劣後債の基礎知識【債券の基礎シリーズ①】
こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。
2024年の債券投資は劣後債が鍵を握っている!と2024年一発目の記事で書いたのと、最近は劣後債に関する記事の閲覧が多いと気づいたので、劣後債について深掘りしてみようと思います。
2014年3月以降、金融機関が発行した劣後債を「新型劣後債」と呼ぶのですが、今回は2014年3月以前に発行された「旧劣後債」についてです。
「新型劣後債」については別の記事で解説します。
(1)劣後債とは
以下の図は債券種類ごとのリスク・リターンを示しているものです。
右に行けば行くほどリターンは高くなりますが、リスクも高くなります。
今回の主役の劣後債はちょうど真ん中にあります。
劣後債とは、「発行体が倒産した場合のお金が返ってくる順番が普通社債よりも劣後する」といった条件がついている債券です。普通社債よりもリスクが高い分、利回りが高くなっています。
劣後債のリスクは発行体が破綻した際に顕在化するものなので破綻しないであろう発行体を選ぶことが重要です。
(2)劣後債の立ち位置
上の図で劣後債はリスクとリターンでは真ん中の位置にいることが分かりました。イメージし易いように発行体格付Aの会社が債券を発行したらという設定で比較した図を用意しました。
債券種類が下に行けば行くほどその債券種類特有のリスクが上乗せされるため、債券格付けがダウンしており、利回りも高くなっています。(利回りは2024年1月頃のもので、ざっくりとしたイメージです。)
(3)劣後債投資の注意点
劣後債については先ほど説明しましたが、劣後債に投資をする際の注意点について解説していなかったので解説します。
・破綻時の投資資金回収率が普通社債よりも低い
投資資金回収率とは発行体が破綻した際にお金がどれくらい返ってくるかというのです。
発行体の財務状況等によって回収率は変わりますが、過去の統計では、普通社債で3割〜4割くらい、劣後債は1割〜2割くらいが目安かなと思います。
ですが、発行体が破綻した際は基本的に戻ってこないつもりでいましょう。
・期限前償還条項付きもあるので確認する
劣後債には期限前償還条項付きのものもあります。
例えば満期は30年後だが、繰り上げ償還日が設定されていて繰り上げ償還日に発行体の裁量で償還させるかを判断するといったものです。
繰り上げ償還日の判断は投資家の判断ではなく、発行体の判断なので、繰り上げ償還日に償還されないこともあります。発行体が繰り上げ償還日に債券を償還させないことをコールスキップと言います。
ぱっと見ではわからないので、劣後債へ投資する場合はしっかり確認しましょう。期限前償還条項付きの劣後債へ投資をする場合は、コールスキップされても困らない余裕資金で投資をしましょう。
(4)まとめ
今回は劣後債についてでした。
劣後債は上手に活用できれば大きな武器になります。金利低下が予想できる環境では劣後債が債券投資の軸になる可能性もあるので、債券投資に関心のある方は今のうちに劣後債も押さえておきましょう。
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