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[コラム] 「古典落語」はエキサイティングな保存法

漫才でも時々「これは名作だ!」と言われることがあります。

だからといって,そのネタをみんなが口ずさむわけでもなく,語り継がれるわけでもなく,かろうじてDVDに収録されることはあっても,ほとんどのネタがいずれ忘れ去られてしまいます

漫才のそのような現状がとても残念で,漫才もちゃんと保存すべきだとわたしは考えています。

もっともエキサイティングな保存法

保存方法はいろいろとありますが,古典落語の保存の仕方が一番エキサイティングだと思います。それは,「語り継ぐ」というスタイルです。

しかも,一言一句そのまま暗記するのではなく,演者の個性と時代の流れがそこに映し出され,ネタはいつまでも新鮮な状態に保たれ,どんどんネタが成長していきます。そうこうしているうちに,元々誰がそのネタを作ったのか分からなくなっても,ネタ自体はいつまでも生きつづけます。

これってほんとにエキサイティングだと思いませんか?

漫才の保存法

漫才も,「語り継ぐ」という方法で保存するのが一番いいのではないかと思っています。漫才師にとっても,漫才作家にとっても,漫才が好きなすべての人にとっても。

漫才師にとっては腕を磨く機会となり,漫才作家にとっては名作漫才を書く意欲をかきたてられる環境が整えられ,漫才が好きなすべての人にとっては漫才の楽しみ方の幅が広がります。よく知っているあのネタを,大好きなあのコンビがどう料理してくれるのかを楽しめるからです。

ただそのためには,「話の筋」と「オチ」がしっかりとした漫才を作る必要があります。そうでないと,語り継ぐに耐えないからです。もちろん,そのときだけ楽しめる時事漫才もあった方がいいと思いますが,語り継がれる名作漫才が増えたらもっともっと楽しくなると思いませんか?

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藤澤俊輔 (漫才作家/小噺作家)
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】