打上花火

ある晩まだ夕方頃「今から花火見に行こうよ」って彼が言ったけど「遊びに行きたいけど今日は何となく人混みが嫌」って話すと「そういうと思ったからコンビニでスイーツと飲み物でも買ってドライブで花火見に行こう」と彼が言う。
両親に彼と花火見に行ってくる許可をもらって早速彼の車に乗りこんだ。
予告通りコンビニに寄ってドライブへ・・・。

着いたのは高台に大きな駐車場がある田舎のレンタルビデオ店。
レンタルビデオ店の面積に比べて有り余るくらいの大きさの駐車場があるのが どれだけここが田舎なのかを表してる。
その一番端っこのフェンスに向けて車を止めると少し夜景が見れて綺麗。
でも・・・。
「花火ってここレンタルビデオ店の駐車場だよね」と私が言うと彼が「まぁドリンクとスイーツでも食べて」とシートベルトを外して隣で微笑みながら言う。車の助手席って距離感が絶妙でシートベルト外して少し近寄られるとドキドキする・・・。
そんな近寄られると彼を触りたくなっちゃう。そして私の心臓はまた少しドキドキする。

心地いい車の冷房の中、ラジオの音楽を聴きながらラジオのライトが彼の顔を照らし出してる。
彼の横顔は まつげ長くて格好いい。
そんな事を思いながら 彼と意味の無い会話をしてると、心地いい花火の音が響いてきた。ほら前見てと指を刺された方を見たら花火が・・・。
花火の体やおなかを震わしてくるような音がここち良くて好き。
なんだか大きな音を立てて綺麗に散る花火を見る気持ちが良くてスッキリする。

思わず「凄いね~!」と喜ぶと
「絶対ここなら喜ぶと思ったんだ」と笑いながら言う彼。
手を繋ぎながら座って見れる花火観戦が嬉しい。
そのうちに無口になってラジオの音楽だけになった時に抱きしめられてキス。

この時したキスは彼の飲んでいたフラペチーノの味がした。

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