🍇 ~あそびごころわんさか・使って楽しい~ ぶどうの木の作品のこと🍇
2024.6.17追記
第41回 くらしの工芸展にて 入賞をさせて頂きました
まったく同じ形 同じ大きさに作っても・・・
ぶどうの木を素材にすると こんなに形も大きさも違うものになります。
この作品は、この形を狙って作り上げたものではなく
ブドウの強烈な特性を存分に生かしきる事から生まれた物です。
陶芸作品の場合は、人が意図した形を整えてゆくのが常と思われますが、
このブドウの木の作品はそれとは真逆の工法ということになります。
つまり作者の作為は、ゼロ。
木は一般的に断ち切られた直後から乾燥による割れなどの変化が生じてきます。これを[木が暴れる]と言いますが、ブドウの木に限っては、これはまぁ呆れるが如く、圧倒的に暴れまくります。どこまでもどこまでも割れまくり捩れまくり。
その[強烈な暴れ]を逆手に取る事で生まれたのが、こちらの作品で有り、ゆえに同じ暴れによる同じ形のものは他に一つもありません。完全な唯一無二のもの。
この為、ブドウの木の作品製作に限っては製作途中で、この暴れにより使用不可の状態となってしまう事も多々有り、無事に作品として、世にでるものは大変に希少な数と為らざる負えません。
また素材となるブドウの木は、その本来の役目(美味しい実を実らせること)を
終え、持ち主様が除伐をしますと決めたものを譲って頂き再生活用をしている為、倒す際には既に極端な傷みが生じていることも多く、必要な部材を確保する事は大変に困難なものとなっております。
以上の理由から・・・ブドウの木の作品の製作をする事は他の木とは比較になり
得ない過酷な忍耐を強いられますが、それでも、この木の独特な特性をなくしては決して生まれ出ずる事のない形には、えも言われぬ強烈な魅力が有り、もはや
離れることは出来ないでしょう。
縁あってブドウの木の作品を手にされる方々にも、これらの事柄へほんの少しでもご興味をお持ち頂けましたら幸いです。
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2023.1.26追記
ブドウ園のブドウの木の除伐材を転用しています。実が成らなくなり除伐するを
する場合がほとんどです。このためそもそも木が弱っており、既に内部が
傷んでしまって折、素材としての活用は不可、それが全体の8割を超えている
かもしれません。また必要不可欠な太さ(最低・直径30cm以上)があり、更には
除伐をしてから、時を置かずに適切な処置(非公開の工法)を施さなくては
素材としての活用が出来ません。この為、遠方からの入手は不可能であり
ブドウの木に限っては[素材の入手]これひとつだけを取ってみても
他の木の類をみない困難なものがあります。