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アメリカの債務上限問題について【お客様からの質問シリーズ69】

こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。

米国債に投資する際に認識しておくべき債務上限問題について解説します。


(1)債務上限問題とは

債務上限とは、アメリカ政府が国債発行などで借金できる債務残高上限のことです。
上限を超えて国債を発行するには、議会の承認が必要になります。
議会の承認が得られず、国債を発行することができなくなるとデフォルトに陥ります。

債務上限問題は2023年だけでなく2011年、2013年、2015年に起きましたがいずれも債務上限は引き上げられています。

債務上限問題が起こった時の共通点は「ねじれ議会」状態だった点です。

アメリカの議会は上院と下院からなり、法案を通すには両院での可決が必要となります。
2023年の際は、上院は民主党、下院は共和党が過半数を占めており、バイデン大統領率いる民主党だけでは承認を得ることができなくなりました。(ねじれ議会の状態)

そこで共和党は債務上限の引き上げを承認する代わりに、自分たちが主張している歳出削減の約束を求めるなどをしてなかなか法案が通らず、デフォルトの話が出てきました。
結果的には、ギリギリのところで法案が可決し、回避することができました。

⭕️ 本当にデフォルトしてしまったら政治家も困るので政治的な駆け引きの手段として使われることが多いです。

(2)大統領選挙の裏で・・・

アメリカ大統領選挙の裏で実は連邦議会の選挙も行われていました。
この選挙により上院と下院の過半数をどちらの政党が取るかが決まるとても大事な選挙です。

今回の連邦議会の選挙により、上院・下院ともにトランプ大統領が率いる共和党が過半数を確保したようです。

⭕️ 上院も下院も過半数を共和党が取ったため「ねじれ議会」ではなくなりました。
これにより法案が通りやすくなり、債務上限問題が起こる可能性も大きく減少します。

(2)シナリオ別の反応

トランプ政権下は上院も下院も共和党が過半数をとったため、債務上限問題が起こる可能性は高くないのですが、念の為シナリオ別の相場の反応も考えてみましょう。

・何事もなく解決(ベスト)

ベストシナリオです。

一時的な変動はあると思いますが、短期的なもので、相場に与える影響はわずかでしょう。

・解決するが格下げ

2011年の債務上限問題はこの状況でした。
2011年は8月2日に債務上限引き上げに関する法案が、ぎりぎりのところで成立しました。しかし、S&Pが米国国債の格付けを、初めて最上位の「AAA」から「AA+」への格下げを発表しました。

以下の図は2011年の債務上限問題が起こった際のNYダウ、日経平均、ドル円の動きです。

2011年7/1を基準とすると米国格下げ後の1ヶ月弱でNYダウは15%ほど低下、日経平均も10%ほど、ドル円は5%ほど円高になっており、市場に大きな影響を与えています。

https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2017/09/irepo170906.pdf

・デフォルト(ワースト)

期日までに債務上限法案が可決しないといった状況です。
当然、米国債の格下げもされていることでしょう。

市場に与えるインパクトも利下げ時のよりも大きくなる可能性も高いです。

以上、アメリカの債務上限問題についてでした。

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