ」と感じられる4年間を送っていたのです。
「私のなかでバスケットをやっていて一番楽しい瞬間は、
苦しいことを乗り越えてきた仲間と一緒に試合をして、
いいプレーができたときに一緒に喜ぶ瞬間です。
そういう仲間に出会えて一緒にバスケットができていることが、
何よりも感謝すべきことだと思っています」
その原点はやはり中学時代に遡ります。
「そういうバスケットの楽しみ方を知ったのが中学のときでした。
勝ったら何でもいい、みたいな感じではなく、
常に『みんなでやろう』っていう感じだったから、
私の中でもバスケットは『自分が得点を取れればいい』みたいなものではなくて、
『みんなでやるもの』というイメージなんです」
いわゆる“プロ”としては、そうした考えが仇になることもあります。
田中選手自身、それを痛感することもあったそうです。
それでも、今も昔も、みんなで喜びや悔しさを分かち合える日々を大切にしています。
だからこそ、田中選手の原点を探ったとき、
そこには今の田中選手の姿がはっきりと浮かび上がるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1676936162678-U8IWcEMHkU.jpg?width=1200)
学生時代に日本一を狙う厳しさに触れながらも、
自身のベースを、自主性を含む「楽しむこと」に置いた田中選手は
2019年春、富士通レッドウェーブに入団します。
#14 PF 田中真美子 Mamiko Tanaka
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