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ヒラリー・ハーンのヴァイオリンでブラームスを聴いてきました
先日、ミューザ川崎シンフォニーホールでヒラリー・ハーンのヴァイオリンを聴いてきました。
プログラムはブラームス作曲のヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」から始まり、ヴァイオリン・ソナタ第2番、休憩、ヴァイオリン・ソナタ第3番という内容、
あらかじめ、譜面台にはiPadとフットスイッチが備えられ、ヒラリーハーンは青のドレスでメガネを手に持っての登場、挨拶の後、メガネをかけて演奏開始です。
静かな始まりから、しっとり聴かせて、中盤、後半にかけて力強い演奏へ向かう構成。譜面を見ながらの演奏ですが、客席側、ピアノ側へと頻繁に移動し、ゆったりめのドレスがふわりと揺れ、メガネや靴がシルバーに輝き、演奏と共に装いも素敵、
動作にも説得力があり、天を仰ぎ見るような悲しい場面あり、直立不動あり、身体を揺らし楽しむ場面あり、力を込めて少しかがみ込む場面あり、テニスのサーブのように弓を一周振りかぶって「ギュイーン」と決める場面あり、と、素晴らしい表現力でした。
そして、アンコールの1曲目はウィリアム・グラント・スティル(1895-1978)作曲の「マザー&チャイルド」という曲、この作曲家はアフリカ系アメリカ人ということで、当時の状況を想像すると演奏機会も限られていたでしょうが、それでもオーケストラを指揮し、オペラを作り、交響曲を作曲したという伝説の人物。ヒラリー・ハーンの祖国アメリカへの思いを感じる選曲です。
アンコール2曲目は、ブラームス作曲F.A.E.ソナタ(第3楽章)スケルツォという曲、スピード感のある、ものすごく刺激的な曲でした。
ヒラリー・ハーンによる演奏動画は見あたらないので、レオニダス・カヴァコスのヴァイオリンによる演奏動画をリンクします。F.A.E.ソナタ(第3楽章)スケルツォをご存知の方はともかく、知らない方には30秒ほど聴いていただくと雰囲気がわかると思います。(動画全体は約5分半)
カヴァコスもかっこいい。
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さて、ミューザ川崎で千人以上を前にしてヴァイオリンを奏で、聴衆に感動を与えるヒラリー・ハーンもすごいですが、1888年頃のウィーンでブラームスの前で箏を演奏する、という夢のようなことを実現させた日本人女性がいたそうです。
この本を読んで知りました。
本の表紙の絵は屏風絵で、実際のサイズは縦171cm、横365cmという迫力のある日本画、
右でソファに座り演奏を聴きながら楽譜にペンで何やら書き足しているのがブラームス、左で箏を弾いているのが戸田極子(1858-1936)、大垣市守屋多々志美術館に所蔵されている作品です。
この本では、岩倉具視(1825-1883)が暴徒から逃れるところから始まり、紆余曲折を経て、その令嬢である戸田極子がウィーンで箏を演奏し、採譜され、譜面を見たブラームスが実際の演奏を聴きたがり、ブラームスのために演奏会が開かれ、ブラームスが譜面にメモを残し、そのまま忘れられて、1984年に膨大な「ブラームスの遺産」から、メモ書きのある楽譜が発見された、ということが詳細に語られています。
また、本の中では、守屋多々志(1912-2003)が絵を描く際には、丁寧に取材を重ねた上で作品を生み出す、そうしたいきさつも書かれていて、例えば、建物、髪型、服装、装飾品など、すべて手の抜けない時代考証を経た創作なのだと関心しました。
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ブラームスは森を散歩することが大好きだったようです。
それにあやかり、私も辰巳の森海浜公園を散歩してきました。タイトル画像は森の中から見たアクアティクスセンターの写真。
アクアティクスセンターというのは2021年の東京オリンピックで競泳の会場となったプールで、現在は個人で利用することもできます。
森を散歩した後は、ゆっくり泳ぎ、
下手ですが、飛び込みもやってみました。
(という落ちでしたが)
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(失敗したようなので、やり直して)
最後に、
津田塾大学が所蔵している守屋多々志の作品「アメリカ留学――津田梅子」が講演会で解説され、動画が公開されていました。
津田梅子(1864-1929)は戸田極子(1858-1936)と同時代に生きた女性、この絵は、乗っていた船がもうすぐ留学先のアメリカへ接岸するという場面で、梅子(満6才)が草履を脱ぎ捨てて船首に登るところが描かれています。
読んでいただき、ありがとうございます。