競売入札シミュレーション 神戸地裁本庁R2.7.21開札④
今回も神戸地裁本庁の競売物件を見ていきます。
入札期間は令和２年７月８日～７月１５日まで
開札期日は令和２年７月２１日となっています。
さて今回取り上げる物件は、神戸市中央区の物件です
事件番号 令和01年(ケ)第193号
売却基準価額 3,210,000円
買受申出保証額 650,000円
買受可能価額 2,568,000円
種別：土地
物件番号：4
所在地：神戸市中央区大日通五丁目
地目（登記）：宅地
土地面積（登記）：４０．８４m2
用途地域：近隣商業地域
建ぺい率：80%
容積率：400%
種別：建物
物件番号：5
所在地：神戸市中央区大日通五丁目
種類（登記）：居宅
構造（登記）：木造かわらぶき２階建
床面積（登記）：
１階：３３．５７m2
２階：３３．５７m2
間取り：２Ｋ×２部屋
敷地利用権：所有権
占有者：債務者・所有者
築年月：昭和45年11月
こちらの物件です。
■ポイント■
★物件明細書より
１．物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号５】本件共有者らが占有している。
２．その他買受の参考となる事項より
【物件番号４】周辺隣地との境界が不明確である。
★現況調査報告書より
１．共有者らが建物を空家の状態で占有しているようです。
２．東西の隣接地との境界ギリギリに建物が存在している。
３．昭和４５年新築の古い建物であり、かつ、阪神大震災で被害を受けたことによるものなのか、外壁には大きなクラックが存在している他、建物自体も東方向に傾いている状況であることが確認できた。
４．一階と二階部分は独りした形状であり、建物内部での行き来ができない構造になっている。
５．長期間利用されていなかったもあったのか、１階、２階共に床材は強い撓みが感じられ、２階への階段の壁には大きな穴が開いたままであり、２階部分の店番は大きく撓んでいることが現認できたようです。
そのまま建物として利用することは極めて困難であろうと思料されています。
※間取り及び室内写真より
１．２階建ての建物ですが、１階と２階が独立しています。
間取りは２Ｋ。和室二間の続き部屋となっています。
２．トイレ、キッチン、浴室は間取り図では存在しています。
３．室内の設備等は取り換えが必要に感じました。
★評価書より
１．最寄駅から徒歩５分の場所にあります。約330ｍ。
２．用途地域は、近隣商業地域です。
３．接面状況は北西側で約３．２ｍ市道（建築基準法第４２条２項道路）
４．ライフラインは上下水道、ガス配管があるようです。
５．経済的残存耐用年数は０年と記載があります。
６．基礎となる価格として土地506万円、建物30万円。合計536万円が評価額として算出されています。
７．家賃について１戸賃料３万円として設定します。２戸ありますので、６万円。年間だと７２万円となります。
※１階と２階を繋げて一つの貸家とするのか？それとも二部屋でそれぞれ募集するのか？
【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】
計算式１【売却基準価額での計算】
７２万円÷３２１万円×１００＝２２．４２％（表面利回り）
計算式２【基礎価額での計算】
７２万円÷５３６万円×１００＝１３．４３％（表面利回り）
計算式３【計算式２より２割減で求める計算】
７２万円÷４２８万円×１００＝１６．８２％（表面利回り）
上記のような結果となりました。
先ほども書きましたが、改装をどうするのか？
２部屋分の設備等を入れ替えて２部屋の募集をするのか？
それともまとめて１部屋、貸家として募集をするのか？
他の競合する物件と差別化を図ることを考えるとどちらがよいのか？
実際にかかる改装費用もそんなに変わり無さそうな気もするので、個人的には一体にまとめて貸家として募集しますね。
前回の落札事例を鑑みて今回の入札予測を立てると表面利回り１４％と見ました。そうすると
７２万円÷１４％＝５１４万円となりました。
まぁ切りよく５００万円が入札額としてします。
※筆者の紹介
前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。
勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。
やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう？
現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。
併せて読んで頂けたら幸いです。
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