ラダー・ブレット・ダンベルについて【債券の基礎シリーズ】
こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。
ラダー・ブレット・ダンベルと聞いて債券と関係ないじゃん!と思った方もいるのではないでしょうか。債券の投資戦略についてです。
(1)ラダー型
ラダー型とは、短期債から長期債まで残存期間の異なる債券に同額ずつ投資することです。ラダーとは、「はしご」という意味です。バランス良く安定した債券運用がしたい方向けです。
以下の図のように残存期間毎の投資額を同じにすることで金利変動リスクを平均化することを目的とする運用手法です。
バランスの良さがメリットのため、金利変動時の大きなリターンは期待できないのがデメリットです。
短期債から長期債まで投資をするため流動性も高く、どのような状況になっても対応ができるバランスの良い債券ポートフォリオが作成可能なのが強みです。
償還した際にも機械的に買付するだけなので、メンテナンスも簡単です。
(2)ブレット型
ブレット型とは日本語で弾丸を意味するbulletが由来で、債券の残存期間を一定の期間に集中させることを言います。
以下の図のように特定の残存期間の債券に集中投資するので、流動性がないのがデメリットです。
金利安定時にパフォーマンスが高くなる中期債へ集中するのがブレット型だと一般的です。
長期金利が大きく変動する局面では後述するダンベル型の方が有利です。
相場感がある方だと短期債や長期債のみへ集中させるケースもあります。
高い利回りが狙える現在だと、長期債のみに集中投資している方も多いかもしれませんね。
(3)ダンベル型
ダンベル型とは、短期債と長期債に投資する手法です。
図で表した際の筋トレで使うダンベルの形に似ているのが由来のようです。
短期債と長期債を保有するので、流動性も確保しつつ、ある程度の期間は高い利回りで固定したい方向けです。
短期債と長期債を同じ数量保有しているため、債券の価格変動は長期債の方が激しいため、長期金利の変動の影響を受けやすいです。
金利下落局面では、債券単価上昇の恩恵を受けるため有利です。
金利上昇局面では、債券単価下落の影響を受けるため不利です。
金利が安定している局面でも、ブレット型と比較すると不利になります。
(4)まとめ
金利変動が大きくなると「ダンベル型」が有利となり、金利変動が小さくなると「ブレット型」が有利となります。
「ラダー型運用」はその中間的で、リスクもリターンも平均的となります。
債券ポートフォリオを組む際はどんな状況にも対応ができるラダー型をベースにしつつ、その他の戦略と組み合わせながら相場環境によって柔軟な対応をすべきです。
以上、ラダー・ブレット・ダンベルについてでした。
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