ヘーゲルという巨人
むかしむかし、ヘーゲルという巨人がおりました。
彼は講義をすることが好きでした。
朗々とした声で聴く人々はもうメロメロです。
「否定の否定は正しい」むつかしく、やさしいことはみんな知りたがるのです。
「ヘーゲルを理解する事は世界を理解する」ことと8割合っていることでしょう。
眉間に皺をよせたヘーゲル。
近寄りがたいヘーゲル。
彼のその立体的な論理的思考で書かれた著作はふくろうが空を舞って世界を知りたいと思っている人が読みたがっている。
しかし、人間は完全ではない。したがってヘーゲルの著作も完全なる哲学とは言い切れない。
そもそも哲学のなかに完全を求めては気が狂うのがオチだろう。
しかしながら、巨人は言う「ミネルヴァのふくろうは夜飛び立つ」と。
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