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AT1債って何?【債券の基礎シリーズ⑲】

こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。

AT1債という言葉は知っているが、どのような債券なのかまで理解していない方もいるのではないでしょうか。


(1)AT1債とは?

「Additional Tier1」債の略称で、「金融機関の破綻を防ぐため」に発行される債券です。

債券を発行すると負債に分類されますが、銀行の場合は要件を満たせば「その他Tier1資本(AT1)」という資本に組み込むことができる債券を発行することができ、その要件を満たした債券をAT1債といいます。

(2)銀行の資本は特殊

「その他Tier1資本(AT1)」という聞き慣れない単語が出てきました。
簡単にいうと「その他Tier1資本(AT1)」は「Tier1資本」というカテゴリーの中の1つです。
まず大元の「Tier1資本」から見ていきましょう。

・Tier1資本とは

Ter1資本は「普通株式等Tier1資本(CET1)」と「その他Tier1資本(AT1)」に区分されます。

・普通株式等Tier1資本(CET1)

最も質の高い資本を指し、他にもありますが主に普通株式や内部留保等で構成されています。

・その他Tier1資本(AT1)

普通株式等Tier1資本に次いで質の高い資本とされていて
①発行体のCET1比率が一定水準を下回った場合や、実質破綻認定時に元本削減または株式転換が行われる
②満期がない等の要件を満たす優先株や永久劣後債等で構成されています。

銀行には自己資本比率が8%以下になると国際的に業務を行えないルール(BIS規制)があります。

⭕️ 自己資本に「その他Tier1資本(AT1)」も含まれるため、金融機関はAT1債発行することで財務の安全性を高めることができます。

(2)AT1債に該当する債券

以下がその他Tier1資本(AT1)の要件ですが、

①発行体のCET1比率が一定水準を下回った場合や、実質破綻認定時に元本削減または株式転換が行われる
②満期がない等の要件を満たす優先株や永久劣後債等で構成されています。

①の要件が組み込まれている債券に覚えはないでしょうか・・・・・

そうです。CoCo債です。

CoCo債とは、永久劣後債のリスクに

「発行体金融機関の自己資本比率(CET1比率)が定められた水準を下回った場合などにおいて、元本の一部または全部が削減される、または、強制的に株式に転換されるなどの仕組み(CET1トリガー)」
が上乗せされた債券です。

要は、普通の債券とは異なり「金融機関が潰れそうな場合」にお金が返ってこなくなるリスクのある債券です。

CoCo債については以下の記事で解説しています。

以上、AT1債についてでした。

他に資産運用に関する記事を書いています。
以下のリンクが目次になるので併せてご覧ください。

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