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メッセージ 第2回 一打席目重要論

※元プロ野球選手新谷嘉孝さんから野球少年へのメッセージ。ガン闘病中の新谷嘉孝さんから聞き取った内容を新谷嘉孝さん確認の上掲載しています。以下は新谷さんのメッセージです。

一打席目重要論
私は中学校では投手でしたが、高校からは打者(野手)として、プロ野球でも打者(野手)としてプレーしました。今回は打者としてお話しします。

野球の試合ではレギュラーであれば3打席、4打席とバッターボックスに立つことになります。これを多いと考えるか、少ないと考えるかは人それぞれですが、私は一試合で打席に立つ回数は少ないと考えています。

レギュラーでなければ代打で一打席しかチャンスをもらえないという選手もいると思います。私はプロでは一軍でレギュラーに定着することができなかったので、一打席、一打席がとても大切でした。そんな経験も含めて、皆さんにお伝えしたいのは、一打席目重要論です。大助君と一緒につくった動画でもそのことについてもお話しさせていただいていますが、あらためてお伝えしたいと思っています。


一打席目を大切にしよう
1、野球は心理的なスポーツ
2、次の打席につなげるために

1、野球は心理的なスポーツ
野球を上手くなるために野球選手は練習をして体を鍛え、技を磨きます。それはとても大切な日々の鍛錬です。私は、野球人生で多くの試合で打席に立たせてもらいましたが、先述したように一日の試合で考えた時、打席は3打席か4打席しか回ってきません。試合で打者としてのヒットを打つ機会はとても少ない。打者にとってバッターボックスに立つことは貴重な機会だととらえるべきです。

結果を残したい、打者として野球に向き合えば向き合うほど、プレッシャーも大きくなります。ストレートを待つのか変化球を待つのか?内角か外角か?ランナーは出ているのか?カウントは?と、一瞬で判断しなければなりません。とても頭を使います。

相手チームのバッテリーとの駆け引きもあります。自分の心の状態も大切です。そう意味では野球は心理的なスポーツと言えます。

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2、次の打席につなげるために
プロ野球の世界には強靭な精神力を持った選手が多くいました。特に一流プレーヤーの精神力はすごかったです。それでは自分はどうだったかというと、そういった一流プレーヤー比べ心の強い選手ではありませんでした。打てない時にはすぐにマイナス思考になってしまったりもしていました。人を押しのけてプレーしようという精神力がなく、それはプロ選手としての弱点だとも言われました。

そんな自分の心と向き合って打者として最後にたどり着いたのは、「一打席目重要論」です。一打席目に集中するということです。誰にもでも当てはまることではないかもしれませんが、何かの参考にしていただければと思います。

例えば、野球は9回の攻めと守りがあって、試合に最初から出場して4打席まわってくる想定した場合。4回あるそれぞれの打席は一緒でしょうか?

4打席で1安打、2安打とトータルで考える人もいると思いますが、私は1打席目が最も重要と考えます。1打席目の結果や臨む姿勢が2打席目、3打席目と次の打席に影響を与えることになります。

例えば、1打席目にクリーンヒットを打てば、次の打席は相手との心理戦でも優位に立てます。相手バッテリーが打者よりも考えることが多くなりますし、心理的なプレッシャーも大きくなります。

逆に1打席目に凡打をしてしまえば、相手バッテリーよりも打者の方が考えることが多くなる傾向があります。結果がでなくても1打席目の内容が次の打席に大きな影響を与えます。

心理的に有利に立てると言ってしまえば簡単に思うようですが、それぞれの打席の中での心の動きというのは本当に大切です。4打席を同じように考えるのではなく、1打席目にかける気持ちを大切にして試合に臨んでほしいと思います。

もちろん打者にとってはチャンスに打順がまわってくれば、いよいよ緊張も高まり、興奮もします。燃える気持ちも生まれてきます。しかし常にチャンスが回ってくるわけではありません。ですからチャンスかどうかで気持ちの波をつくるのではなく。最初の1打席目に集中して試合の流れをつくっていくことが大切だと考えます。その後の打席を大切にするためにも最初の一打席はとても重要になってきます。

一打席目重要論
一打席目から全てははじまる。一試合で打者に与えられる打席の数は決して多くない。野球を心理スポーツとしてとらえた時に相手との駆け引きの主導権をにぎるためにも一打席目の結果や内容は大切になってくる。



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