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音楽のコラム

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記事一覧

ノヴェンバー・ステップス

武満徹さんが作曲したオーケストラに尺八と琵琶がでてくるノヴェンバー・ステップス

という曲を聴いた。音と沈黙が同じ重みで測られているような今まで聴いたことのない

ような前衛的な曲であった。高い緊張感をこちらの聴衆にここまで強いられる曲も珍し

いのではなかろうか。自然の竹藪にすーっと風が入ってくるような音や尺八のかすんだ音までもみごとに表現しているので腰を抜かしておどろいた。

油断していると次

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プログレッシブ・ロックのアルバム『恐怖の頭脳改革』について

 エマーソン・レイク&パーマー手がけるアルバム『恐怖の頭脳改革』は私が最も強いアルバムであろうと思っている。
とりあえずメンバー紹介をすると。 
リードギター、グレグ・レイク。
オルガン、ピアノ、キース・エマーソン。
ドラムス、カール・パーマー。
作詞、ピート・シンフィールド。
となっている。
 既成のロックの概念を軽々と越えるようなサウンドにこのアルバムはなっている。彼らの音楽は古典から現代音楽

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クリーピーナッツについて

日本を代表するヒップホップアーティストの一つである。
歌詞が哲学で私は大好きである。毎日聴いている。
「のびしろ」や「よふかしのうた」が大好きな曲である。
最近、Blu-rayプレイヤーを買ったので、横浜アリーナのLIVEが
収録されているBlu-rayで観ているがRー指定さんの熱量がはんぱない。
いつか生でLIVEにいってみたいアーティストである。
読者のみなさんもクリーピーナッツが好きな人がい

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音楽について

ピンクフロイドはプログレッシヴロックを見つけ出したバンドのひとつである。独特な世界観(しかもかなりクセがつよい)があり、私が大好きなバンドである。
「狂気」(The Dark Side of the Moon)や「神秘」(A Saucerful Of Secrets)、「おせっかい」(Meddle)や「原子心母」(Atom Heart Mother)などのコンセプトアルバムがある。
プログレッシヴ

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禁じられたロシア語聖歌

図書館で『禁じられたロシア語聖歌』を借りてきた。

①「主の祈り」からはじまる。以下はロシア語で「主の祈り」を書いたものである。

Отче наш, сущий на небесах!
да святится имя Твое;
да приидет Царствие Твое;
да будет воля Твоя и на земле, как на небе;
хлеб наш насущ

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ビリー・アイリッシュ

それは稲妻に打たれた時のような衝撃だった。ドンドンと重低音が響き渡る中でささやきのように歌うビリー・アイリッシュの歌はまるでテクストに対峙する哲学者のように慎重な態度で優しく繊細である。
つらく、痛々しいまでに繊細でたまらない。ビートルズに影響を受けているという印象がぼくの中で拭えなかった。
表現者の権化のような出立ちとは考えられない激しさと伝達不可避な音楽で魅了された。コンテンポラリーダンスを見

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アラム語聖歌の魅力

 僕は図書館でアラム語の聖歌が吹き込まれているCDを借りた。聴いてみると、とても心地よい。教会でよく唱えられる「主の祈り」がアラム語で歌われている。グレゴリアンチャントも魅力的だが、個人的な音楽体験としてはアラム語聖歌に軍配が上がる。

 アラム語とはイエス・キリストがしゃべっていた言語である。「タリタ、クム」「少女よ、わたしはあなたに言う、起きなさい」(マルコの福音書第5章41節)や「エリ、エリ

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チャイコフスキーの交響曲第5番

これを聴くとぼくは元気になれる。パワークラシックだ。
メランコリックでメロディアスな曲調が印象に強く残る。
同じ主題が変奏曲のようにうつり変わって展開していく。
 日本の演歌に似たものを感じ取ることができる。激しさ
の中に繊細さが潜んでいる。

芥川也寸志 交響曲第1番

 これを聴いたとき衝撃がぼくの中で走ったデモーニッシュな音楽で力強い。チャイコフスキーを連想させるモティーフでメランコリックである。映画音楽に近いのかもしれない。音楽が語っているのであhる。それもかなり雄弁に。しかし、繊細さを欠いているわけではない。緻密な構成でかなり神経質なつくりとなっている。

 基本情報としてこの交響曲は1954年に芥川が團伊玖磨、黛敏郎とともに組織する作曲グループ「3人の会

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モーツァルト三大交響曲その1

モーツァルト交響曲第39番 カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 私は三大交響曲をカラヤン指揮の演奏で聴くことにした。まずは39番、堂々とした門が前から第1楽章は歌いだす。バイオリン隊が凄まじく鳴り響いて鳴り止むことはない。第1楽章は神の如く調和がとれている。アクセントの「味」としてフルートが豊かな音色を奏でている。ややバイオリン隊がかたい演奏になって走り回っている。第1楽章の主役は

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ブルックナー交響曲第4番

 指揮者はオイゲン・ヨッフム。形式美に彩られた音の粒がダイナミックである。練り上げられてつくられた曲。職人技としてのブルックナーのなかで鳴り響いていることを感じることができる。この型はモーツァルトと比較してみると面白いと思われる。モーツァルトは歌を歌い上げるように曲を作曲するが、ブルックナーはかなり苦心して作曲しているように思えてならない。これは別にモーツァルト苦心していないというわけでは決してな

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モーツァルト レクイエム

歌をうたいあげるような鎮魂歌である。この曲はとても祝祭的でポリフォニー(多声)でできている。音の粒が一つ一つなめらかでいかにもモーツァルトらしいではなかろうか。このレクイエムは未完であるが、モーツァルトが秘密裏で門外不出教会音楽「ミゼレーレ」を書き留めてしまったという事件があったというと納得のいく出来栄えである。映画『アマデウス』でもあやしげな使者の注文によってこの曲を書くことになるのであるが、ベ

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大江光さんの音楽

 作家の大江健三郎さんの息子である大江光さんは作曲家だ。そして、ぼくと同じように(正確にいえば知的障害)、精神に障害を抱えている。図書館で大江光さんのCDを借りて大江光さんの音楽を聞いた時に感じたことは「なんと磨き抜かれた音の粒たちなんだろう!」ということであった。ぼくも一時期、作曲家を目指していたが作曲のわざがないのであきらめた。それよりもむしろ「文字を書く職人」になることにした。

 病院に入

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音楽雑記

デイケアに通うようになって先輩のメンバーさんがディープパープルが好きでぼくも気になってTSUTAYAでハードロックのアルバムを5枚借りてきてパソコンに取り込み、ipodにインポートした。主にレッド・ツェッペリンとさきほどあげたディープパープル、レインボーそしてブルーハーツ2枚をパソコンに取り込んでipodにインポートした。いま、このコラムをかいているときはブルートゥースのスピーカーで聴きながら書い

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