転職学1 現状の不満より変わらない不満
「転職学」働くみんなの必修講義 人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは
著者 中原淳 (著),パーソル総合研究所 (著),小林祐児 (著)
https://honto.jp/netstore/pd-book_30839051.html
転職に関わる調査を惜しげもなく盛り込んだ本。
内容も面白く、読み進めるうちに「そういわれるとそうだな」という気づきが多く得られた。
面白いなと思った箇所がいくつもあるが、その中の1つ。転職しようと思わせる動機について。
当然、「給与が低い」「上司と反りが合わない」などいくつかの不満要因があり転職へのトリガーとなるわけだが、この不満については「現状の不満」よりも「この不満が将来変わらなさそう」という将来も変化しないと想定される不満が転職動機になりやすい。という項目だ。
例えば、「サービス残業が長く、休暇が取れない」などの不満があった際に、今すぐの改善されなくても、将来的に残業を減らす努力が見て取れたり、話がされていたりするようであれば、その職場に留まる傾向にあり、それが、将来的にも改善される見込みがないと思ったときに転職活動を行うというものだ。
もちろん今すぐ改善できればベストなのだが、将来的な改善をしようとしていることを従業員にしっかり伝えることもリテンションにおいては重要な要素なのだという。
ベンチャー企業などは特に重要な要素のように感じる。
今すぐはどうしても残業は増えるし、給与についても大企業に比べると少なくならざるを得ない。
ただ、将来的にはいい方向に向かっていると働く人に伝われば、相当に転職を抑えることができる。
自分にも思い返すとそういう感情になった記憶があるため、思わず「そういえば・・・なるほど」とうなずく一説だった。