競売入札シミュレーション 競売入札シミュレーション京都地裁本庁編①R4.1.20開札
さて、今回取り上げるのは「戸建て」をチョイス!
京都地裁本庁編
土地が1件・戸建てが21件・マンションが6件で、合計28件の開示です。
入札物件の期間は、
入札期間は1月6日~1月13日
開札期日は1月20日です。
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事件番号:令和03年(ヌ)第72号
売却基準価額:1,900,000円
買受申出保証金:380,000円
買受可能価額:1,520,000円
1.土地
種別:土地 持分売り
物件番号:1
所在地:京都市右京区嵯峨朝日町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):76.49m2
用途地域:第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%
持分:16分の4
2.建物
種別:建物 持分売り
物件番号:2
所在地:京都市右京区嵯峨朝日町
種類(登記):居宅
種類(現況):店舗・居宅
構造(登記):木造スレート葺3階建
床面積(登記)
1階:54.81m2
2階:52.24m2
3階:47.79m2
間取り:その他
敷地利用権:所有権・その他
占有者:あり
築年月:平成6年11月
持分:10分の3
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■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1、2】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号2】
(1)1階につき、仮差押えに後れる持ち分10分の3及び売却対象外の持ち分10分の7の共有持ち分を有する【法人A】から賃借しているCが店舗として占有している。
(2)2階及び3階につき、仮差押えに後れる持ち分10分の3並びに売却対象外の持ち分10分の7の共有持ち分を有する【法人A】から賃借している【E】が居宅として占有している。
※【法人A】は、3点セットの資料には名称が掲載されています。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1、2】
本件土地及び建物は、いずれも共有持ち分についての売却であり、買受人は、当該物件を当然に使用収益できるとは限らない。
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★現況調査報告書より
1.その他の者らが本建物を居宅・店舗として使用している。
2.占有者及び占有権原より
①占有範囲|1階(C)/2階・3階(E)
②占有状況|店舗/居宅
③占有開始時期|令和元年12月1日/平成29年7月1日
④契約等当事者|貸主:所有者。借主:占有者/貸主:所有者。借主:占有者
⑤敷金・保証金|なし/保証金200万円
3.北側で幅員約6mの京都市道嵯峨緯132号線(建築基準法42条1項1号該当)に投稿に接面している。東側の道は建築基準法上非道路である。
4.1階は店舗、2階と3階は居宅である。1階店舗部分と2階3階居宅部分は互いに独立しており、いったん外に出ないと行き来することはできない。1階から2階に上がる中階段は天井板で閉鎖されている。2階に行くには、東側の外階段を昇って2階玄関を通らねばならない。
5.3階に小屋裏収納が設置されている。3階小屋裏収納は面積は約12㎡、高さは約1.5mである。小屋裏収納の面積は、登記床面積、固定資産税の評価床面積には含まれていないが、高さが約1.5mあるため、小屋裏収納の面積約12㎡が固定資産税の評価床面積に算入される恐れがある。
6.1階店舗正面に飲食店の屋号を記した看板が掲げられている。
※関係人の陳述等より
物件2建物(1階店舗部分占有者C)より
1.私は、1階店舗部分を【法人A】から賃借して飲食店を営業しています。
2.契約書上の賃借名義人は、私の父であるDにしています。
3.もともとは、令和元年12月1日から、私が仮差押え債務者Aから物件2建物1階店舗部分を賃借しました。1階店舗部分の賃料は、仮差押え債務者が借りているマンションの家賃を代わりに払うことで充てる約束になっていました。店舗賃貸契約書と仮差押え債務者が借りているマンションの家賃の領収証を提示します。
4.令和3年4月分まで、仮差押え債務者が借りているマンションの家賃を支払い、令和3年5月、【法人A】から1階店舗を父D名義で賃借しました。店舗賃貸借契約書と【法人A】発行の領収証を提示します。
物件2建物(2階3階居宅部分占有者E)より
1.私は平成29年7月から物件2建物2階3階居宅部分を、Bさんから賃借して居住しています。
※Bは、【法人A】の代表者
2.私が来たときは、2階3階居宅部分はゴミ屋敷のようで、部屋に物が多数残されており、ごみが散乱し、内装も破損し、住める状態ではありませんでした。そこで貸主の【法人B】と相談して、私が費用200万円を出して専門業者を頼み、居宅部分の原状回復を行いました。Bさんと相談して、覚書を作成し、その200万円を差し入れ保証金と見做し、私が退去したときに私に返還することにしました。
物件1土地持ち分2分の1共有者兼物件2建物所有者【法人A】代表者兼【法人B】代表者Bより
1.1階店舗部分をDに賃貸しています。
2.2階3階居宅部分を、平成29年7月、当時の所有者である【法人B】からEに賃貸しました。
3.覚書に記されている通り、Eが200万円の費用を負担して、ゴミだらけ物件2建物2階3階居宅部分の原状回復を行いました。Eが退去するときに全額返還することにしました。
4.物件2建物を【法人B】から【法人A】が令和元年9月に買い、賃貸人の地位も【法人B】から【法人A】に承継しました。
※執行官の意見より
1.本件は、債権者による平成28年5月25日仮差押えが先行する強制競売事件である。仮差押え債務者Aは、すでに仮差押えされた持ち分を売却譲渡している。
2.現在、仮差押えされた物件1土地の持ち分16分の4と物件2建物の持ち分10分の3は、現在、【法人A】が所有している。もっとも、【法人A】は仮差押えされていない持ち分も所有している。物件1土地の【法人A】の持ち分2分の1のうち4分の1が仮差押えされていない持ち分であり、残り16分の4について【法人A】は仮差押え後の所有者になる。物件2建物は、【法人A】の単独所有であり、物件2建物の持ち分10分の7が仮差押えされていない持ち分であり、残り10分の3の持ち分について【法人A】は仮差押え後の所有者になる。
3.
※間取り及び室内写真より
1.1階は店舗。2階3階居宅部分の間取り図が見受けられます。
2.2階3階の居宅部分を見る限り複数人で生活されているように見受けられます。
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★評価書より
・最寄駅から約30m。徒歩1分です。
・用途地域|第1種中高層住居専用地域
・接面道路の状況|北側幅員約6m市道(42条1項1号道路)
南西側幅員約4.7m道路(42条1項1号道路)
・ライフライン|上水道、ガス配管、下水道あり。
・経済的残存耐用年数|約3年
・建築確認有、検査済み証なし。
・建蔽率、容積率を超過していると思われる。
・3階に小屋裏収納があるが、イブ高さが約1.5mあり、床面積に算入される可能性がある。
・外壁に複数の亀裂箇所が認められた。
・1階洋室の内壁に剥離箇所が認められた。
・2階LDKの床に損傷個所が認められた外、緩みも感じられた。
・3階の内壁に亀裂箇所が複数認められた。
・基礎となる価格として約301万円が評価額として算出されています。
・評価人の算定した想定賃料は12万円/月。年間で144万円となります。
※持ち分での算出ではなく全体での算定額になっているようです。
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【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】
計算式1【売却基準価額での計算】
144万円÷1689万×100=8.52%(表面利回り)
※1689万円は全体での評価額。3点セットより転記。
上記のようになりました。
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★入札時のポイント★
持ち分の強制競売事件のため、落札しても自由に使用収益することはできません。
そちらを理解したうえで入札参加が必要です。
また、このような場合での入札は札が入らないケースもあります。
3点セットをご覧いただけるとわかりますが、差押え債務者の持ち分の競売になっています。
しかしながら、そのような状況で転売をして現在は共有者になっていないこと。
その持ち分を取得した【法人A】。
そして、もともとは【法人B】が名義人であったものを【法人A】へ売却されていること。
1階店舗賃借人が以前の差押え債務者のマンションの家賃を支払うことで店舗の賃料としていたこと。
なかなか交通整理が必要な案件です。
このような場合での入札は長期戦で一つずつ片付けていくことが考えれるため、一般の方は入札をされないでしょう。
【法人A】が入札をして正式に持ち分を自社のものにされることが考えれますね。
それにしても、中々色々と絡み合った内容且つ、登場人物が多くわかりにくいことから開札結果を見てみたいと感じます。
入札シミュレーションにならずごめんなさい。
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YouTubeちゃんねる
『不動産屋ちゃんねる』
こちらでも、色々と情報を配信しています。よければ、そちらもチャンネル登録の上、ご覧下さいませ🤗
https://youtube.com/channel/UC6tfWMQ9mbEdcG1EkCSCkMQ
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※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。
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※筆者の紹介
前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。
現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。
個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。
勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。
やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?
現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。
併せて読んで頂けたら幸いです。