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できる女についている頭のモリッについての一考察

韓国へ行く飛行機の機内で、世にも美しいキャビンアテンダントを凝視していると、ある共通点に気がついた。

そう、彼女らは一様に頭がモリッとしていたのだ。

そびえ立つモリッ


観察を続けていると、デパートの化粧品売り場でも、保険会社でも頭がモリッている女性をみかけた。
どうやら仕事のできる女性は頭が盛り上るようだ。

彼女らをより深く理解し、美しさや賢さを享受するためには、モリッについての詳細を明らかにし、学ぶ必要がある。

そこで、頭がモリッている理由について、3つの仮説をたてた。


1つ目は、側頭筋が非常に発達している説だ。
ゴリラのオスの頭頂部にも同様のモリッがついている。このモリッは矢状隆起と言い、突起の両側に咀嚼するための側頭筋がくっついている。
一般的な哺乳類の側頭筋は側頭骨から頭頂骨の下部に付着しているが、咀嚼力が強大になるのに伴い側頭筋の付着部は広がる。

ゴリラは基本的に果物を好んで食べるフルーティーな動物であるが、季節や環境によって食料が手に入らない期間には木の根っこ、葉っぱ、皮など硬いものを食べている。
頭のコブは硬い食材に対応できる強靭な咬合力を手に入れるべく矢状縫合に沿って骨が盛り上がったものだ。

そのため、女性たちの頭のモリッもなんらかの硬い食材への対応として側頭筋を高度に発達させている可能性がある。

カムカムコブ


2つ目は、周りに権威を示すためという説だ。


コブダイは雌性先熟の魚であり、生まれた時はみんなメスであるが、50cmを超えるとオスに性転換を行う。オスになったコブダイは、成長に伴い頭のコブと下顎が大きくなっていく。コブダイは通常ハーレム状態を作るのだが、その時の優劣を決めるのがこのコブだ。コブが大きいほど強く、モテる。そのためコブダイはコブを成長させることで権威を示し、縄張りを守るのだ。

オラオラのコブ


熱帯雨林に住むオランウータンにも似たような性質がある。オスのオランウータンは性的に成熟すると、その縄張りで優位に立つ個体にだけ、顔の両側にフランジという大きなひだが現れる。
フランジは年齢ではなく、社会的な優劣関係に左右されて発達するという。そのため同じ成熟したオスでもフランジがあるものと無いものがいる。フランジがあるオスを「フランジ・オス」無いオスを「アンフランジ・オス」と呼ぶ。
フランジは、他のオスへの威嚇やメスへのアピールに利用され、自分の姿をより大きく見せる効果があると言われている。

顔のデカさはボスの証



コブダイ、オランウータンは共通して、自分を大きく見せ、権威を示すためにコブやフランジを利用している。

ヒトの体高は男性が約170cm、女性が160cm程と女性のほうがわずかに小さい傾向にある。
しかし社会では同じ仕事量を与えられ、平等にこなしていく必要がある。
ときには自分より大きな相手に物申さなくてはいけないこともあるだろう。


そんな厳しい環境を生き抜くために、自分を大きく見せ、権威を示すことは有効な手段である。



3つ目は、栄養や水分を蓄えている説だ。

ラクダは砂漠や荒地など、厳しい環境下で暮らしている。珍しい生態を数多く持つ動物であるが、最も特徴的なのは背中のコブだ。

雨が少なく植物が育ちにくい環境での生活では、水分や食料を定期的に摂取することは難しい。
そのためラクダは食事をとれない期間中、コブに貯めた脂肪でエネルギーを作り出している。

全身ではなく1箇所にまとめて脂肪がついているのは、コブで日を遮り、体の熱を逃がすためだ。
こうした仕組みのおかげで、ラクダは長い期間飲まず食わずでも生き抜いている。
ラクダにとってコブは厳しい環境に適応し生き抜くための戦略なのだ。


女性たちも同様に、コンクリートジャングルと呼ばれる木の実や動植物を気軽に採取できない環境に身を置いている。そのため飢餓や水分不足に備えて養分を蓄える器官をもっていても何ら不思議では無い。

頭のモリッには非常時に備えて豊富な栄養が蓄えられている可能性があるのだ。

背中にパントリー


以上が、できる女にできる頭のモリッに関する一考察だ。
この興味深いモリッについては明らかにされていないことが多く、これらの仮説を検証するためには、モリッの発生過程や内容物について今後も継続した調査が必要である。

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