安全に恐怖を楽しむためにホラーと絶叫アトラクションは最適では?という話

 ふじすけは、ホラー映画や絶叫アトラクションが好きです。
 そんな話になるといつも「怖くない?」と聞かれます。

 え?怖いですよ。

 ホラーも絶叫アトラクションも、対象者を怖がらせるものじゃないですか。
 怖くない、スリルが楽しいと言う人もいますが、私は普通に怖いです。

 ではなぜ、怖いのにホラー映画や絶叫アトラクションが好きなのか?

 ふじすけにとっては怖い=嫌だ、じゃないんですよね。
 多分ふじすけに「怖くない?」と聞いてくる人は、怖いものは嫌だ、と思っているんだと思います。
 かと言って怖い=楽しい、というイカれた思考という訳でもないんですけども。

 では、ジェットコースターを例に考えましょう。

 実は私が強く怖い、と思うのは「頂上に上がって最初に落ちるまで」となんですよね。
 それ以降の、スピード感や上下左右に振り回されてかかるGなんかはむしろ楽しいの方が大きくなるんです。
 あと、怖いとは別の話で浮遊感がちょっと苦手、という。

 なので、ジェットコースターに関しては落ちさえすれば後は大部分が楽しいんですね。
 けれどその「頂上に上がって最初に落ちるまで」が嫌なわけではありません。

 怖いなー、とドキドキしながら、大丈夫かなぁ、と心配しながら、その状態を受け止めているんです。
 楽しんでいる、とはちょっと違うんですけど、簡単に言うと「恐怖を感じたい」と思って乗っている。

 それはなぜか。
 だって怖いけど、「安全」でしょう?

 普通に生活していて、「恐怖」を感じる時って大体「危険」じゃないですか。
 坂道を自転車で下っている時にブレーキがきかなくなったら。→スリルも恐怖もあるけれど、止まらないので大変危険。
 車で猛スピードを出して走ってみる。→こちらもスリル、恐怖共にありますが、普通に違反ですし事故ったら終わりです。

 それに比べてジェットコースター。
 高い位置からの落下、猛スピードで走る風の抵抗、上下左右に振り回されるG。
 自転車より車よりもスピード感を全身に浴びられるのに、怪我をする心配はないんですよ。
 むしろ空を飛ぶような浮遊感なんて、日常生活でなかなか感じられるもんじゃあない。

 ジェットコースターの事故だって起きてるじゃないかって?
 よく考えてください、自転車も車も上にあげた例だと「暴走」なんです。
 でもジェットコースターは「規定内」なんですね。
 ジェットコースターなら「絶対に安全」とは言いませんが、どちらがより安全かはわかると思います。

 その「規定内」で非日常的な「恐怖」を感じる。
 それは、「安全な恐怖」という相反する体験なのです。

 ホラーも同じですね。
 映画は勿論、お化け屋敷だってフィクションなわけですから。
 血みどろの包丁を持った殺人鬼だって、中身は役者さんなわけです。
 襲い掛かられて「ギャー!!」ってなって逃げても、その包丁は偽物だし、血だって偽物。
 腰が抜けて動けなくなったら、殺人鬼はスルーしてくれるか、もしくは「ギブアップ(途中退場)」を促してくれる。
 こちらもまた「安全な恐怖」なわけです。

 で、全部終わって「怖かったねー」「えー、楽しかったよー」なんて言い合うのも楽しいわけです。
 怖いから嫌だ、と思っている人も時には「安全な恐怖」を味わってみるのもいいかもしれません。

 

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