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新型劣後債の基礎知識【債券の基礎シリーズ⑨】

こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。

え!?新型劣後債?と思われた方もいると思います。実は劣後債は発行タイミングで旧型劣後債と新型劣後債に分類されます。
今回は新型劣後債について解説します。


(1)劣後債とは

劣後債とは、「発行体が倒産した場合のお金が返ってくる順番が普通社債よりも劣後する」といった特約がついている債券です。普通社債よりもリスクが高い分、利回りが高くなっています。

債券種類ごとのリスク・リターン

(2)新型劣後債の概要

2014年3月以降、主に金融持株会社が発行する劣後債を「新型劣後債」と呼びます。従来の劣後債のリスクに「実質破綻時免除特約」が付されてるのが大きなポイントです。
リスク・リターンは、2014年3月以前に発行された旧劣後債と永久劣後債の間になります。投資の際は債券の発行時期にも要注目です。

弁済順位のイメージ
出典:https://s.sbisec.co.jp/smweb/pr/gaccnt.do?page=bond_japan_830919

(3)実質破綻時免除特約について

実質的に発行体が破綻した状態になった際に、発行元はその元利金や利息の支払い義務を全て免除されるという特約です。

要は銀行が法的に倒産する前でも、「実質的に破綻している」と政府が認めれば、元本が削減される可能性があるということです。

「実質的な破綻」がポイントです。
「実質破綻」の定義は各国によって異なりますが、日本では「債務超過、支払い停止、またはその恐れがある場合など」で認定されると考えられます。
主な国のものは以下の図を参考にしてください。

主な国の破綻処理の判断機関・根拠法・根拠
出典:https://www.smbc.co.jp/kojin/saiken/resources/pdf/saikenSC_20180619.pdf

・日本における実質破綻とは

日本の場合は「預金の支払いを停止した場合またはその恐れのある場合、債務超過や支払停止の恐れがある場合などに、内閣総理大臣が預金保険法(第102条、第1項 第2号および第3号ならびに126号の2 第1項 第2号)の措置を講ずる必要があると判断すること」です。ここまでになると実際の破綻に近い状況かと思います。

日本の実質破綻事由
出典:https://www.smbc.co.jp/kojin/saiken/resources/pdf/saikenSC_20180619.pdf

・実質破綻の認定がされたらどうなるか

実質破綻の認定がされた時点で発行体は投資元本と利息の支払いをする義務をすべて免除されます。

「すべて免除される」ことが大きなリスクで、投資家は以降の利子の支払いを受けることができず、投資額を全額失うことになります。破綻時の特約である劣後特約とは異なるので要注意です。

(4)まとめ

今回は新型劣後債の概要についてでした。
ぱっと見だと気づかないこともあると思いますが、別物なので注意してください。

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