20191110福祉-296

2019年の振り返りとお礼、そしてお願い。大きなビジョンはないけれど、小さくてやわらかな願いがあります。

いつもお世話になっています。もう年末ですね。この投稿(記事)をご覧になっているみなさんは、きっとぼくの活動やイベントに参加してくれたり、一緒に仕事をしてくれたり、「仕事じゃない」けど社会を楽しくしていくためのプロジェクトを担ってくれたりした人なんじゃないかな、と思います。今年も楽しかったのは、みなさんのおかげです。本当にありがとうございます。

出会った人、すれ違った人、深まった人、少し距離ができた人。いろんな人がいます。だけど、さまざまな関係性や距離感が今のぼくをつくってくれています。すべての物事がつながっているとまではまだ思えていないけれど、つなぐということではなく、つながりに気づいていくということの方が重要なのかもしれないと思うようになりました。少し大人になったかもしれません。

気づけば、20代も最後になってきました。早いものだなと思います。口先だけだった大学生時代(本はめちゃくちゃ読んでいて知識はあった)から少しは成長したように思います。

でもあのとき、自分の人生について徹底的に考えていた過去のぼくはよくやっていたと思います。苦しみながら自分と向き合っていた。誰にも侵されることのない、自分なりの哲学や思想を編み出そうと必死に頑張っていた。今は少しずつ地に足がつき、リアルな関係性の中でさまざまな喜びや悲しみに日々触れることができるようになりました。あのとき考えていた自分なりの考えに、色がついてきたように思います。

「原動力はなんですか?」と聞かれることがよくあります。ぼくの原動力は、だれかと出会ってしまうことです。だれかと出会ってしまう(触れてしまう)ことによって、なにかしたくなってしまう、一緒に考えたくなってしまう。そういうことです。目指すべき大きなビジョンがあるわけではありません。場当たり的かもしれないけれど、大切なことは、ぼくの命に輝きをくれる出会いをきちんと見つけて、掴んで、紡ぎ続けるということだと思っています。

今までで最もスピード感のある一年だったように思います。出来事や活動を振り返りながら、自分なりに2019年を記録します。


・NPO法人抱樸さんを訪ねた
「絆は傷を含んでいる」。奥田さんのその言葉が、ぼくを救ってくれました。その奥田さんにお話しを伺うという貴重な時間を得られました。また、抱樸館というホームレス状態の方が共同生活を行う場所の見学もさせていただきました。自分にとってすごく大きな体験だったなと思います。

・ディスカバージャパンさんに活動が掲載された
鈴木えみりさんのお声かけ(インタビュー)で活動/肩書きを掲載いただきました。個人的にはソトコトと並ぶ、とてもうれしい雑誌の掲載でした。ありがとうございました。

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・komorebiのクラファンが終了した
中岡先生と一緒につくった「komorebi」という積み木のプロダクト。クラウドファンディングでご購入くださった方には、とっても感謝しています。商品としてなかなか販路が広がらなかったのは、反省です。

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・広島でパートナーに出会った
その後、尼崎で一緒に暮らすことになるパートナーと出会いました。呉高専の仕事がなければ行っていなかったと思うと、非常に感慨深いです。ありがたい機会でした。仕事ももちろん、がんばりました。

・ひょうご発信という番組に出演した
初めて、がっつりテレビで取り上げてくださいました。10分くらいの尺で藤本の活動や考え方を紹介してもらうという貴重な機会になりました。

・2018年から関わっていた「まごころ茶屋」がオープンした
地域のみなさんの表現の場、活動の場として「まごころ茶屋」というスペースがオープンしました。藤本は継続的に関わりながら活動のサポートなどをしました。薬局の横にコミュニティスペースをつくるというプロジェクトを発案・一緒に進めることができて、代表の福田さんにはとても感謝しています。

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・セルフ誕生日会を開催した
例年実施しているセルフ生誕祭。今年も80名くらいの方が参加してくださって、とってもうれしかったことを覚えています。ぼくの大切な人たちが新しく出会うきっかけとして、来年もぜひ開催したいなと思っています。よろしければお越しくださいね。

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・レトルトカレーが完成した
「カリー寺」という取り組みから派生し、商品が生まれました。とてもうれしいプロダクトです。現在はそのレトルトカレーを活用し、全国のお寺を会場にした「レトルトカリー寺」を開催しています。来年も継続的に実施し、さらにお寺と自分たちをつなげていきたいと思っています。

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・生き方見本市(KANSAI)を開催した
関西では3度目の開催でした。母校である関西大学を会場にし、企画運営やゲストも含めるとおよそ400名の参加。「生き方見本市」史上最大規模になりました。反省も多かったですが、新しいフェーズに入ったように思っています。全国での開催もかなり広がりました。

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・「amare」がリニューアルオープンした
ぼくの活動の発端である「amare(あまり)」が杭瀬中市場に復活しました。運営で中心的な役割を担っているのは、藤本ではなく廣瀬くん。また新しいチャレンジの場として「amare」が機能していくと素敵だなと思っています。来年からは、本屋さん的な機能も持たせていければと思っています。

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・「ミーツ・ザ・福祉」がバージョンアップした
今年の「ミーツ・ザ・福祉」は、新喜劇があったり、お化け屋敷があったりと新しい企画がたくさん生まれていました。また、メンバーの発案で夏には花火大会が開催され、200名を超える方に参加いただきました。「ミーツ・ザ・福祉」の翌日にはシンポジウムも開催。かなり活動の範囲が広がっています。来年以降は、より県外の福祉系の活動をしている方にアプローチしていければと思っています。ミーツから派生した「実店舗化計画」も動かしていく予定。

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・尼崎ENGAWA化計画を引き継ぐことにした
2015年から使ってきた「尼崎ENGAWA化計画」という名称・コンセプトを学生メンバーに手渡したいと思っています。これまで数ヶ月のやり取りの中で、いろいろなことをみんなと話し、どう引き継いでいくか、企画をしていくかということを考えてきました。学生のみんなには「ゆるくて楽しい冒険をするツール」として、これからも都合がよければ使ってほしいなと思っています。

・法人(株式会社ここにある)を設立した
30歳を目前にして、法人を立ち上げました。とってもとっても小さな会社ですが、想いは大きくこれからもやっていければと思っています。従業員という形ではないかもしれませんが、さまざまな仲間たちと素敵なプロジェクトや場をつくっていければと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

ここにある

ちょこちょこ書いているnoteもたくさんの方に見ていただいています。今年のベスト3ビュー数のnoteをおしらせします。

《今年もっとも読まれたnote:ベスト3》
・第1位 ある「無職」の人から学んだこと。社会の役に立たないといけないという幻想について。

https://note.com/fujimotoryo/n/na24df9f9d973

・第2位 胸を張って「生きづらい」と叫ぶ権利は、ぼくにあるのでしょうか
https://note.com/fujimotoryo/n/n524b549294f0

・第3位 「生き方」なんて、自由に選べないよ
https://note.com/fujimotoryo/n/n44d75f3b03f3

来年もたくさん書いていきたいと思います。ぜひ、お時間のある際にご覧になってくださいね。

上で「ビジョンはない」と言いました。でも、小さな願いはあります。それは「もっとあらゆる価値が評価され、それぞれがそれぞれのまま楽しく生きていくことのできる社会に近づけていきたい」ということ。

ともにつくるという楽しさを生みだしながら、価値基準を常に揺さぶり続けたい。新しい価値基準を提案し続けたい。それは、既存の価値(経済的価値など)では評価されえないものが山のようにあるからです。その価値のことをぼくは知っています。それをみんなと共有したいし、社会の中できちんと定義づけていきたい。

こぼれ落ちていく側から見た社会はあまりにも冷たい。ぼくはその感覚がなんとなくわかります。喜びだけではなくて、悲しみもシェアしたい。みんなの悲しみをぼくも少しだけ引き受けるから、この絶望をみなさんと少しだけ共有したい。その先に未来というものが見えるように思うのは、ぼくだけでしょうか。

一人ではなにもできません。みなさんの協力が本当に必要です。お金もありません。でも、一緒に楽しむことならできます。その能力はめちゃくちゃにあります。経営者の人も、会社員の人も、公務員の人も、フリーランスの人も、今は仕事をしていない人も、育児や介護をしている人も、されている人も、引きこもりの人も、障がいのある人も、日本語が話せない人も、コミュニケーションが取れない人も、人には話せない過去のある人も、自分自身のことが嫌いでたまらない人も。

そんなみんなで一緒に遊べる社会を目指しています。それは課題解決ではなくて。まだ誰も見たことのない未来を(ぼくは全然わからないから)みんなで一緒につくっていきたいと思っています。

2020年もよろしくお願いします。引き続き、面白いことができるとうれしいです。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。更新の頻度は不定期ですが、フォローなどいただけると大変うれしいです。