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「七福神」のマイクロノベル 他3篇 #30

 初夢に七福神の夢を見た。これは縁起がいいかも知れぬ。プランターからはみだして、どんどん芽吹く七福神。街を埋め尽くし、地の果てまで続く七福神。そう、その多肉植物の名前は七福神。良き一年でありますように。

 落ちた楓の実と石畳の位置関係で、この国の一年の運勢が決まる。新年四日の今日、それを読みに来た。このままでは手前四つの実が、大きな災厄をもたらすだろう。動かせなくもないが、国家予算からいくら出せるかね。

 あの雪がしんしんと降り積もる音。あまりにおいしいらしく、その音はすぐに食べられてしまい、長年聞こえなくなっていたのに、音喰い鳥が絶滅して音が帰ってきた。なぜ滅びたのか、雪の音が気になって眠れやしない。

 早春に花を咲かせ、いい香りが漂うソシンロウバイ。その実が、たくさん成りはじめている。百万個に一個くらい、未知の生き物だったりするので気をつけて。回りにソシンロウバイの木がやたら増えはじめたら、注意した方がいい。

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