持病と向き合うタクシードライバーの日々
運転席から見える景色には、横浜らしい活気と温かみがある。
しかし、その裏で私は長年「持病」と呼べるものと向き合っている。
私の持病は、高血圧と糖尿病だ。50代半ばに健康診断で見つかった。正直言って、それまでは健康には無頓着だった。
昼食はラーメンやファストフード、夕食は飲みながら揚げ物をつまむ生活。運動も仕事で疲れているからとサボりがちだった。
しかし、診断結果を見た医師から言われた「このままだと透析が必要になるかもしれない」という言葉に、初めて危機感を覚えた。その日から、健康との向き合い方が変わった。
タクシードライバーという職業は、長時間の座り仕事が基本だ。運転中のストレスや不規則な食事時間も健康には厳しい。私の場合、特に難しかったのが「食事の見直し」と「運動習慣の取り入れ」だ。
例えば、乗務中は駅前でサンドイッチをかじることが多かったが、今は弁当を持参するようにした。最初は面倒だったが、妻が手伝ってくれるようになり、次第に慣れてきた。
運動に関しては、朝に軽いストレッチを取り入れたり、できる限り階段を使うよう心がけている。体力づくりのために、週に1回のウォーキングも続けている。横浜の港町を歩くのは、気分転換にもなり、いいアイデアを思いつくこともある。
持病があるからといって、仕事を諦める選択肢はなかった。私にとってタクシー運転手はただの職業ではなく、生きがいでもあるからだ。お客様との会話や街の変化を感じることで、日々の充実感を得ている。
それでも体調の管理は欠かせない。定期的に病院に通い、医師の指示に従って薬を飲むことはもちろん、睡眠時間も大切にしている。以前は夜更かしが多かったが、今はきちんと6~7時間眠るようにしている。
また、同僚や家族のサポートにも助けられている。同僚たちは私が無理をしないよう気を配ってくれ、家族は「まだまだ元気でいてほしい」と励ましてくれる。彼らのおかげで、心身ともに支えられていると感じる。
持病を持つ中で働くのは容易ではないが、「制限があるからこそ工夫ができる」と感じている。
年齢を重ねるごとに体力の低下を実感するが、それに負けず、自分のペースで走り続けたいと思う。
これからも横浜の街でタクシーを走らせながら、自分らしい働き方と生き方を模索していくつもりだ。