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債券投資スタート時の懸念点まとめ【お客様からの質問シリーズ83】
こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。
債券投資をスタートする際に不安があると思います。
その中で多いなと感じるものを解説しています。
(1)米国債利回りの低下
債券の利回りが高いうちに投資したいと思うのは当たり前ですが、現在の利回り水準を把握すれば、そこまで気にならなくなると思います。
以下は米国10年国債の20年チャートです。
現在の利回り水準は2008年ぶりの高値圏です。
![](https://assets.st-note.com/img/1737953180-z8HgJX2iYANehR31LVvMZkWs.png?width=1200)
出典:Trading View
コロナが落ち着いてきてからはリベンジ消費などで経済は持ち直しにより、インフレも加速したため、インフレを抑え込むために利上げを続けました。それにより米国債利回りもじわじわと上昇してきており、
1%以下だった利回りが2022年前半から大きく上昇しており、9月以降は3.5%〜5%の間で推移しています。それからも4%台での利回りで推移しています。
今後の展望としては、利回りの高止まりがあります。
現在はインフレも頭打ちになり景気動向や利下げのペースを探る段階に来ていますが、景気が思ったより堅調なのと2024年11月にトランプ大統領の再選が決定したことでインフレ再燃の可能性が高まっており2024年9月以降は再度上昇しており、米国債利回りは高止まりしています。
⭕️ 現在の利回り水準は高値圏です。
利回りが上昇すると思っているのであればタイミングを見ても良いですが、納得できる利回りで投資できるのであれば早めに投資することをお勧めします。
(2)アメリカ政府のリスク
米国の信用力に影響を及ぼすイベントのため、米国債の利回りに影響があります。
・債務上限問題
こちらは記憶に新しいのではないでしょうか。
債務上限とは、アメリカ政府が国債発行などで借金できる債務残高上限のことです。
上限を超えて国債を発行するには、議会の承認が必要になります。
議会の承認が得られず、国債を発行することができなくなるとデフォルトに陥ります。
⚠️ 債務上限問題が長引くと米国債のデフォルトが意識されて利回りが大きく動くことになります。さらに2011年の債務上限問題の際は米国債が格下げされており、大きく利回りが低下しています。
過去にも債務上限問題が起こっているのですが共通点は「ねじれ議会」状態だった点です。
アメリカの議会は上院と下院からなり、法案を通すには両院での可決が必要となります。
2023年の際は、上院は民主党、下院は共和党が過半数を占めており(ねじれ議会の状態)バイデン大統領率いる民主党だけでは承認を得ることができなくなりました。
そこで共和党は債務上限の引き上げを承認する代わりに、自分たちが主張している歳出削減の約束を求めるなどをしてなかなか法案が通らず、デフォルトの話が出てきました。
結果的には、ギリギリのところで法案が可決し、回避することができました。
⭕️ 本当にデフォルトしてしまったら政治家も困るので政治的な駆け引きの手段として使われることが多いです。
アメリカ大統領選挙の裏で実は連邦議会の選挙も行われていました。
今回の連邦議会の選挙により、上院・下院ともにトランプ大統領が率いる共和党が過半数を確保しました。
⭕️ 上院も下院も過半数を共和党が取ったため「ねじれ議会」ではなくなりました。
これにより法案が通りやすくなり、債務上限問題が起こる可能性も大きく減少します。
・財政悪化リスク
10年間の政策コストはハリス氏で35兆ドル程度となる見込みだったのに対しトランプ大統領の場合は7.5兆ドル程度となる見込みで、ハリス氏の倍以上の財政赤字が見込まれています。
財政赤字の拡大は国債の増発に繋がります。発行増で需給が悪化し、長期や超長期を中心に金利が上昇しやすくなることも予想できます。
⚠️ 大手格付け会社で唯一、米国に最上位格付けを付けているムーディーズは9月、財政運営への懸念を理由に格下げの可能性をあるとしました。
米国の信用力低下に伴う、ドル安円高の可能性もあります。
(3)円高の進行
「債券投資をしてから円高になってしまったらどうしよう」という悩みがありますよね。
為替の動きと債券の利回りには密接な関係があります。
以下の図は2020年からの米国10年国債利回りとドル円為替です。
![](https://assets.st-note.com/img/1737953332-uMNXlhWOS4tRivBnf1boDzeC.png?width=1200)
出典:Trading View
現在の円安は、「日米金利差の拡大」によって起こっており、
概ね動きが連動していることが分かります。
簡単に言うと「片方がいい時はもう片方は悪い」という関係性のため、タイミングはそこまで関係ないです。
⭕️ 円高を待っていると債券の利回りが下がっている可能性が高いと言うことです。
例外的な円高としては以下の2つがあります。
・日本の利上げ
日本の政策金利は現在も上昇の傾向があります。
一般的に政策金利が上昇すると国債の利回りも上昇します。それにより日米金利差の縮小するため円高になる可能性があります。
しかし現在がその局面なのですが円高にはなっていないのであまり関係なさそうです。
・米国の信用力低下
(2)であげた債務上限問題や財政悪化リスクが顕在化したタイミングもアメリカの信用力低下を招くため、ドル安円高の要因になります。
以上、債券投資スタート時の懸念点まとめでした。
他に資産運用に関する記事を書いています。
以下のリンクが目次になるので併せてご覧ください。
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