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いにしえのひとびとへ感謝を込めて

商売柄でしょうか?それとも持って生まれた好みでしょうか?
道具や工具に興味があります。

クラフト仲間からの情報により、古いものが数多く並ぶ市へ行ってきました。
以前にも同様の市でたまたま出会えた、一本の古い鑿(ノミ)。以来それは私の
大切な道具の仲間になっております。

今回も良き出会いがありました。それが巻頭の写真。これをご覧になって
すぐに名前を言い当てられる方はどのくらい居られるのでしょうか?
私が足を運んだ市、一説によると出店数は300店弱とか。けれど
その中にこの道具を扱っていた店舗は、わずか1店でした。

存在を知ってはいても実物を手にしたのは初めて。店頭に並んでいた時に既に
サビが出ていた刃を自ら丁寧に研ぎ、これを自分のお宝のひとつへ加え
時には愛で、時には使い、そうして遥か昔のひとびとへ敬意を表してみようと
そんなことを思ったりしているのです。

いにしえにおわして居られたひとびとが様々な工夫を重ねて来たからこそ
今の自分が木工に関わって居られるのだと、その一端からの恩恵に
ささやながら気持ちを寄せつつ。


刃物部分の拡大 

はい、この写真の道具、その名も ちょうな と言います。
柄は木の枝の活用により仕立てられております。

ただ、そこにある、ただ、それだけで、そこはかとなく風情を感じる。
いいもの、いい道具ではありませんか。
愛でて良し、更には良い仕事を生む道具。
これを発明した、いにしえのひとびとへ感謝、素直にそういう気持ちになったり
しているのです、柄にもなく。 大切にします。