初詣

ちょっと出遅れ気味の正月の話。
私はお寺や神社がたくさんある地域の出身で毎年お正月の夜と言えば鐘の音を聞きながら夜眠るのが毎年のお決まりだった。
それが嫌かといえば私の場合ちょうど良い賑やかさで鐘の音を聴きながら布団に入ると「あぁ正月が来たな」って思えて目覚めた時に食べるおせちと雑煮を思いながら眠る幸せ。
それが今住んでいるところは出身地からそんなに離れていないはずなのに正月に鐘の音が聞こえなくなって数年、毎年寂しく思っていた。
でも今年、久しぶりに布団に入って耳を澄ますと鐘の音が聞こえてきてビックリ。
空耳だとか？
どっかの家のテレビの音が大きかったりしてテレビで流れてる音が聞こえてるとか？
不思議に思いながら耳を澄ますとやっぱりスピーカー通さず実際にどこか近場で鐘が鳴ってる。
ゴ〜ン　ゴ〜ン　と。
考えてみれば今住んでる所も寺や神社が近くにはあるので正月に鐘の音が聞こえて来てても良さそうだとは思っていたけど今までは聞こえてこなかったのでこの辺りでは正月に鐘が聞こえないもんなんだと思って過ごしていた。
でも今年は鐘が聞こえる。
久しぶりに布団の中で聴く鐘の音になんだか年が開けた事を実感してホッとした。
そして正月が開けてしばらくした混雑が過ぎたであろう頃に娘と近くの歩いて行ける神社に歩いて行っておみくじを引いて帰ってきた。
クジは「大吉」
このクジの大吉を引いた事が今年の運の全てでは無い事を祈りつつ健康で楽しく今年一年を過ごして行きたい。
コロナで行きにくくなった所もあるけど地元の隠れポイント的な物や場所を発見していくのも面白いと気付かされた今年の正月。

鐘の音が終わった年を送り出し
新しい年ゴーンと告げる
鐘の音を聞きつつ眠る年の瀬を
思い出し過ごす鐘の音ない地で
土の上ポトリと落ちた水玉の
椿の赤が雪を彩る
知らぬ間に夜が終わって朝が来る
元旦の朝、昨日は昨年
窓際の結露を拭く手かじかんで
湯呑みの暖に癒される朝
芽吹いてる寒い風など気にせずに
大地は春を迎える準備

でも何故今まで鐘の音が聞こえなかったのか不思議。
私がある程度のいいお年頃になって鐘が鳴り出すよりも早く眠ってしまっているのかも知れない。
鐘の音が聞こえると知って来年？今年の年末もまた鐘の音が聞こえるか楽しみ。