「みつみちゃんはみつみちゃんだ」(スキップとローファー感想8)
今回は18話から19話にかけての感想です
文化祭準備にはりきりすぎて仕事を受けすぎて結果クラスメイトからの頼まれごとを履行できなかったみつみちゃん。そんなみつみちゃんに対して愚痴を言う女子2人
…の話をたまたま立ち聞きしてしまったのをきっかけに落ち込むみつみちゃん
それを見て志摩くんは思う
そんなことを思いつつ、クラスメイトと気まずくないか心配する志摩くんの一方、立ち直ったみつみちゃんは力強く言う
そこで志摩くんは「子どもの頃の自分とみつみちゃんは違う」と気づく
読者がみつみちゃんにどことなく"かつての自分"を重ねはじめたであろう頃合いに「みつみちゃんはみつみちゃんだ」と作中で宣言することに意味を感じる
よごれないで欲しいとか傷つかないで欲しい
例え何歳年下でも距離が遠くても近くても
そんな願望を自分じゃない他人に抱くこと自体がたぶんすごく失礼なことだから
自分とは違う、その人にはその人なりの乗り越え方があるということ
実際みつみちゃんは自分への愚痴を立ち聞きしてしまったことは特にクラスメイトには告げず、舞台装置のアイディアを提供する
みつみちゃんのすごいところってそういうところで、愚痴を言われたということに過剰に傷つかずおおごとにもせず、仕事で返す!
すごく大人の所作じゃないか…!?
そしてミカちゃんもそうだったけど、そういう"ちょっと嫌なところを出してしまう人"をむやみに悪人に仕立てて物語から退場させてしまわない、というところが作者の高松さんのすごいところだなとも思う
そういう人に過剰に同情するわけではないけど、「それも社会や世界のひとつだから」「まあそれを言ってしまうその人なりの背景があったりするから」で通り過ぎて行く感じ
それは
スルースキル
の一言で片づけてしまうのも違う
ちょっとナイーブなこの時代を生きるために必要な在り方な気がした
スルーしないけど自分の中で完結させてあとは過度に相手のことも自分のことも責めない生き方