宿場まつりとフードパーク
※本記事は、藤沢市市民活動支援施設情報誌「F-wave」2022年2月号の特集記事を転載したものです。紙面全体は以下のリンクよりご覧いただけます。
旧藤沢宿エリアの魅力を伝える「藤沢宿まつり」
東海道藤沢宿は遊行寺近くにある江戸方見附から小田急線藤沢本町駅近くの京方見附迄のエリア、日本橋から6番目の宿場町として栄えてきました。
「藤沢宿まつり」はそうした寺社や、宿場町としての香りを残す建物などを中心にして開催されてきました。3年前は雨、その後2年はコロナ禍によって中止。今年は、感染拡大状況も踏まえ、その中でできることを検討しながら開催の準備を進めています。
「この土地が持つ歴史を感じる機会、興味を持つきっかけになればよいと考えています」と語るのは、旧東海道藤沢宿まちそだて隊(以下、まちそだて隊)の広報担当、岩田さん。
まちそだて隊は、藤沢宿まつりの主催団体。昨秋に、発足から10年を迎えました。今回は、3月6日に開催予定の藤沢宿まつりについて取材しました。
手探り状態のなか、地域の協力を得て作り上げてきた
「歴史ある寺社や街並みの魅力を再発見しつつその価値をブランド化していくことを目的に、神奈川県や藤沢市の支援を受けてまちそだて隊が発足しました。その取組みの一つとしておまつりが始まりました。」と岩田さん。
発足当初は、企画・書類作成などコンサルタントの力を借りていましたが設立間もなく自立して、隊員がすべてのことを相談の上決めるようにしているそうです。
岩田さんは、「最初は、街道筋にあるさんこうどうさんや田島さんの駐車場でイベントをやりました。2年目からは御殿辺公園に移して、それからずっと続いています」と当時を振り返りました。まちそだて隊としては手探りの状況の中で、近隣の多くの方にご協力いただきながら藤沢宿まつりを作り上げてきたそうです。
岩田さん曰く「現市政では藤沢宿に関連した取り組みに非常に協力していただいていて、これまで東海道シンポジウムの開催や交流館の開設など関連した出来事も多く行われました」とのことです。
藤沢宿まつりにより商店街や寺社、大学、行政や歴史的建造物の持ち主の方々など、地域の様々な関係者が協力し合うことで、おまつりを通じて地域が一つになる機会を作ってきましたが、「開催側は楽をして前例を踏襲しがちで、段々『地域のおまつり』のような雰囲気になってきているのを感じていました。宿場として形成される以前から人々の暮らしがあり、明治以降も反映した歴史のある地区なので、参加者がそうした昔話と接する機会としてつないで行きたいと考えています」と、岩田さんは話しました。
白旗神社のテイクアウトパークとコラボも!
今回の開催にあたっては、白旗神社におけるテイクアウトパークとの協力も始めました。テイクアウトパークは昨年の緊急事態宣言発出時に、市内の飲食店を応援するために始まりました。
岩田さん曰く、「恒例化していたものにちょっと変化がつくだけでなく、参加店のファンの方も来てくれるかもしれません。一緒にやることでイベントの参加者にも広がりが出てくるのではないかと期待しています」とのことです。
「前と同じ」からの打破で、イベント自体に変化を
藤沢宿まつり当日は「フードパークin 白旗神社」として、白旗神社境内にて開催されます。
企画や運営に多くの方が関わっていても、続けていると「前と同じ」になりがちです。今回の藤沢宿まつりでは新しいパートナーシップを増やすこと が、イベント自体の展開や見え方を変えることに繋がっている印象を受けした。今回はまち歩きやフードパークのほか、落語会やワークショップ、展示なども実施予定です。
コロナ禍の影響や社会的な制限が強くなった場合について、2月初頭現在では、フードパークからテイクアウトパークへの変更など、感染症拡大状況に応じてできることを検討している最中とのことです。イベントに関する情報は、随時まちそだて隊のfacebook ページから発信しています。
団体紹介
旧東海道藤沢宿まちそだて隊
【設立】2011年9月
【HP】 https://www.facebook.com/kyutokaidofujisawasyukumachisodatetai
近年、まちを訪れる人の中には、歴史ロマンを感じながらまちを歩き、旅の満足度を高める人が増えています。少子高齢化社会の中で、藤沢の交流人口を増すためには、「本物の歴史を演出するストーリーによる地域資源の見える化戦略」が欠かせません。
そこで、私達まちそだて隊は、「お蔵入りした藤沢宿のお宝を再び活かす、歴史ロマンを感じる本物のストーリーづくり」を目標にしています。活動内容は、旧東海道藤沢宿周辺の「地域資源を活かしたまちそだて」の実現に向けた課題の抽出及びその解決に向けた必要な調査、検討、調整、事業を実施します。まちそだてプロジェクトは、藤沢宿周辺の課題を解決するための社会実験として実施します。