第2部の定理5と6は、神が属性を介して働くことを述べる。属性は互いに分離されており、動きが考えに影響したり、考えが動きに影響することがない。両者間の相互作用を除外することから、Spinoza が心身の相関に対してDescartes と異なる解決を計ることが予期される。原文と訳文(高桑による)を並べる。
定義5は、観念が生じるのは神が思惟するときに限るということらしい。別の方向から説明すると、体を動かしても観念が生じない。そのような具合で、属性に基づいた分業態勢が敷かれる。定義6は定義5を一般化しており、運動が生じるのは神が延長する extending ときに限るというように、神が原因といえるのは生起した出来事に対応する属性を介したときだけだと述べている。
以下の表に、定義5の証明にて参照される諸定義を示す。