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ワクチンに見る問題点。

 コロナはワクチンが出来たことで、次の局面を迎えつつある。

 私自身は、情報をよく見た上で、ワクチン接種をしようかと思っているのだが、それには2つの理由がある。

 1つは、罹患して重症化したくないから。

 もう1つは、ワクチンが一定程度の人に接種されたとき、(おそらくは、一般的な16才以上の人に接種されたとき)接種していないことが今以上にリスクになる可能性があるから。


 どうも報道を見る限り、ワクチンは世界で争奪戦になってきたようだ。従って、日本が契約したといわれる全国民分のワクチンが納品される可能性は、少々危うくなっていると考える。

 時期が遅れるだけという事は大いにあるが、もしかすると、必要量が手に入らないという可能性もある。それでも、国内でもワクチンを作っているし、今後も世界のいろいろな会社からワクチンが作られてくるだろうから、いずれは必要量には達するだろう。

 そもそも、コロナの変異種が定期的に出てきている様子を見れば、現在のワクチンを大量に取得しても、また次の変異に合わせたワクチンが必要になるという、いたちごっこが起こる可能性もある。

 つまり、今の状況に一喜一憂しても仕方がないと言うことだが、打てるとき打っておかないと、次のチャンスが、なかなか巡ってこないという状況が起こる可能性があるかもしれない。

 ワクチンを打っていないことのリスクとは

 私が気にしているのは、コロナに罹患して重症化するかもしれないという恐れではない。(いや、もちろんそれは気にしているけれど、今ここで書こうとしているのは別の話である。)

 今回のワクチンの効果はまだよくわかっていない。

 治験では、コロナに感染したときに重症化することを押さえる効果と、そもそも感染を抑える効果と、両方があると言われているが、実際にワクチンの本当の効果がわかるのは、治験よりずっと大量の人間が接種するこれから先の話だ。

 現在マスコミで、専門家が語っているところを聞くと、ファイザーとか、アストラゼネカとか、日本が契約しているところは、コロナに感染したときの重症化を押さえる効果はあるとされている。

 次に感染を防ぐことが出来るかどうかは、まだわからないというのが本当らしい。(要経過観察)

 さらに、もし感染したとして、その感染したコロナウイルスを、他の人に感染させるかどうかについても、まだわからないという。

 感染そのものが防げるならよいのだが、感染はして、しかし発症しないだけで、キャリアの状態にあると、ウイルスを持ったまま移動して、他の人に感染させることはあり得る。つまり無症状者と同じになる可能性もあると言うことだ。

 鳥インフルエンザにおいて、どうして鶏は殺処分されるのか。

 鳥インフルエンザも流行っているけれども、実は鶏にワクチンを打つと、発症しないことがわかっている。鳥インフルエンザに感染した鶏の肉や卵を人間が食べたとしても、鳥インフルエンザには感染しないと言うことになっているので、もし鶏にワクチンを打っておけば、養鶏場はあのように大規模な殺処分をしなくても済むのではないかという考えがある。

 だが日本ではそうはしていない。

 鶏にはあえてワクチンは打たず、鳥インフルエンザに感染すると、死亡するようにしている。多くの場合、鳥インフルエンザに感染した鶏はすぐに死ぬので、死んだ鶏が見つかったら、すぐに殺処分を行えば、鳥インフルエンザを広範囲に広げずに封じ込められる。

 もしワクチンを打っていると、鶏は鳥インフルエンザに感染しても発症しない。しかしウイルスは保有し続け、キャリアの状態になる。その状態でもウイルスは出ているので、他の鳥や動物に感染させてしまう。鳥インフルエンザにかかっていることがわからないので、広範囲の移動をさせてしまうと、鳥インフルエンザが広がってしまう。

 恐ろしいのは、鶏の間を感染し続けると、インフルエンザウイルスに変異がおき、やがてそれが人間に感染することで、人間に感染しやすい高毒性の鳥インフルエンザが生まれ、一挙に広がってしまう可能性がある。

 現在のようなパンデミックが起こるわけである。

 これがワクチンを打ったときに起こる現象だ。

 このことは鶏の鳥インフルエンザでも、人間のコロナウイルスでも、基本は同じである。

 ワクチンを打つことが何を引き起こすか

 もし国民の全員が一気にワクチン接種をすれば、1つには、感染を大きく抑えられる可能性がある。

 2つには、もしこのワクチンが重症化を押さえる効力しかなく、感染を止めることは出来ないとしても、現状よりはましになる。感染が広がったとしても、罹患した人が重症化しないなら、今より安心して、経済活動が出来るようになるだろう。現在は、多くの若年層は罹患しても重症化しないし、無症状が多い。困るのは高齢者と基礎疾患のある人だが、この人達にもワクチンを投与して、重症化しなくなれば、かなり安心できる状態なるわけだ。

 だが、実際には、コロナワクチンが一気に日本国民全員に投与される可能性はまずない。すると、日本人全体にワクチンが投与されるまでの時間差によって、起こってくる問題がある。

 もし、ワクチンが罹患したときの重症化や発症を抑制するだけの力しかない場合、これはいわゆる、「無症状患者」の人数を増やしてしまうことになることを、おわかりいただけるだろうか。

 鳥インフルエンザの鶏の話と同じである。

 現在のような感染対策を、ワクチン接種後も同じように続ければよいのだが、おそらくワクチンを打つと、感染対策は緩んでくるだろうと思う。すると、無症状者が今より増えてしまうので、このときワクチンを打っていない人は、現在以上に危険な状態になるかもしれない。

 医療関係者と高齢者、基礎疾患のある人だけに接種されている状況であるなら、医療関係者はこの状況を熟知しているだろうし、高齢者は普通でも活動範囲が狭い。基礎疾患のある人も、本当に深刻な疾患であれば、活動範囲は狭いので、大きな問題にはならないだろう。

 しかし政府の定める基礎疾患の範囲だと、普通に活動できる人も含まれている(基礎疾患はあるが、コントロールできる人たち)この人達がワクチンを打つと、安心して遊び回ってしまう可能性がある。

ワクチンがないと不安だが、あっても不安

 ワクチンがコロナ感染のゲームチェンジャーである事は間違いない。天然痘も、ワクチンがあったことで撲滅に進んだ。結核も同じだ。現在も結核は存在するが、死亡率の高い種類の結核は、BCG接種によってがっちり押さえられている。

 そもそも子供が生まれると、たくさんの予防接種をする。それは全て、予防接種によって重大な病気が予防されるからだ。

 コロナ治療薬が出来ていない現在、ワクチンが唯一の積極的な対抗策である事は間違いない。ただ正しく使わなければ、帰って問題の多い劇薬である事も間違いない。

 ワクチンの副反応については、誰でも気にする。

 ワクチンを打っても、効果があるかどうかも気にする。

 だが、ワクチンを打ったことによって、感染防止の気を緩めてしまうと、返って危険だと言うことについては、気にする人がとても少ない。

 一番気になっているのは、政治家がこの点を気にしていないように見えることだ。彼らは、どう見てもワクチンを打てば全て解決すると思っている。本来は感染対策を重点に、ワクチンはその一環であるべきなのに、そもそも感染対策が上手くいっていないので、その点は棚に上げて、ワクチンで帳尻を合わせようとしている。

 しかしワクチンはそれほどの万能薬ではない。むしろ副作用のある劇薬として扱うべきだ。

 それを一番わかっていないのは、政府であるように思う。

ワクチンを打つようになったら気にしてほしいこと

 ワクチンを打ち始めると、感染者数は減ると思う。

 そうあってほしいわけだが、これは必ずしも本当に感染者が減ったわけではない。無症状者が増えたのである。

 だから、自分がワクチンを打っても、無症状者になっているという自覚はなくすべきではない。もしワクチンを打つことが出来ないほど弱っている高齢者や、基礎疾患のある人、アレルギー等でワクチンが打てない人、こうした人たちに会ったとき、もしかしたら感染させてしまうかもしれない。

 当然、ワクチンを打ったら、行動が自由になると思いたい。

 でも本当は逆である。自分が無症状者になることを念頭にしなければならない。若年者は今でもよく無症状者として感染を広げていると揶揄されるが、これからは、中年から高齢者も、ワクチンを打った人は皆若年層と同じように、無症状者としての自覚を持つ必要がある。

 その後一定期間が過ぎ、コロナの罹患者、重傷者、死亡者がいなくなるまで、ワクチンを打ったら、自分が無症状者として、必要な感染対策を持ち続ける必要がある。

 

 


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