漫才コントの場合,「〜をやってみたい」とか「〜の練習させて」と言ってコントに入るというパターンを,いつからか多くの漫才師がやるようになりました。その結果,このセリフにはもはや手垢がついてしまったような状態で,これを聴いただけで冷めてしまう人も結構います
それに,「二人の会話」という体でやるのが漫才ですから,いきなり「何かをやってみたい」とか,「練習したい」と言い出すことにも,そもそも違和感があるのだと思います
そこで今回は,いろんなパターンでコントインすることで有名な和牛の「漫才コントの入り方」をご紹介します
水田さんが勝手にコントインするパターン
「ドライブデート」
「ウェディングプランナー」
「職業病」
「オレオレ詐欺」
水田さんがいつの間にかコントインしているパターン
「物件選び」
川西さんのきっかけに水田さんが乗っかるパターン
「結婚式を抜け出す花嫁」
川西さんが自然な流れでコントインするパターン
「彼女の手料理」
「服屋の店員」
川西さんが「やってあげる」と言うパターン
「旅館の仲居」
「やってみよう」と言うパターン
「シンデレラ」
「練習させて」と言うパターン
「ローズとヒヤシンス」
和牛の場合,「やってみる」とか「練習させて」と言うパターンのほうがまれで,このセリフを言う場合でもそれを言う理由がちゃんとあり,不自然にならないように作られているのが分かります。全体的には「水田さんが勝手にコントインするパターン」が多いですが,その場合でも「ワンパターン」にならないような工夫がなされています。和牛の丁寧なネタの作り方は,とても勉強になります
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「みんなで作る漫才の教科書」とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです
THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた