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競売入札シミュレーション 神戸地裁尼崎支部R2.8.6開札①

さて、今回は神戸地裁の尼崎支部が新たに開示が始まりましたので、そちらから入札シミュレーションをしていきたいと思っております。

今回の尼崎支部の物件数は「土地0件」「戸建て15件」「マンション7件」の合計22件が開示されています。

管轄する裁判所が代わると物件も変わってくるのか?
そのあたりも含めて物件を見ていきたいと思います。

さて今回取り上げる物件は、

事件番号 令和01年(ケ)第102号
売却基準価額 10,000円
買受申出保証額 2,000円
買受可能価額 8,000円

種別:土地 持分売り
物件番号:1-1
所在地:西宮市甲子園口三丁目
地目(登記):宅地
土地面積(登記):309.55m2
用途地域:近隣商業地域
建ぺい率:80%
容積率:300%
持分:99043分の1140

種別:土地 持分売り
物件番号:2-1
所在地:西宮市甲子園口三丁目
地目(登記):宅地
土地面積(登記):126.42m2
用途地域:近隣商業地域
建ぺい率:80%
容積率:300%
持分 99043分の1140

種別:区分所有建物
物件番号:3
所在地:西宮市甲子園口三丁目
種類(登記):店舗
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):地下2階部分 11.40m2
間取り:店舗 バルコニーなし
バルコニー面積:なし
管理費等:17,180円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和54年2月
階:地下2階
総戸数:57

店舗です。

そして、何よりもびっくりするのは、売却基準価額が1万円!買受申出保証額が2千円!というところです

■ポイント■
★物件明細書より
・その他買受の参考となる事項より
管理費等の滞納有
それ以外のコメントはありませんでした。

★現況調査報告書より
・所有者が空家で使用している。(所有者は法人のようです)
・管理費等の滞納があり【令和元年11月現在】約152万円
・物件は建物の地下2階部分にあるようです。
・飲食店が入居するテナントビルのようです。

※関係人の陳述等より
・現地マンションの管理人より
空家のままだと思います。
・管理会社の担当者より
約4年前から管理を行っているが、その頃から空家のまま。
壁や天井から水漏れがあるようです。特に地下街では多いそうです。原因はわからないことがおおく、対応は各テナントで対応してもらっている。
テナントによっては、内壁を二重にしたり、天井裏に水を受ける設備を設置したりしている。
水道設備がない部屋も存在する。

※間取り及び室内写真より
1.店の外観は飲食店の趣が残る作りになっています。
2.冷蔵庫や事務机など残置物が残っています。
3.水道メーターの写真があります。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩2分の場所にあります。
2.中高層ビルが建ち並ぶ駅前商業地域のようです。
3.経済的残存耐用年数は約5年程度となっています。
4.総戸数は57戸
5.建物全体の修繕積立金は約1600万円
6.毎月のランニングコストの内訳
①管理費8550円、②修繕積立金5130円、③電気使用料不定、④水道使用料2000円、⑤振興会費500円、⑥ごみ処理料1000円、⑦電気基本料不定
7.トイレは店舗の外
8.基礎となる価格として合計119万円が評価額として算出されています。
9.評価人算定の賃料設定額は3.3万円/月額。年間で39.6万円です。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

※滞納が約152万円ありますのでそちらを購入額にonして計算します。

計算式1【売却基準価額での計算】
39.6万円÷(1万円+152万)×100=25.88%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
39.6万円÷(119万円+152万)×100=14.61%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
39.6万円÷(95万円+152万)×100=16.03%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

滞納の額を考えると家賃回収のめどがいかほどになるのかも考えないといけません。
評価人の家賃設定だと年間で39.6万円です。それだけでも約4年は収入が入らない計算となります。

室内については、水道が使用できるかどうか確認が必要ですが、店舗としてお貸しするならば中の改装は不要ですね。

ただ、気になるのは水漏れがどうなっているのか?

今回の3点セットの中には、店舗内での水漏れのことは触れていなかったので特に問題ないかもしれませんが、行く行く起こり得るリスクとして考えておく必要があるでしょう。

売却基準価額が非常に安いですが、買ってからあれこれとやることが多そうです。落札されるのはやはり不動産会社かベテランの投資家か?
一体いくらで落札されるのか想像がつきません。

開札結果を楽しみに待ちたいです。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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