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ストーリーがあってオチが綺麗な漫才を書き続け,漫才作家だけで食べていくためのプラン

今や職業としては消えつつある"漫才作家"ですが,わたしは「漫才作家だけで食べていこう」と本気で思っています。そのための具体的なプランを書いてみました。

ストーリーがありオチが綺麗な漫才台本を書き続ける

▶︎漫才作家だけで食べていくための基礎であり大前提となるのは,「ちゃんとしたオチがある完成度の高い漫才台本を書き続ける」ことです。「新ネタ」だけでなくの3つの方法をバランス良く活用することで,「アイデアが浮かばない」という状態を回避できると考えています。
➊新ネタを書き続ける
・・・漫才は生活に密着した「笑い」であり,「生活」がある限りネタが尽きることはない。生活の中にあるネタのアイデアをできるだけ早く漫才台本として公開することで,「アイデア」や「発想」のイニシアチブをとり,「古典漫才」の流れを作る。
❷同じネタの内容やオチの別バージョンを書き続ける
・・・同じネタでも,時代の変化と共にネタの内容を変更する必要が生じることがあるが,それ自体も「別の新たなネタ」として楽しめる。オチも何パターンかあると,ネタの数が増えるだけでなく,ネタの価値が上がる。「ネタの別バージョンを楽しむ」という習慣を確立できれば,「新ネタ」が思いつかないスランプの時期でも「新たなネタ」を提供できる。
❸古典落語を漫才化する
・・・落語は漫才よりもコントに近く,すべての落語を漫才化することは困難だが,工夫して漫才化することで落語ファンの方も楽しめる漫才を増やせる▷古典落語「だくだく」の漫才バージョンはこちら
❹小説や映画などを漫才化する
・・・笑組のお二人は「文学漫才」に取り組んでいる。例えば,「走れメロス」や「賢者の贈り物」など。この取り組みは簡単ではないが,一つのジャンルとして確立すれば,小説や映画ファンの方も楽しめる漫才を増やせる▷O.ヘンリーの「多忙な株式仲買人のロマンス」の漫才バージョンはこちら
▶︎以上の理由から,漫才作家だけで食べていくための基礎となる「ちゃんとしたオチがある完成度の高いネタを書き続ける」ことは実行可能。

漫才台本の売り方

▶︎現在はほとんどの漫才師が「自分たちでネタを書く」というスタイルが主流ですが,「台本依頼の需要がまったくない」というわけではありません。プロの方だけでなく,趣味で漫才をしている方からの依頼もあります。ただ,「一つのネタは一回売ったらそれで終わり」という現在の売り方には限界があります。台本を購入してくださったコンビが解散してしまい,それ以降「そのネタが日の目を見ることは二度とない」というパターンもよくあります。こうした現状を打開するためには,「一回売ってもそれで終わりではない」というシステムを確立する必要があります。以下がその方法。
❶台本販売
・・・これは通常の売り方。ご依頼はこちら
❷販売した台本をフリー台本として公開する
・・・フリー台本として公開し,それを演じる漫才師が増えれば,元々の演者や作家にとっても宣伝となる。「フリー台本として公開したほうがメリットが大きい」という考えを浸透させる必要がある▷公開するメリットに関する詳しい情報はこちら
❸上演料の獲得
・・・フリー台本として公開しているが,noteのサポート機能を利用して,希望者からの「上演料」「謝礼」などを得ることも可能。
▶︎このように,従来の「一つのネタは一回売ったらそれで終わり」という売り方からの方向転換が,漫才作家だけで食べていくための鍵となる。

ファンの獲得と支援

▶︎漫才台本は漫才師が買うものであり,現状ではそれ以外の販売方法は確立されていない。漫才台本はあくまでも台本であり,「演じられなければ価値がない」という現状を打開し,一つの「読み物」として成立させる。また,「ネタを書き続けてほしい。そのために支援したい」というファンの獲得も重要。以下がその方法。
❶noteでオチを売る
・・・noteでオチの手前までを公開し,オチ部分を有料という形で販売する。しっかりとしたオチが書ける作家であることが認知されれば,「オチを買って読みたい」「オチを買って作家を支援したい」というファンを獲得することも可能。そのためには,新しい台本を公開し続け,「読み物」として認めてもらう必要がある▷公開している漫才台本はこちら
❷ファンの獲得
・・・最近は「オチがない漫才」が増えているが,オチが綺麗な漫才がみたいと思っている方は少なくない。真の漫才ファンを探すため,台本を「夢路いとし・喜味こいし」のお二人で当て書きし,ツイッターで流す。いとこいファンはいまだ根強く,若い層のファンもいる。真の漫才ファンはそこにいると思われる▷いとしこいしついーと
❸投資家による支援
・・・漫才の未来について本気で考えてくれる投資家を探す。落語好きの方のほうが良い反応がある場合が多い。
▶︎ファンを獲得し,応援し続けてもらうには,良質なネタを書き続ける必要がある。

漫才関連の他の仕事

漫才台本添削
カバー漫才台本作成
M-1グランプリ1回戦を突破できるネタを書きます
漫才相談
漫才コラム執筆
➏漫才関連noteの販売
・・・「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法
・・・「しゃべくり漫才台本(ネタ)の書き方」と「オチのつけ方」

古典漫才の普及

▶︎「古典漫才」というのは,古典落語のように同じネタを様々な演者が演じるということ▶︎古典漫才については2010年からずっと情報発信をし,漫才師の方にも古典漫才普及のための交渉を行なっている。良い反応の漫才師もいるが,いまだ古典漫才確立の道は見えていない。往々にして漫才師よりも落語家の方のほうが反応がいいが,落語家は通常漫才はやらない▶︎「売れたい」という願いのほうが強い漫才師よりも,アマチュア漫才師や漫才・落語ファンや投資家の方へのアプローチを強化し,周りから固めるほうが古典漫才普及の近道かもしれない▶︎古典漫才の普及は,台本販売,オチの販売,上演料の獲得,ファンの獲得,投資家による支援というすべての面においての安定に寄与する▷古典漫才に関する詳しい情報はこちら

最後に

長文,最後までお読みいただき本当にありがとうございました。気づいた点などありましたら,コメントをお願いいたします。

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藤澤俊輔 (漫才作家/小噺作家)
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】