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競売入札シミュレーション 神戸地裁尼崎支部R2.8.6開札②

さて、今回も前回に続き尼崎支部の競売物件を見ていきます。
今回は「戸建て」をピックアップです。

都市部で暮らす生活から都市郊外の生活もありか?
そう考えておられる方も少なからずおられます。
高い税金や家賃を支払うことを考えたら、のどかな環境で静かに流れる時間の中がで生活と仕事の拠点として見直しされています。

そんなお考えをお持ちの方に向けての物件です。
ご自身が居住が住む用途としても利用できますし、のどかな生活を楽しみたい方向けの賃貸物件として考えるとよさそうな物件だと思います。

では、早速見ていきましょう。

今回取り上げるのは

事件番号 平成30年(ヌ)第10008号(令和01年(ヌ)第10011号)
売却基準価額 1,840,000円
買受申出保証額 370,000円
買受可能価額 1,472,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:丹波篠山市今田町下立杭
地目(登記):宅地
土地面積(登記):177.28m2
用途地域:都市計画区域内未指定
建ぺい率:70%
容積率:200%

種別:建物
物件番号:2
所在地:丹波篠山市今田町下立杭
種類(登記):居宅
構造(登記):木造かわらぶき2階建
床面積(登記):
1階:106.88m2
2階:60.52m2
床面積(現況):
1階:106.88m2
2階:約87.52m2
間取り: 9DK
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和54年

■ポイント■
★物件明細書より
本件所有者が占有している。それ以外にはコメントはありませんでした。

★現況調査報告書より
現況調査報告書(補充)として別の書面が提出されています。
ポイントの部分のみピックアップ。
1.調査結果等の項目より
①物件所在地に赴いたところ、物件2建物の外観等に大きな変化はなく、電気は「無計量」になっていて、プロパンガスボンベの設置はなく、使用されていない状況であり、所有者(債務者)も「前回調査された際に父(当時の所有者)が言ったことに変わりなく、現在誰も使用していない。」旨陳述。
物件1,2の所有者が相続によって本件債務者に変更されたことを覗けば前回提出の報告書に変更を加えるところはない。
2.関係者の陳述より
所有者(債務者)
前回調査時に所有者であった父が死亡し、相続によって私が所有者となりました。前回調査時に父が言ったことに変わりなく、現在誰も使用していません。
3.調査の経過が記されています。

では、前回調査時点での現況調査報告書を見てみます。
1.所有者が空家で使用している。(建物)
2.土地について、公簿面積に比べて約10%程度の縄伸びがある可能性があるようです。
※縄伸びとは?
土地の面積が登記簿に記録された面積よりも大きいということです。
逆に小さい場合は、縄縮みと呼ばれています。
3.建物の不具合として、1階のホールや廊下部分に床材の剥がれやたわみがあるようです。
4.2階の登記面積が約27㎡大きいと思われるようです。

※関係人の陳述等より
・債務者兼所有者のコメントより
1.10年ほど前から空家のようです。出入りしていないため現在の不具合はわからないみたいです。室内で人がなくなったことはないとコメントされています。
2.隣地との争いはないそうです。

※間取り及び室内写真より
1.建物は敷地に対して建てられているため駐車スペースがなさそうです。
2.2階建ての建物で間取りは図面を見る限り9DKのようです。
3.1階にDK、洋室1部屋、和室3部屋、2階に洋室2部屋、和室3部屋。
4.室内写真では家財道具や使われていない衣類等が散見されているのがわかります。

★評価書より
1.最寄駅から約4.6kmの場所にあります。
2.道路の接面は東側、北側です。共に42条2項道路となっています。
3.ライフラインは、上水道・下水道がありとなっています。ガスはなしです。
4.再建築の際はセットバックが必要になるようです。
5.経済的残存耐用年数は0年程度となっています。
6.建築年度は不詳のようですが、市役所の課税台帳では昭和54年頃となっているようです。
7.基礎となる価格として合計368万円が評価額として算出されています。
8.賃料の目安が算定し難いですが、駐車スペースを確保できるとして5万円として設定してみます。5万円/月。年間だと60万円です。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
60万円÷184万×100=32.60%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
60万円÷368万×100=16.30%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
60万円÷294万×100=20.40%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

入札額をたてるのが難しいですね。
実際にどのような用途で利用されるか?それによって入札額も異なるでしょう。

昔は田舎暮らしが流行り、都市部に住まわれる方が家を売却して田舎の家を購入して生活されている方もいらっしゃいました。
現在は、家を買うのではなく、借りるという選択をお持ちの方もいらっしゃいます。
家賃が高すぎるとさすがに借り手は見つかりにくいと思いますが、手頃感があれば借り手は見つかるのではないかと思っています。

また駐車場がないのでどちらに車を止められるか確保が必要になるのがネックですね。車がないと生活が不便ですし、車を止める場所が離れると大変です。
部屋数も多いので何かと利用用途は考えられそうですね。

個人的に入札するならば!148万円で最低より少しプラスして入札しますかね。

今回は同じ所有者で、別の物件が売りにも出ています。そちらでセットで購入される方も居てるかもしれませんね。
参考に別の物件も内容を見ているとまた違う目線で見れるので、今回入札を検討される方がいてましたら併せて見てみてください。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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