生涯2匹のブラックバス
47年前、中学生の頃に仲良くなった友達がバス釣りをやっていた。タックルボックスを見せてもらうとオモチャ箱のよう。釣りについて行けばそのオモチャが生き生きと動いている。特にジョイントラパラとクレイジークローラー、メドウマウスが印象に残った。自分も欲しいと思った。なにより、その友達と遊びたかった。
釣りを始めた。当時、そこいらにバスはいなかった。みんな薄々それをわかっていて、もしかしたらいるかもよくらいの期待値で野池に通った。ただ、だべりながらルアーを投げるのが楽しかった。
高校に上がる春休み、兵庫県のちゃんとバスがいる湖に行った。そこで初めてバスを釣った。ルアーはジェリーワームだった。
高校でも近所では釣れなかった。卒業と同時に釣りはやめ、道具は友達に売った。
やめたのにどうしても釣具が気になる。あのオモチャが好きだ。ちょいちょい釣具屋に行き、ちょいちょい釣具を揃え直した。上京して近場に釣り場はなくなったが、その気になれば釣りができる。この釣具は湖とつながってるんだと思うと、癒やしのようなものがあった。
9年前、大阪の実家に帰って来た。そして1年半前、近所のワンドで釣りができることを知った。揃えた道具を引っ張り出して復帰した。中学生の頃買ったロッドがまだ新品で売ってることを知り購入した。そのロッドに合わせてルアーを大きいものに替えていったり、なんやかんや全とっかえに近いことになった。買い揃えるのがまた楽しかった。やっぱりオモチャが好きなのだ。
おととし、そのワンドでめでたく1匹釣った。今度はトッパーらしくビッグラッシュスケーター・セラフで。生涯2匹目のバスだ。オモチャの額が全然割に合ってない。でも楽しい。去年は釣れなかったが、今年は3匹目以降を釣りたい。