Markdown記法でスライド作成 Pandocでpptxに
Microsoft Powerpointのスライドを効率よく作るため、Markdown記法からPandocで変換しました。
まだ、不足していることはありますが、備忘録として残します。
作業手順とツール
原稿を執筆するとき、内容と体裁をわけて作業します。第1段階は、単純テキストで本文を書きます。第2段階で見出し、図表を入れたMarkdown文書を用意します。第3段階は、Pandocで変換したあと、PowerPointでテキストのサイズ調整などをおこないました。
テキストエディターは、EmEditor Ver. 24.4.0、Markdownエディターは、Typora Ver. 1.9.5、変換ソフトは、Pandoc Ver. 3.5、Microsoft PowerPointは 2019を使用しました。
原稿執筆
PowerPoint用として、注意点は以下の通り。
文字コードは、UTF-8(BOM無し)
拡張子は”md”
セクションタイトル行頭に”# ”、スライドタイトル”## ”、スライド内のサブヘッダー”### ”
タイトル スライド
Markdown記法は、HTMLのbody部分を簡便に作成することが目的で開発されたため、スライドタイトルはYAMLフロントマターで記載する必要があります。
記載例
---
title: 機能性表示食品による健康障害防止
subtitle: 紅麹は何が問題だったのか
author: 藤竿 伊知郎(薬剤師)
date: 2024-10-17
---
課題: 現時点では、date がタイトルスライドに反映できません
2カラム スライド
テンプレートの”Two Content(2つのコンテンツ)”を使う時の記載方法
:::::::::::::: {.columns}
::: {.column width="40%"}
本文テキスト、図など
:::
::: {.column width="60%"}
本文テキスト、図など
:::
::::::::::::::
制限事項: 現在、PowerPointに幅指定は適用されず、参照ファイルの指定が適用されます。
スピーカーノート
下記の記法で入れておくと、配布資料と発表者ビューで利用できます。
::: notes
本文
:::
原稿例
図表を入れる
Markdown記法では、下記の様な記述で、[]内に図表のキャプションをいれ、その後に図表のアドレスを指定します。
![規制制度の推移](./assets/規制制度推移.jpg)
Typoraを使うと、編集画面にドラッグ アンド ドロップで図表を簡単に入れられます。
なお、Typoraの設定、以下の設定をおすすめします。
ファイル(F)-設定-画像
インサート時…
画像を ./assets に保存する
優先する画像の構文
可能であれば相対パスを使う
相対パスに./を使う
変換と調整
作成した文書のフォルダーに、テンプレートとバッチファイルを置き、実行することで変換できます。
バッチファイル
pandoc -s -f markdown+east_asian_line_breaks %1 --reference-doc=ref_f1.pptx -o %~p1%~n1.pptx --slide-level=2 2> error_log.txt
参照ファイル
Microsoft PowerPoint のテンプレートで、下記の7つのページをPandocは使用します。
Title Slide タイトル スライド
Title and Content タイトルとコンテンツ
Section Header セクション見出し
Two Content 2 つのコンテンツ
Comparison 比較
Content with Caption タイトル付きのコンテンツ
Blank 白紙
スライドマスターのページ名が日本語化された状態で、Pandocは下記の警告(WARNING)をエラー出力にだしますが、実行に影響しません。
[WARNING] Powerpoint template warning: Couldn't find layout named "Title Slide" in provided reference doc. Falling back to the default included with pandoc.
変換後ファイル
課題
枠に流し込んだテキストは、フォントサイズが自動調整されないため、それぞれのコンテンツを全選択し、枠に合うようにフォントサイズを調整します。
フッターも、手入力します。
最終作品
変換用ファイル
参照用pptxファイルとバッチファイル