証券担保ローンのリスク・デメリット【証券担保ローンの基礎シリーズ⑩】
こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。
証券担保ローンの活用を検討している方も多いと思いますが、リスクとデメリットを理解した上で活用しましょう。
(1)担保割れリスク
証券担保ローンの一番のリスクは担保割れです。
担保割れとは「担保資産の価格下落などで担保資産の評価額が所定の基準を下回る状態」を指します。
借入残高>担保時価×MCになってしまったら担保割れになります。
担保割れした場合は。定められた期日までに追加で担保を差し出す・返済をするかを行い担保割れを解消しなくてはなりません。期日までに担保割れが解消しない場合には、担保提供している資産は強制売却されることになります。
(3)レバレッジに応じてリスクは増大する
借入金額が多くなるほどレバレッジ効果などのメリットは大きくなりますが、同時にリスクも増大します。
例えば1億の金融商品を担保に5000万円借入をしてトータル1.5億円の投資をしたとします。そうすると1.5倍のレバレッジをかけていることになるので10%のマイナスがでたら実質的にはマイナス15%になってしまうということを忘れないようにしましょう。借入金額を増やすほど価格変動のリスクも大きくなります。
(2)借入金利の上昇・円高リスク
円で借入をするため、金融機関の調達金利が上昇すると証券担保ローンの金利も上昇する可能性があります。
日銀がマイナス金利を解除しましたが今回もあくまでも水中から水面に出てきた程度なので大きな変動はないかと思います。
しかし、今後も短期金利を上げ続けることになるならば証券担保ローンの金利も上昇する可能性はあるため要注意です。
さらに日銀が継続利上げをした場合は日米金利差の縮小で円高になる可能性もあります。
ドル建て資産を担保にしている場合「担保資産の変動に加えて円高リスク」もあるので注意が必要です、
(4)資産配分の偏り
証券担保ローンで資金調達をした際の使い道は自由ですが、
「外貨比率」と「特定の資産への偏り」には要注意です。
円で借入後にドル建て債券などの外貨資産へ投資する方が多いですが、その場合だと外貨比率がかなり上昇してしまいます。
通常であれば外貨比率は50%を軸にして為替への考えを考慮して調整するのが適切なのですが、証券担保ローンを使って外貨資産へ投資をすると外貨比率が100%を超えてしまうこともあるので、注意が必要です。
特定の資産比率の偏りに関しては、特に債券を担保に証券担保ローンを活用して債券へ再投資する場合が要注意です。債券比率が極端に高くなる可能性もあります。
「資産運用の結果の9割は資産配分で決まる」とも言われています。インカム目的=債券だけではないです。不動産等にも分散しましょう。
(5)まとめ
証券担保ローンのリスク・デメリットについてでした。
特に借入金利の上昇や円高は見落としがちですが、現実味もある大きなリスクになるので忘れないようにしましょう。
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