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上司にアイデアを理解してもらうには?:デザイン思考実践レシピ#04
お悩み:
デザイン思考の実践として新しいアイデアを出そうとしても、確実な売り上げ目標や根拠が求められます。
私の職場ではアジャイル的にまずはやってみる空気が皆無です。かといって、自分が上司やチームを引っ張っていくには力不足を感じます。どうしたら良いでしょうか。
富士通の社内サイトの人気コーナー、ノンデザイナーのお悩みにデザイナーがお答えする「デザイン思考実践レシピ」シリーズをnoteをお読みのみなさんにもご紹介します。
★10秒でわかるこの記事のポイント★
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回答:
こんにちは、デザインセンターのFです。
「斬新なアイデアを出すには?」の回でも、「上司に新しいアイデアを伝えるには?」 が話題になりました。職場の理解で悩んでいる人が多いですね。
逆に言えば、提案に根拠や確からしさが少しでもあると、上司も「やってみよう」と思うかもしれません。今までは市場データ、お客様の声を根拠にすることが多かったですが、今は別のやり方もできます。
自部門での解決にこだわらずとも、アイデアを多様な人々にはかって意見をもらうことが、上司を説得する材料になるかも。衆知が正しいとは限りませんが、誰にも問わずに先へ進むのは無謀です。私がデザイン思考で一つ学んだことは「大きく失敗しない」こと。
大失敗の危険性があると、上司は「うん、やろう!」と言いにくい。
紙に描いたUIの絵でもいいからプロトタイプとしてアウトプットする。人で確かめて軌道修正していく。小さく試していけば工数がかからないし、投資の稟議を上げる必要もないから、上司が断る理由がありません。10人でも「お客様が欲しいと言っています」と言えれば、次のステップに進めるでしょう。そこまで支持を得られたら、「やらないリスクをどう考えていますか」と脅してみるのもいい。
デザイン思考でよく語られる「ユーザー」はエンドユーザーだけではありません。ユーザーを上司に置き換えて、上司の立場になって「何を気にしている?」「誰の言葉ならうんと言ってくれる?」と考える。プロセスを重視する人もいる。頭で理解できなかったら絶対やらないという人もいる。
上司が「あること」で頭がいっぱいと思ったら、「あること」に関連付けて提案すれば、話を聴いてもらえるかもしれない。普段のコミュニケーションやお互いを知ることが重要になるかもしれません。コロナ禍で雑談が難しいですが、1on1を持ちかけるとか、互いを知るチャンスを意識的に作れるといいですね。
デザイン思考実践レシピをまとめ読み!