見出し画像

マグロの皮なめし その2

実はマグロの皮を一括購入する前、普通に赤みも買わせていただきました。皮付きで。

その際の皮は鱗がないように見えたので、鱗を取らずになめしました。やけに分厚いし硬いし、断面には細かいパーテーションのような無数の板状の構造が見えたものの深く考えずに。

なめしてみたもののやけに硬い、油も染み込まない。断面の板状のモノを剥がしてみようか・・・と無理やり剥がしたところ、繊維のカスがたくさん残っているものの丈夫な革でした。


下の黒い部分が表皮&ウロコ

剥いだ表皮を見てびっくり、黒い表皮の下にあった沢山の板は鱗でした。


この鱗の下に更に薄皮があって、その下に先ほどの厚い皮がありました。分解した限りでは①表皮→②ウロコ→③薄皮→④厚皮くらいの層があることはわかりました。もっとあるかもしれませんが、少なくても4層以上あります。剥がした①〜③は硬いけどモロイので、使い道が無さそう、勿体無い感じがします。もし有効利用するなら厚皮から剥がさずにバッグ等の表面にすると良いかもしれません。

しかし、普通のレザーのように使うなら④が良いです。しかし、なんか③をなんとか残せないだろうか?と考えたのが失敗でした・・・


たくさんの皮が届いた後、まず皮や油を柔らかくするため石灰水につけます。強アルカリ性の液体ならなんでも良いような気がします。ちなみに魚の皮はすぐに脆くなってボロボロになるので気をつけました。


結局丸一日漬けたのですが大丈夫でした。サバの皮だと指で押しただけで穴が開くようになる時間です。

表皮を取り終えた皮 

まずは包丁で表皮ごとウロコを取ろうと思ったのですが無理でした。なので表皮のみを剥がそうとしたのですがそれも無理でした。例えばコインで銀色の部分を削るクジがあると思うのですがその銀色の部分をバナナをむくように剥がすことはできませんよね。そこでコインくじと同じように包丁で擦って取り除きました。そこから包丁で一気にウロコを剥がす・・・事ができたのは鱗が小さな部位だけで、大きな鱗の部位は全く歯が立ちません。
と言うか、一枚一枚の鱗が膜のようなものに包まれていて、その膜は鱗の下の③と同化してたので指でも簡単には剥がせないのです。仕方がないので一枚一枚指で幕を傷つけて中から鱗を出すと言う事をしました。

ウロコを取り終えた皮

ウロコを包んでいた膜がビラビラした状態になってます。乾いたらどうなるんだろう。結局③まで剥がす事になるのかな?と思いつつ。

かなり疲れる作業なので表皮の状態が良いものは①〜④を剥がさずになめすことにしました。

なめす前にアルカリ性に満ちた皮を酸性寄りにするためワイドハイターに数時間つけてみました。正しいかわかりませんがまぁ今までなんとかなってます。(サバだと数時間で皮が崩れます)


しっかり洗ってハイターを落としたあと、濃縮緑茶に漬けます。緑茶200杯分くらいの茶葉を煮詰めてます。水の量は4リットルくらい?覚えてません(笑)いや、もっと厚い革の場合は薄い液から段々濃く・・・と言うセオリーがあるようなのですが魚なら気にしなくても良いような気がします。

そして、鱗を剥がした皮についてはなめせました。鱗付きのものはもう少しなめします。部位ごとに見事に風合いが異なります。
鱗が残ってる場所がありました。

赤いところに鱗が残ってます、鱗を覆う膜は半分千切ってます
赤が鱗、青がそれを覆う膜
膜が残る

このように鱗を膜が覆っているため鱗を剥がすのが大変でした。

膜がたくさん残ってます。

コレをどう使うか・・・やはり③の層は剥がすべきなのか、もう少し考えます。
さて、各革をアップで載せてみます。

表皮&鱗付きの革が出来てから、それと合わせて何か作ってみたいと思います。

色つけるのも良いですね
以前エイ革はこんなふうに着色しましたが、グラデーションつけてみても面白いかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!