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幼児のぎんなん中毒

ぎんなんは茶碗蒸しやガンモドキなどにいれるととてもおいしいです。

ただ、たくさん食べると中毒をおこすことをご存知でしょうか!?昔からこどもには「自分の年以上に食べるな」と言われてきました。

ぎんなんには、神経に作用するビタミンB6と構造が似ている物質が含まれています。そのために、ビタミンB6欠乏症のような症状が出現します。GABAという物質が産生されなくなって、細胞が興奮しやすい状態になるのです。大人にはこのぎんなんの中毒物質を肝臓で解毒する働きがありますが、小さい幼児にはこの働きが発達していない為に中毒を起こしやすいのです。


中毒症状は、食後数時間後に動悸、ふらつき、吐き気などが始まり、重症だと意識消失、けいれんに発展します。死亡することもあるので、注意が必要です。小児科医や救急医の間ではこの状態は比較的知られていますが、一般の医師のあいだでも、知られていない事があります。


ぎんなん中毒であるとわかれば、治療法もあるので、ぎんなんを食べて、おかしくなった場合には、そのことをはっきり医師に伝えてください。おいしいといくつでも食べてしまうこどものことを考えると「自分の年以上にたべるな」よりも、「子供には食べさせるな!」の方がいいように院長は感じています。

小児科ふじせき医院 院内報 ちびっこ健康通信 第234号 2019年11月から


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