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感染症週報の見方 (インフルエンザ・COVID-19)

連休のため第17週(4月24日-4月30日)の定点報告数発表は来週です。
5月8日(月)からの第19週より、コロナウイルス感染者数の発表も週報になります。

インフルエンザ感染状況を見るために、公開データを解析してきました。その内容をまとめ、整理したデータファイルを共有します。

COVID-19感染の推移

国内COVID-19感染者数は、増加しています。

感染症週報

季節性インフルエンザは、感染症法に基づき定点医療機関が、週ごとに感染者数を報告しています[1]。定点医療機関は都道府県が指定した、インフルエンザ定点医療機関(全国約3,000カ所の小児科と2,000カ所の内科、合計5,000件の医療機関)、基幹定点医療機関(全国約500カ所の病床数300以上の内科・外科医療機関)があります。

医療機関は、毎週日曜日までの感染状況を月曜日に届け出、毎週金曜日までに国立感染症研究所が報告数を公開しています[2]。厚生労働省は金曜日の午後、報道発表資料を公開[3]。さらにその1週後の金曜日に、国立感染症研究所がIDWR(感染症週報)として公開します。[4]

ウイルス分離・検出数報告

このデータは全国約500の病原体定点からの報告[5]で、2000年まで遡ってデータを比較できます。

公表データ

定点報告、ウイルス分離・検出報告ともに、CSVファイルで公表されています。

残念なことに、CSVであっても、データベースとして利用しづらいフォーマットです。

データ利用しやすいファイル作成

そこで、データを使いやすい形に整理しました。

Excelで作成したデータファイルを、Googleドライブで共有します。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1KzNssG8Tm029jPHWTYJ6YBjdQx-I8K_F/edit?usp=share_link&ouid=102122764022964678025&rtpof=true&sd=true

このデータは確定値で無く、速報値ベースですが、流行の大筋を把握できます。

定点報告

ウイルス分離・検出報告

COVID-19とインフルエンザとの関係比較

毎日公表されるCOVID-19関係のデータを週単位にまとめ、インフルエンザと比較できるようにしました。

データから流行の傾向を読もう

この間、インフルエンザ流行とCOVID-19感染状況とを比較してきました。

COVID-19は、新しいウイルスが入ってきたときにピークを生じることとともに、1月・8月にピークを作っていました。エアコン使用で換気が悪くなる時期であり、空気感染が主な感染経路として注目されている、最近の知見に合致します。
季節性インフルエンザの流行には安定した変動パターンがあります。この間も冬にピークとなる決まったパターンで発生しています。例外は、2022年8月に小ピークが生じたことです。

インフルエンザ感染報告数は、平均値の10倍以内で変動していますが、COVID-19流行期には100分の一から数千分の一に抑えられています。COVID-19流行の波が高い冬場にインフルエンザ流行が強く抑制されていることが2シーズンの動向から分かります。

みなさんも、データを見ながら、感染抑制に何が有効なことか考えてみませんか。

[1]: インフルエンザサーベイランスについて|医療公衆衛生分科会(第4回)資料2(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002oeqs-att/2r9852000002oetv.pdf)
[2]: インフルエンザ|国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/flu.html)
[3]: インフルエンザに関する報道発表資料 |厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html)
[4]: IDWR ダウンロードページ 2023年(https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2023.html)
[5]: インフルエンザウイルス分離・検出状況(https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-inf.html)

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